いまさら聞けない受験の基礎知識

 「いまさら聞けない受験の基礎知識」は、有名予備校の講師や首都圏の超進学校の生徒には当たり前の受験についての基礎知識を、多くの高校生や親御さんに共有していただく為のブログです。

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電車に乗ってて思った。この世界には無駄なビジネスが多いと。

 電車に乗っていたり街を歩いていると、かならずいろいろな広告を見るのがもはや職業病のようになっています。なにか自分の商売にも活かせるところがないかなと思うからです。

  まあ、それにしても無駄なビジネスの多いこと。正直ニーズもわからなければ、価値も感じないビジネスがあまりに多いのです。

 たとえば、

Aグループ「色恋系」
・ 街コン
・ 合コン
・ いわゆるきれいなおねえちゃんが一杯居る店
・ 結婚相談所

Bグループ「勉強系」
・ 学習塾
・ 通信教育
・ 学校(特にたいして有名でもない高校・大学)

Cグループ「お金系」
・ お金稼げる情報教えます的な何か
・ 社長がお金稼げるノウハウ教えます的な何か

Dグループ「ブランド物を着てるとどんなバカでもよく見える」
・ ブランド物を身につけてると価値がある人間と思ってる

Eグループ「自炊しない」
・ とにかく外食が好き
・ 時間がないから料理をしない
・ 見栄を張る為に高い店に行く

Fグループ「プライベートは大事」
・ 一人で居る場所を確保したい
・ 中心部から遠くても自分の城が欲しい

 この六つは代表的なものでしょう。よく、いろいろな人のお金の相談に乗るのですが、今の日本でちゃんと働いていれば衣食住に不自由している人というのはほとんどいません。だいたい、このAグループからCグループのどれかに大金をつぎこんでいるがゆえに生活が苦しいか、あるいはDグループからFグループのように、衣食住のどれかについての考え方がすさまじく間違っているかで、お金がなく苦しんでいる人が多いのです。

良く聞く代表的な三つの悩み

 このAグループからCグループは、良く聞く代表的な三つの悩みを解決する商売です。Aグループは「モテたい」Bグループは「頭が良くなりたい」Cグループは「お金を稼ぎたい」という悩みです。

 実はこれらでなんとなく漠然と悩んでる人ってとても多いと思うのですが、これらの悩みは実は大した悩みではありません。どれも自分の行動で完結する悩みだからです。

 たとえば、それは自分で会社をやってみると分かります。大家さんは家賃を三割上げろといってこないか、スタッフはちゃんと教え子さんを合格できるだろうかなど、もちろん自分の努力もありますが、事業の成否の結構な部分を現実には赤の他人に握られることが多いのです。そして、大家さん、スタッフ、教え子さんなどの利害関係者は多くの場合変える事ができません。(だから、自分が最大限努力することで、少しでも運を良くして、事業成功の確率を高めようと努力します。)

 ところが、この「モテたい」「頭がよくなりたい」「お金を稼ぎたい」という悩みについては、九割九分は自分の努力で解決できます。さらに、他人に成否をゆだねる残り1%の部分についても、この場合の他人というのはたくさんいますから、まあ実質的には100%自分の努力でどうにかできる問題です。

女子にモテる話について

 まず、女子にモテる話からしましょう。誰か特定の人に好かれたいなら結構難しいですが、とりあえずモテたいのであれば、やるべき事は簡単です。どこか繁華街の駅前に出て、ひたすら異性に話しかければいいのです。モテるかどうかは、イケメンかどうかではなく断られた回数と、そこから普遍的に通用する教訓を学べるかどうかにあります。

  コツはやってるうちに覚えると思いますが、私が経験したことがある範囲で話すと

・ ネガティブな選択肢につながるような事は言わない
(ex;「今から駅ですか?」「今から帰りですか?」など。ネガティブ選択を加速する。)

・ そもそも選択肢を与えない
(ex;「むっちゃかわいいんで、話しかけないと一生後悔すると思って話しかけてるんですけど、おいらの友達の彼、ほらイケメンの彼、今日誕生日なんですよ一緒にハッピーバースデー歌ってくれませんか、ハッピバースデーひろきーパッピバースデーひろきーハッピバースデーびぃあひろきー、ハッピバースデーひろきーあやしいものじゃないですよ、大丈夫大丈夫彼マジで誕生日だから、ほら証明みせて、ほら東大の学生証、誕生日きょうでしょー」を一息でいう。ハッピーバースデーのコーラス以外相手に話をさせない!)

・ 自分の都合で物を話さない
(ex;「今から呑まない?」「どっかで話しよーよー」は自分の希望。相手からそういってくれるまでは徹底的に相手の事を褒める。かわいいまではOKだけど、見た目を褒めるのはダメ。見た目なんてだいたいみんなコンプレックスがあるから。ブサイクなら見た目褒めてもいいけど、そもそもブサイクは話しかけない方が良い。好き嫌いは別にして落とすのも落としてからも大変。相手の性格、内面を褒める。気が強そうな人ならなんか自分持ってそうだよねとかそれを褒める。ナンパとかひっかかったことなさそうだなーとかいって、相手を尊重する。時間あるなら話付き合うよとか、あくまで上から目線でいく。仲良くなったらお前と呼ぶ。それで嫌われる人はそれまで。名前を当ててあげて、見返りで連絡先をもらう。)

・ 友達と二人組でやる
(ex;友達はHUBにでも行けば即席でイケメンの引っ込み思案な男子が捕まります。注文しなくても込んでる時は店員にバレませんし、注文するなら1/2のギネスなら500円で行けます。お金がない時は、会計は全部彼に払わせても良いぐらいです。というかああいうところにいるイケメン男子は見栄っ張りでお金払いたい人が多いので全力で払わせろ。どうせイケメンの親のお金だしね♩)

・ なんかやさしそうで良い反応をしてくれる人はさっさと話を終わらせて、次に行く。
(ex,気が強いか気が弱い人の方がいい。優しそうで良い反応をする人から明確なYES!を引き出す事は難しいし、そもそも内面で考えている事を察するのが難しい。分かりやすい人の方がいい。そういう意味では、ブサイクな人ときれいな人がいたら、声をかけるべきなのは迷わず後者です。個人的には気が強い人の方がよっぽど人間関係が長持ちしやすいです。)

 の五つです。

 これで掛かるコストは、繁華街まで行く電車代ぐらいで、他はすべてイケメンの即席友達の負担で大丈夫です。女の人については、ちゃんと気に入ってもらえればお金は払ってもらえます。お金をおごってくれるいまいちな男子になるよりも、お金払ってでも話したい男子になりましょう。これが出来る人は家庭教師とかやっても稼げます。

 だから、いわゆる街コン・合コン・きれいなおねえさんの居る店・結婚相談所の需要がまったくわからないのです。ブサイクでもひたすら話しかければモテるのに! あと、こういう声かけでも、30分もしたら呑める子は見つかりますから、時間的コストも街コン・合コン・きれいなおねえさんの居る店・結婚相談所と変わりません。それでいて金銭的コストは激安です。

 (ただ、そんな私も仕事で後輩や教え子様と話すときは、さすがに自分で会計出しますよ!)

勉強ができるようになる話について

 勉強ができるようになる話については、再三私もブログで書いてきましたが、結論から言うと、基本的には暗唱と訓練です。

 日本の教育というのは、とかく「授業」に重きを置いています。それは、成績が良い生徒を作るのが教育の目的ではなく、人の話をおとなしく聞いてそのとおりにやる人を作るのが教育の目的だからです。学習塾がそのスタイルなのは、多くの保護者がなじんでいるそのスタイルを取る事が一番お金を取りやすいからであって、生徒に成績を上げてほしいからではありません。

 しかし、そんなことをしてても上には上がれません。みんなと同じ授業を同じように受けていて、それで成績が上がるのなら、その人は天才です。凡人の脳みそで人より良い生活をしたいのならば、先生の言う事など全部無視して、とにかく上に上がるべく、自分の成績を上げる事に神経を集中すべきです。

  成績を上げるためにすべきことは、授業を聞くことではありません。

1.覚えなければいけないことを覚えるために文章にして知識を関連づけて暗唱すること
ex.)英単語、古文単語、漢文語彙、歴史地理公民の知識、化学生物地学などの知識

2.出来るようになれねばならない動作を出来るようにするために訓練すること
ex.)英作文、現代文読解、数学・物理の解法再現

 この二つだけです。極めて簡単です。

 もちろん、それぞれの教科・分野ごとにつまづきやすい欠点みたいなものはあるので、それはやっていくうちに学べば良いのです。ただ考えもなしに反復するだけというのはもちろん良くなくて、一回一回改善していこうという気持ちを持つ事が大切です。

 だから、どうしてこんなに簡単に、ほぼ参考書代だけで成績を急激に上げる方法があるのに、みんな塾とか通信教育とか家庭教師をやるのかが本当に謎なのです。大して効果もないのに。

お金を儲ける話について

 お金を儲けることについてもそうです。お金を儲けるために必要なことは、そもそも資本主義の社会でどういうものに高いお金がつくかを考えれば明らかです。それはつまり、必要とはされているけれど、やる人がいない商売です。

 よく、多くの経営者は、がんばって働けばいいということをいいますが、そんなことは考えてみれば当たり前のことです。ユニクロの店員だってコンビニの店員だってがんばっていることはがんばっているわけです。お金が儲からない理由はそんなことではない。

 では、何かというと、一つは必要とはされているけれど、やる人がいない商売をやっていないということが挙げられます。たとえば、女性なら水商売、男性なら債権回収や廃品回収、エンジニア、あとは人材紹介系などです。

 あと、相応のリスクを背負うことも大事です。リスクって実は大したことがないことが多い。生命保険を担保にして数億円借金したとしても、返せなければ返せませんでしたてへぺろとすればいいだけの話だったりもしますし、最悪追いつめられても逃げる場所はたくさんあります。

  がんばることはもちろん大前提として大事なのですが、日本人の場合がんばっていないから稼げない人よりも、どちらかというと商売の好き嫌いが激しかったり、リスクっぽいものを背負うことを極端に拒絶しているから稼げない人の方が多いような気がします。

 私がなにもない状況でどうしても年収一千万円欲しかったら、まず考えるのは人材紹介系かなーと思います。完全成果報酬制なので、最初の二ヶ月は資金繰りがキツいですが、それを超えたらハッピーな感じになれそうです。あとはエンジニアも悪くない。最初の一年は修行の時期で我慢しないといけないこともいっぱいありそうですが、それを乗り越えたら年収一千万円ぐらいまでならすぐ行くのがこれらの業界です。さらに自営業にできるから、税金もうまく安くできます。修行の時期は、友達の家にでも居候しましょう。

 もちろん、人材紹介にせよ、エンジニアにしても、日々工夫は必要なわけですが、路上でナンパしたときぐらいの創意工夫があれば、どんな仕事でもそこそこはうまく行くと思います。

 (そもそも、商売をしていると、頭が活性化されて、それぐらいの工夫は普通に出来るようになります。おすすめです!)

そもそもお金がないことは、生活を不自由にするのか?

 こうやって考えると、別にお金かなくても割と楽しく暮らせそうですが、それでもお金はあったほうがいいというのが私の考えです。

 というのも、お金があると、いざというときに人助けができるからです。

 たとえば、私の母親は私が大学に入ってすぐに乳がんになったのですが、その当時、私と私の父親が共にそこそこちゃんと稼いでいたので、結構高額な医療費を必要とする治療を受ける事ができて、結果として一命を取り留める事ができました。その治療をした場合としないばあいで、五年生存率は30%と80%で、50%も開きがある。そういう治療ができました。

 「生命だけは平等だ」といって、最近捕まった人がいましたが、残念ながら命は平等ではない。たとえば事故率が高い航空会社と、事故率が低い航空会社では値段が結構違うのですが、これは命を失う可能性があるから値段が安いわけです。

 さらにお金持ちになれば、お客様や家族だけではなく、会社のスタッフや、会社にご出資いただいている方、新たなお客様にまで、自分が持っている愛を届ける事ができます。

 だからこそ、お金を稼いで、お金を貯めることには価値があると思うし、あまり合コンとか学習塾のような意味のないものにお金を使わず、質素に楽しく暮らすことが大切だと思うのです。

食事について

 食事についてですが、会社がきついときは、私は一日一食にするようにしています。昼ご飯しか食べないのです。朝も夜も食べない。そうするとだんだん痩せてきます。一日20kmぐらいジョギングすればさらに痩せるでしょう。

 一日三食貧相なものを食べるぐらいなら、一日一食良いものを食べた方が健康的です。東京だと、千円以内でミシュランの星付きの店でランチが食べられる店もそこそこありますから、そういう店を見つけておいて声かけのネタにするもよし、後輩をつれてきてどや顔するのも良しです。人生楽しそうでしょ?w

 あと、シェアハウスをしているなら、自炊したほうがお得です。一人暮らしの場合は外食の方がトータルではお得です。そういうのも判断しながら、自分なりに楽しみましょう。

服装について

 服についてですが、とりあえず清潔感があり、顔と体型が良ければいいような気がします。ユニクロでもいいし、H&Mも安くておすすめです。ドンキはだめですw

  ブランドものはたしかに良くて、私も羽振りが良かった時に買ったコムサのコートや、当時の彼女からもらったヴィヴィアンの名刺入れや、ポールスミスの筆箱、あとヴィトンのバックなんかを見ると、ああそれはそれでいいなぁとは思うのですが、べつにないからといって不自由するものではありません。

  ブランドもので人を見る人も、話をする系の水商売の人を除いては、あまりいない気がします。結構多くの方がブランドものを持っていますが、話をしていて面白い人というのは本当に少ない。

 資本主義の社会においては、数が少なくて、ニーズが大きいものに価値がありますから、ブランドものを持っている人なんかよりは、話をしていて面白い人になることをお勧めします。

住むところについて

 これも、いろいろな条件があるとおもうのですが、条件を一つに絞って、他を全部無視したらかなり家賃は安くなります。

 たとえば、私は友達と歌舞伎町に住んでいたりするのですが、確かに喧嘩している人は多いし、なかなかデンジャラスな街なのですが、家賃はちゃんとしたマンションでもワンルームで五万円ぐらいのところがあります。自殺者がいる物件だったり、隣のビルが自殺の名所だったり、怖いお兄さんやきれいなおねえさんが頻繁に出入りすることを気にしなければいい物件です。

 ワンルームで五万円のところに、三段ベットを置いて、空いてるところに布団でもしけば五人は暮らせます。一人頭一万円です。これは驚異的な安さといっていいでしょう。

 品川や渋谷の近くにも工夫すればこういうところはあります。頭を使いましょう。

お金は稼ぐよりも、使う方が大変

 お金は稼ぐよりも使う方が大変です。稼ぐのは誰でも出来ますが、使い方には人格が現れます。

 稼ごうと本気で思えば、資金繰りのサイトや、技術を錬成するまでの時間にも左右されるのですが、三ヶ月から一年も辛抱すれば、だいたいはちゃんと稼げるようになります。

 しかし、ちゃんと正しく使うというのは、稼げるようになってから数年経っても結構難しいことです。とくに稼げるようになってから最初の一〜二年は、お金の使い方については失敗ばかりしてきました。結構な額を結果として無駄遣いで失った気がします。

 たとえば、私は食い道楽で、一時期ぐるなびで高い店を見つけては、当時付き合っていた彼女と一緒に食事をしていましたが、「おのぼりさん(by当時の彼女)」であった私は、東京におけるうまいレストランの見つけ方がまったくわからず、ぐるなびだか食べログで調べて高そうなところに行くというのを繰り返していました。

 あとで、それらのやらせ問題を知った時にはずいぶん裏切られた思いをしたものです。その後、当時の彼女のお父様に、いい店にいろいろ連れて行っていただき、今ではだいぶ見抜き方を心得た気がします。

 お金があるときもないときも、お金は大事にすべきだと痛感した出来事でした。

年収一千万円、一億円あってもお金は貯めた方が良い

 お金がないときはもちろんお金を大事にするわけですが、お金があるときこそお金を大事にしなければなりません。そうしないとお金がないときに苦労することになります。

 だから、お金が入っても、生活は極力質素にしていたほうがいい。まずこれは一番大事なことです。

お金は発言力。自由を確保し、出来る事を増やし、人々の役に立つために使うもの

  その上で、やりたいことがあるときに、お金がないからという理由であきらめるのもどうかということもあります。

 工夫すれば、お金がなくても、やりたいことはだいたいできる。それを伝えるために今日はこのブログを書きました。

 
ただ、その上で、お金を稼ぐ事の大切さもやはり認めます。お金というのは発言力です。お金があれば、人からいろいろ言われずにやりたい事ができますし、使えるリソースも増える。人に迷惑をかけずにすむ。人のお役に立てる。自分が世の中にとって必要な人間なのだと実感できる。

 
そういう意味ではお金は大事な道具だと思います。ただ、お金がなくてもなりたい自分になる事をあきらめる必要はないと思います。もし、勉強とかで、なりたい自分になりたい、でもなれなくて困っているという方がいたらお電話ください。無料で対応します。 


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高校三年生の冬、推薦入試に落ちて迎えたクリスマス

 高校三年生の時の私は、高校にはろくに通わず、大人が出るようなイベントに顔を出しては、それだけで満足するような「意識が高い(笑)高校生活」を送っておりました。ついでにいうと、東京に行く長距離バスの待合室でナンパするのが趣味というバカっぷりでした。であるからにして、国語数学理科社会、ついでに英語なんて一切手をつけておりませんでした。入ってから男子校に入った事に気付き、まったく高校生活にやる気がなくなっていたのです。

 人生で最悪のクリスマスっていつだったかなと思い出して、ふと高校三年生のときを思い出しました。絶対に受かるとなめきっていた自己推薦入試に落ちてしまったからです。どうしてほぼ不登校でそう思っていたかは謎ですが、とにかく私にとってはショックでした。

 今にして思えば、どうしてあの頃は何もしていなかったのにあんなにも自信過剰だったのかと思うのですが(この性格は大学に合格した後もあまり変わりませんでしたが)、なにはともあれ大学に落ちたのですから、どうにかしなければなりません。

「慶應なのに一科目入試!」の存在を知る

 推薦入試に落ちたとき、ふと思ったのは「一般入試で慶應に入ろう!」という無謀な決心でした。

 私は人生において、だいたいいつも間違った決断ばかりしてきましたが、とくにこの「一般入試で慶應に入ろう!」というのは救いがたいぐらい間違った決断でした。当時の私の苦手科目は英語で、中学生でも間違わないような間違いを平気でやらかすような高校生でした。(三人称単数現在形の-s,-esを抜くとかね!)偏差値はだいたいいつも全教科40ぐらいをうろちょろしているようなありさまでした。

 そんな時いろいろな悪さを一緒にしてきた悪い友達からこんな話をされました。

「林さ、お前慶應受かったら塾講師やんなよ、落ちたらホストクラブに就職ね。前者なら中年女性と女子高生口説けるし、後者なら若い子口説けるでしょw」

 べつにホストができるぐらいツラがいいわけではなく、むしろどちらかといえば顔面は不自由な方なのですが、ただ単に女の子が好きだっただけなのですが、なにはともあれ、この一言で慶應を受けることを決めました。当時付き合っていた女の子が上智を目指していたり、その前好きだった子が早稲田を目指していたりしたのもひとつのきっかけでした。同じ大学には行きたくなかったので、じゃあ慶應かなと。しかし、慶應は甘くなかった。

甘くはなかった慶應SFCの入試内容

 私にホストクラブへ就職を薦めてくれたその友達が言うには、慶應といっても、慶應SFCなるものがあるらしく、そこは英語だけで行けるらしいよという話でした。

 なるほど、甘いぜ慶應SFC、おいらの人生は慶應ボーイでバラ色だと思って、さっそく過去問を買いに書店行きました。
 
  さっそく赤本を開いてみると、こんなかんじでした。

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 こんなんが10ページぐらいつづいてました。死にたくなりました。なんてことだ慶應SFC。そう思って、試しに他の大学の問題を見てみると、同じぐらい訳が分かりませんでした。つまり慶應SFCが難しいとか早稲田が難しいという以前の問題として、私はそもそも大学受験に出て来るような英語の長文が全く読めなかったのです。

三ヶ月で合格を勝ち取るための入試出題傾向分析

 英語はまったく読めなかったし、英文の内容も正直よくわかりませんでしたが、ただ早稲田・東大・京大・他私大の問題を見て、ああどうもこれらの大学は慶應SFCとはちがうらしいなということはなんとなく肌感覚で分かりました。

 たとえば、京大はなんか文の構造がおぼろげながらでもわからないぞ(特に下線部は)、とか東大はいろんな問題出すもんだなーとか、慶應と他私大だと単語レベルがぜんぜんちがうなーとか、英語を習い立ての中学一年生でも分かるような感想ですが、とりあえず大学によって出題傾向が違うことはわかりました。

 特に、東大・早稲田・慶應・旧帝大のような一流大学は、それぞれにDQNネームよろしく入試問題にも相当の個性があることが分かってきました。一方であまり有名ではない大学の入試問題というのは、案外似通っているものなのです。(学習塾業界に入って初めて知りましたが、てきとうな大学だと先生のレベルが低く、入試問題を予備校に作らすところが多いので、結果そうなるようです。)

 とりあえず、慶應SFCの問題を見たところ、以下のように分類できることがわかりました。

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 こうやってみてみると、実質一教科入試のSFCもなかなか舐めたものではありません。後々より詳しく説明しますが、合格するためには結構やることが多いのです。

長文読解四択の傾向分析

 まず、長文読解四択についてですが、英単語をとにかく覚えまくることがなによりも大切になります。なぜなら、慶應の入試では、単語が読めなくて文章の意味がわからないということが多いからです。

 英文読解については、必要とされる記号の振り方、記号を振るべきポイントが各大学の出題傾向によってかなり違うので、これもディスコースマーカー本などではなく、ちゃんと自分で分析・検証することが大切です。

 英文背景知識については、慶應特にSFCの入試で必要不可欠です。元々少ない受験科目であることから、この英文背景知識の中で、たとえば理科的な知識・思考であったり、社会的な知識・思考を試すような高度な背景知識が必要とされる問題が多いからです。必要とまではいわなくても、あったほうが文章の理解が早いというのが、あるいは正解かもしれません。

 英文解釈についてはいろいろな本が出ていますが、恐るるに足りません。基礎に戻る、状況を整理する。この二つの事さえできれば問題ないですが、そのためにはどうするかについて書きたいと思います。

英単語対策は、バカでもできる暗唱を極めること!

 まず、英単語の対策ですが、三ヶ月で慶應SFCに合格するためには時間がありません。しかし、一方でレベルはそこそこ高い問題を出してきますから、曖昧な理解では心もとないのが現実です。

  そこで、英単語は、「リンガメタリカ(長文集)の暗唱」だけで極めてしまうことにします。これだけで1500ぐらいの、慶應SFCに良く出てきそうな単語を習得することができます。だいたい英文部分だけだと50ページぐらいです。

 一日三回、週五回、三週間の暗唱。これで四十五回暗唱したことになります。実際は学習障害を持っている子にさせても三十回もあれば暗唱できるのが普通です。コツは、間隔を毎日にし、かならず三週間続ける事です。同じ文の音読を1日で一気に45回やっても効果はありません。頭の中に記憶をいれておいて、毎日毎日三週間引き出すイメージでがんばってください。

 たまに五回も読めば、いつでもすぐ暗唱できてしまうという人がいますが、そういう方には、リンガメタリカに近い参考書としてアカデミックや速読速聴シリーズをおすすめします。全10冊です。

英文読解対策は、入試で使われている課題文から逆算すること!

 英文読解についてですが、これはディスコースマーカー本とかを買って、接続詞に線をつけて、適当に読み飛ばすような勉強だけは絶対やめてください。

 その上で、まず大前提としては、先にも述べたように暗唱を通じて、すべてを精読かつ速読できる英語力を付ける事です。これがまず大前提です。

  その上で、そこまでやってもなお、読んだはいいけど内容を左から右に忘れていく、ぱっと問題に解答できないというときに、初めて課題文に記号を付けるということに意味を持つようになります。

 まず、入試で使われている課題文をざーっと読んで、使われている接続詞をすべて書き出しましょう。その上で、それぞれの接続詞がどういう意味を持っているかを調べて、グルーピングしていきましょう。

 自分なりに分かりやすい分類をつくってみて、記号を作ってみて、それに従って問題を解く時には読み返すのが王道かなと思います。

 よく予備校なんかでは、いろいろなテクニックを教えてもらいますが、ああいうのはあくまでもその講師にとって効果的だったその講師が見いだした方法論にすぎず、ろくに反復訓練もしないまま使うと、生兵法はケガの元になるのでお気をつけ下さい。

英文背景知識対策は、出て来るテーマをすべて網羅すること!

 次、英文背景知識対策についてですが、これは良く言われるように過去問をひたすら読むことが王道です。過去20年分ぐらいの過去問であれば、ネットオークションや予備校に行けば置いてあるはずなので、ぜひとも用意してみてください。

 ただ、漫然と読んで何も整理しないのであれば、それでは足りない。

 慶應SFCを受けるのであれば、できれば慶應SFCの英語課題文・京大経済の小論文課題文(英語)・リンガメタリカ・アカデミック・速読速聴あたりはざっと読んで、どういうテーマが出て来てるかぐらいはメモしてグルーピングしてみてください。

 私の分析では、2回以上出た事があるポビュラーテーマが15個、1回だけ出て来たテーマが70個ぐらいです。基本的に新規テーマの出題は環境情報の大問第二問以外ではないと見ていいと思います。毎年この70テーマについては教え子様に解説していますが、英語・小論文ともに環境情報以外では、かならず既出分野が出てきました。環境情報はやたら奇抜なテーマを出したがるところがありますが、それでも70個のテーマについてある程度習熟していれば、その応用で理解できることが多いです。

英文解釈対策は、基礎英文法の徹底から始まる!

 英文解釈についてですが、これはそもそも基礎英文法ができていることが前提です。仮定法や関係副詞以外はすべて中学校で習っているわけですし、これら二つの例外でさえも、良い指導者であれば中学英文法の延長線上で説明できるわけですから、まずは基礎の英文法を習熟することが大事です。

 五文型をしっかり習得した上で、修飾構造には、前から修飾するか、後ろから修飾するか、真ん中に挿入されてるか、並列されているかしかないという当たり前のことを再認識した上で読めば、読めない文章はありません。

英熟語三択の傾向分析

 英熟語三択に関してですが、これは苦手な方が多い。

 まず、そもそも英熟語って難しい訳です。英単語が二つか三つかあって、それぞれの英単語とぜんぜん違う意味になっている。でも読んでいる時は、少なくとも日本人は、もともとの英単語の意味にひっぱられたりして、よくわからないことになる。そういうこともあり英熟語は難しい訳です。

英熟語対策は、ネイティブの気持ちになって考えること!

 解決策としては、ネイティブの気持ちになって考える事です。

 どうして、put+up+withで●●という意味なのかを、それぞれの単語の日本語訳から考える。こういう作業を形態素分析というのですが、こういう姿勢が大切です。

 あと、慶應SFCに出てきそうな英熟語が一気に対策できるものとしては、英検1級・準1級の過去問があります。あと、体系的に学びたいのであれば、時間があればですが、ネイティブスピーカーの前置詞もおすすめです。

英単語対策は、形態素分析みたいにやろう!

 実は、慶應SFCの問題に出て来る英熟語にありがちなことですが、英検1級・準1級の過去問に出て来る英熟語より、やや単語レベルが難しい印象があります。

 こと、どうしても見た事がない、難しい単語にあたった時に、とくに辞書が使えないときの対策ですが、語源、つまり接頭辞と接尾辞と語幹からその単語の意味を推測することです。

 この感覚をつかむにはカタカナ語源屋というサイトがおすすめです。100のカタカナ語から、2000単語ぐらいをこのやり方で習得することができます。

小論文の傾向分析

 さて、いよいよ小論文についてですが、慶應SFCの小論文もなかなかに独特です。まず課題文がめちゃくちゃ多い。課題文だけで20ページぐらいあるときさえあります。まともに読んでいたら時間が間に合いません。

 あと、問題意識すら指定されていない事も多い。普通小論文の出題というのは、●●について●●という問題があるので、それについての課題文作者の意見をまとめ、解決する方法を書きなさい、みたいな出題が多いのですが、そういうものがいっさいない。●●について、なにが問題だと思いますか?その原因は何で、解決策はなんですか?というような出題が多い。

有名大学の小論文入試を20年分やってわかったこと!

 慶應SFCだけではなく、慶應の全学部の小論文も、京大の経済他文系学部の後期試験(今はなかった気がする……)の過去問も20年分ぐらい全部分析してみていました。

 出題方式は慶應SFCと違うことが多いのですが、やはり課題文は選び抜かれていることが多くて、数年前の慶應法学部の問題がそのままSFCで出て来たり、その年の文学部の問題がそのままSFCに出て来たり、慶大プレの問題がそのままということも過去にはあったので、とにかく模試はしっかりうけること、他の学部の問題にも目を通しておくことが大切です。

 その上で、やはり小論文についても英語と同じで、2回以上出て来る頻出テーマは15個ぐらい、1回出て来たテーマは70個ぐらいかなと思いました。

重要テーマ15対策は、リンガメタリカだけで十分!

 重要な15テーマに関しては、ほとんどリンガメタリカで網羅されています。

 なので、リンガメタリカの暗唱をするだけで、十分対応できるものです。だいたいSFCに合格する平均レベルの人はここまでの勉強しかしていないので安心してください。私はもっと勉強していましたが、SFCの合格平均点がだいたい6割ぐらいなのに、自分は8割後半ぐらいの点数を取れていたので、ああ無駄に勉強しすぎたなと思いましたし、大学に入ってからもディスカッションなどするとまわりがバカに思えて仕方がなかった。

 こういう状況は、大学に入ってからのことを考えるとあまりよくありません。勉強というのは、やはり周りがレベルが高く思えて、謙虚な姿勢を持って、そこから始めるのが基本だと思います。

小論文で点数を稼ぐなら、この10冊程度の読書は必要不可欠!

 そんなこともあり、ちょうどその時母親が乳がんになり、実家の状況も激変したことをきっかけに、私は塾経営を始めました。(今はそれは後輩にゆずって、IT系の会社をしています。)

 本当に成績がひどい生徒ばかりが来ました。それこそ10月からの入塾で、偏差値は40しかなく、早稲田の法学部に入った生徒、不登校・引きこもりの生徒がめちゃくちゃ多くて、普通に学校に通っている生徒より人数・合格率ともに高かったぐらいですし、そういう子たちは英語をがっちり対策しても、どうしても点数の伸びに限界がありました。

 そういうときに頼みになるのが小論文で、彼らにはきちんと対策してもらうために、リンガメタリカの他、アカデミック・速読速聴シリーズの10冊での対策もお願いしていました。

正しい小論文の書き方は、課題文を分析することでしか分からない!

 正しい小論文の書き方についてですが、これは課題文を分析し、どういう論理構造になっているかを習得した上で、それに合わせて書くしか方法はありません。

 私が、数多くの入試問題をやって来た上での結論をここに書きますが、かならず自分なりに分析してみた上で自分なりの小論文の型を手に入れてもらえればと思います。

 まず、慶應SFCについてですが、入試要項にもあるように、問題発見、問題解決のためのキャンパスですので、これは絶対必要です。ただ、受験生の答案を読んでいて、よく思うのは原因分析の部分が欠けているなという部分です。実はこの原因分析の部分が極めて大事なのですが、それをすっ飛ばして短兵急に問題解決まで行っている答案が非常に多い。その次に多いのは、問題発見ばかり書いてて、原因分析と解決策が全くない答案です。

 たとえば、韓国人を差別する人たちが増えてる問題について、ある生徒は、在日韓国人をばっさり韓国に送り返せばいいという答案を書きました。これを原因分析に欠けているし、解決策としても利害関係者の一部に多大な損害を与える形で解決を図っていますから重大な瑕疵があります。

 なのでまず、問題発見、原因分析、解決策をかならず書くということは、必要不可欠です。

 その上で大切なこととしては、

1.課題文から問題意識を汲み取るパート(最初の25%)
2.自分なりの問題意識をつくって原因を分析し、解決策を提案するパート(途中の50%)
3.解決策を世間一般の人に納得してもらうパート(最後の25%)

 の三つで小論文を書く事ではないかと思います。

 問題用紙を渡された時点で、まず回答欄を4分割し、この通りに書くのです。

 その上で、課題文から問題意識を汲み取るパートに必要なのは、課題文中、もしくは課題文同士の意見の共通点、意見の違い、主な争点、相手方に対するそれぞれの批判と再批判、数値データーの違いとその比較、難しい言葉の言い換えが必要です。ここで必要がない代表的なものとしては具体例があります。具体例を入れると要約がしにくくなるので、基本的に求められていない限りは具体例を入れる必要がありません。

 自分なりの問題意識をつくって原因を分析し、解決策を提案するパートでは、時系列になにが起きたのかを整理し、他国との比較もし、未来の予測をし、これから先どんな問題が起こるかを余地し、その原因を"深く!(何度も何度も!)"分析し、その根本的な原因を潰すような解決策を考える。これが大事な要素になります。

 ただ、ここまでだとまだ独りよがりな小論文しかできません。解決策を世間一般の人に納得してもらうパートがあって、はじめてその意見が世間一般で通用しうるものになります。利害関係者の一部に負担を強いる形になっていないかを注意し、他の解決策と比較しても妥当であるかどうかを検証してこそ、はじめて意味のある提起になります。

 以上が慶應SFCの対策です。90日足らず×20時間だとして、1800時間しかないわけですが、この1800時間で十分できる対策ではないかと思います。三ヶ月足らずで慶應に受かったら儲け物です。がんばりましょう。
 
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次「徳洲会はなんであんなにお金持ちなのか? 〜そしてなぜ、医師会に嫌われるのか?〜」これはバズってほしいなぁw 医療関係の話とか、受験生にもこれで興味を持っていただければ幸いw
返信 RT お気に入り NaotoHayahsi 2013-12-05 07:09:40

最近徳洲会が話題ですね。猪瀬知事に5000万円を貸したという話なんですが、そもそも徳洲会ってどうしてあんなにお金持ちなんでしょうか? どうして医師会と対立していて、どうして知事やら政治家にお金をばらまかなければならず、どうして病院経営で大成功したのでしょうか?
NaotoHayahsi 2013-12-05 07:14:11

面白かったのが、NHKのクローズアップ現代。徳洲会について取り上げたら、視聴率が15%を突破したそうです。ただ私も徳洲会病院で生まれて、知り合いもわりに居るのですが、どうも深堀が足りないので、自分でまとめてみました。http://t.co/g6Q08mGvxu
NaotoHayahsi 2013-12-05 07:16:57

まず、徳洲会がなぜこれほどの違法行為を繰り返していたかについて書くには、徳洲会を一代で築き上げた徳田虎雄氏の人生を追って行くのが一番分かりやすいと思ったので、そのあたりから書いて行きましょう。
NaotoHayahsi 2013-12-05 07:22:43

そもそも徳田虎雄氏が経営する徳洲会の徳洲というのは、氏の生まれ故郷である徳之島の別名です。徳之島というのはどういうところかというと、古くは琉球王国、その後薩摩藩、さらに日本政府、アメリカ政府に占領された経験がある、つまり長年支配されつづけた地域です。
NaotoHayahsi 2013-12-05 07:26:45

韓国なんかもそうなんですが、長年あっちゃこっちゃに支配させつづけた地域の人というのは、どうも血の気が荒くなる傾向にあります。こういう土地が名経営者を生み出すことはさほど珍しくありません。韓国系の名経営者が日本にも多いのはそのあたりも影響しています。
NaotoHayahsi 2013-12-05 07:27:38

この徳之島の住民もまた血の気が荒いことで有名で、ネット上では徳之島のガイドラインという文章さえあるほどです。あまりに面白かったので少し紹介します。
NaotoHayahsi 2013-12-05 07:28:19

戦闘民族「徳之島」のガイドライン
■江戸時代初期、日本最強の薩摩藩が島に侵略。奄美~沖縄の中で最後まで抵抗したのが徳之島。 
■鉄砲を備えた薩摩藩に刀鍬だけで最後までゲリラ戦。双方に千人規模の犠牲者を出し、あの薩摩藩がビビる。
NaotoHayahsi 2013-12-05 07:29:06

■その為、徳之島人の機嫌をとる為に薩摩藩が許したのが闘牛。 支配中も度々反乱し薩摩藩の譲歩を勝ち取る。 
■戦前から貧しさゆえに尼崎、神戸、大阪・東淀川区、川崎等に移住者が多い。
NaotoHayahsi 2013-12-05 07:29:18

■移住先のヤクザ(山口組、稲川会等)入る人間も多く「徳之島」(特に伊仙)と言ったらヒットマンの代名詞。
■山口組の有名な抗争、「山一戦争」「大阪戦争」で活躍したヒットマンの多くが徳之島人 。
NaotoHayahsi 2013-12-05 07:29:40

■反対に移住先の大阪府警、兵庫県警、神奈川県警にも島出身者、二世、三世が多い事で知られる。 
■戦後、沖縄と共にアメリカ統治下になったが、ハンスト、組織的な抵抗で大規模な反乱を数年間起こし続ける。
NaotoHayahsi 2013-12-05 07:30:02

■奄美復帰運動の指導者は徳之島出身。占領から8年でアメリカがビビって奄美群島だけ日本に返還。 
■戦前、戦後に沖縄に移住した徳之島(奄美大島人も含む)人は、奄美だけ日本に返還された後、沖縄で 全ての権利を奪われ差別された為(日本復帰まで続く)沖縄に対する思いは複雑。
NaotoHayahsi 2013-12-05 07:30:15

■沖縄ヤクザに徳之島人が多いのは↑の理由。 沖縄ヤクザの中心に徳之島人脈がおり、山口、稲川の徳之島人脈と交流がある。 
■選挙のたびに島が真っ二つになり内戦を行う土地。
NaotoHayahsi 2013-12-05 07:30:32

■選挙のたびに鹿児島県警から機動隊が派遣、数人~二桁単位で犠牲者。 
■島内の争いの時には刃物を使わないという暗黙の了解がある(島外が絡むと違う)
NaotoHayahsi 2013-12-05 07:30:45

■町長選挙で寝たきり老人のベッドを先頭に機動隊突破、ちなみに寝たきり老人も殺る気マンマン 
■衆院選挙(保徳戦争)で選挙管理委員会同志で殴り合い。
NaotoHayahsi 2013-12-05 07:30:56

■町長選挙で機動隊にハブ100匹ブチマケ機動隊突破 
■参院選挙で小学生10人先頭に機動隊突破、もちろん小学生も殺る気マンマン
NaotoHayahsi 2013-12-05 07:31:09

■町長自体が「俺たちは反権力で出来ている」 (ちなみに、保守系しかおらずお馴染みの左翼系組織は形だけいる) 
■闘牛賭博が盛ん。鹿児島、沖縄ヤクザのシノギになっている。
NaotoHayahsi 2013-12-05 07:31:26

■高校の校則に「闘牛所持禁止」(賭博)とある。 
■闘牛大会の時も数人~二桁単位で犠牲者がでる
NaotoHayahsi 2013-12-05 07:31:49

やたら選挙絡みが多いのはお察しですが、こういう土地で生まれたのが徳田虎雄氏です。父親は豚の密売などで逮捕歴もあり、この父親が言った言葉が「たとえ法律に違反していても、徳之島・ふるさとの役に立つためなら何をしてもいい!」
NaotoHayahsi 2013-12-05 07:34:38

この話は全国の徳洲会病院に置かれた「生命だけは平等だ」「明日はいい日だ」などの漫画にも堂々と書いてあります。なんていうかこの親にしてこの子ありというか、うーんなかなか強烈です。
NaotoHayahsi 2013-12-05 07:35:38

そんな虎雄氏ですが、父親が逮捕されているちょうどその時に、弟が突然の腹痛で白目を剥き始めます。ハブが歩いている夜道を医者を呼びに起こしにいくのですが、ああお前の父親は犯罪者のあいつかというような形であしらわれて医者に来てもらえなかったそうです。
NaotoHayahsi 2013-12-05 07:38:07

そこで、虎雄氏は思う訳です。犯罪者だろうが、父親はふるさとのために良い事をしているはずだ。"正しい事の為には法律違反だって許される!"それに犯罪者だろうがなんだろうが、命だけは平等なはずだ。"生命だけは平等だ!"
NaotoHayahsi 2013-12-05 07:39:48

つまり虎雄氏は、最初から二つの考え方を持っているわけです。一つは生命だけは平等だ! どんな人でも医療を受けられるようにすることが大切だという考え方。聖者としての虎雄氏です。もう一つは、正しいことのためなら法律違反だって許されるという虎雄氏です。これが矛盾無く同居しているわけです。
NaotoHayahsi 2013-12-05 07:40:54

弟をなくした悔しさがあり、そこで虎雄氏は医者になることを決心します。その後、中学校は英語が苦手だったようですが、音読教育でこれを乗り切り、一番の成績で卒業し、高校ではクラスで五番目の成績。高校生の時に大阪大学で蓄膿症のオペを受け、阪大医学部進学を決意します。
NaotoHayahsi 2013-12-05 07:42:36

ところが、大阪の高校に編入したところ、450人中161番の成績。3年に2人しか阪大医学部に入れない学校ですから、結構絶望的です。そこで二浪。最後の一年で、全国模試で800番を付け、見事に阪大医学部に合格します。
NaotoHayahsi 2013-12-05 07:45:13
Content from Twitter

その後、生命保険を担保に病院を多数建設。現在の徳洲会グループをつくるに至ったのです。しかし、この徳洲会グループ、進出先ではことごとく医師会と対立し、病院の許認可が下りない事態が続出しました。どうして医師会と対立したのか? そしてなぜ圧倒的に成功したのか。
NaotoHayahsi 2013-12-05 07:47:08

このあたりの話を、今日は紹介できればと考えています。
NaotoHayahsi 2013-12-05 07:47:26

まず、そもそも日本医師会とはどういう組織かについて軽く触れておきましょう。日本医師会というのはお医者さんがいっぱい集まっている圧力団体の一つです。医者にも二種類いて、勤務医と開業医がいるのですが、お金が有って暇なのが開業医で、お金がなくて忙しいのが勤務医と考えれば良いです。
NaotoHayahsi 2013-12-05 07:51:46

お金が有って暇だと人間政治活動をやり出すのが、古今東西からの習わしです。そもそも、お金が有って暇だとその地位を守るためにいろいろな規制を作ったり、がんばっている人の邪魔をしたくなるものだというのは公立学校の教員が集まっている日本教職員組合を見れば一目瞭然です。
NaotoHayahsi 2013-12-05 07:52:44

この日本医師会ですが、徳洲会病院の進出にはどこでも大反対というのが昔はよくある話でした。この理由はそのまま徳洲会病院がなぜ病院経営に成功したのかを示している話ですので、一つ一つ順を追って紹介していきましょう。
NaotoHayahsi 2013-12-05 07:54:40

まず、一番大きな理由としては、それぞれの徳洲会の病院は規模が大きい総合病院であるということです。おまけにこの規模が大きい総合病院をよりによって医師会会長が開業している小さな小さな個人病院のとなりにどかんとでかい奴を生命保険でお金を借りて来てつくったりするのが徳田虎雄氏です。
NaotoHayahsi 2013-12-05 07:55:54

相当気が狂っているというか頭が悪いというか、さすが喧嘩でよく知られている徳之島の出身だけあって常人には理解できないことを平気でするのがこの人の特徴です。とはいえ医師会の会長の病院の近くなんて、普通の医者は気を使って大病院立てませんから、そういう場所は儲かるわけです。
NaotoHayahsi 2013-12-05 07:57:09

徳洲会は最初からそうなのですが、とにかく病院がないところに病院をつくりまくる手法を取っていました。たとえ僻地であろうが離島であろうが、後で紹介するような工夫を使いながら、病院がなさそうなところにどんどん病院をつくる。
NaotoHayahsi 2013-12-05 07:58:03

そんなところに病院を作っても儲からないのでは? と思われがちですが、ところがどっこいこれが徳洲会の離島の病院はみんな黒字なのです。
NaotoHayahsi 2013-12-05 07:58:36

どうしてかというと、人口1万人の街で1個病院があるのと、人口10万人の街で10個病院があるのでは、利用者の数は変わらないからです。あと田舎は地域の結び付きが強いですから、一つ一つ家を回って医療相談に乗ったりイベントを開くことでお客さんをどんどんどんどん集めていきました。
NaotoHayahsi 2013-12-05 07:59:56

ここで役に立つのが今や徳洲会名物ともいえる選挙活動です。普通お医者さんなり看護婦さんは病院の営業活動になんかは無頓着ですし、できればそんなことはしたくないのですが、選挙ともあればそうも言っていられません。仕方ないので選挙活動をすることになります。
NaotoHayahsi 2013-12-05 08:03:29

これが病院の知名度を上げる訳です。毎日病院名を選挙カーで連呼して、チラシを配りまくり、演説会をしまくり、家に上がり込むわけですから当然です。これをまた全国規模でやるわけなんですから、徳洲会の知名度が上がらない訳が有りません。実は広告費を考えれば選挙費用は割がいい投資なのです。
NaotoHayahsi 2013-12-05 08:04:37

他にも徳洲会の商売の巧さは際立っています。たとえば、病院で悩みの種になっている人件費が徳洲会は極めて安い。どうしてか。
NaotoHayahsi 2013-12-05 08:05:40

まず、医師の給料だけでみると、都市部の病院と離島・僻地の病院では年収は全然違います。前者は一千万も出せば来てくれますが、後者は三千万出しても集まらない事が有る。ところが徳洲会は都会にも一杯病院を持っていますから、一千万で医者を集めて、離島僻地に飛ばすことができます。
NaotoHayahsi 2013-12-05 08:07:25

看護婦にかんしては、スケールメリットを活かした奨学金制度があります。これで安い値段で看護婦を縛り付けておくこともできます。あと、看護婦を養成する学校もあります。これも同じ仕組みで安い値段で看護婦をしばり付ける事が出来ます。
NaotoHayahsi 2013-12-05 08:08:08

ただ、もちろんそれだけではなく、徳洲会には、大きな理想があり、それを信じて仕事に邁進できるような、一種の宗教臭さがあるのも事実です。現に私も徳洲会病院を使った事、地元に居た時は何度か有りましたが、すさまじいまでの徳田虎雄個人崇拝をする病院でした。だから人件費が安い。
NaotoHayahsi 2013-12-05 08:09:19

それだけではありません。たとえば医療器具や薬も300あまりの施設で一括仕入れ。だからめちゃくちゃ安く仕入れられるのです。さらに本体がしっかりしているので、借り入れの金利も安く、条件も良い。これだけ条件が良いと儲からない訳はないのです。
NaotoHayahsi 2013-12-05 08:11:10

では、なぜ政治とつながらなければならなかったのでしょう? たしかに選挙活動が徳洲会にとって、コストが極めて安い、費用対効果が良い宣伝活動であり営業活動であることはよくわかりました。しかし、それにしても5000万をぽんと貸すようなことをしたのはなぜか。
NaotoHayahsi 2013-12-05 08:12:33

その原因は、やはりこうした効率がいい大病院の経営に反目しつづけた日本医師会との対立、彼らの政治力の強さに負けないぐらいの政治力が必要だったことにあります。ついでにいうと、徳洲会は赤十字、民医連(共産党系の病院グループ)と並ぶグループですが、この三者の共通点は政治力です。
NaotoHayahsi 2013-12-05 08:14:05

政治力があれば、助成金も受けやすく、病院の許可も取りやすい。また最近の徳洲会のメインになりつつあった、高齢者向けの施設の許可も取りやすいのです。そうした背景から徳洲会は政治力を持たざるを得なかった。また特定医療法人になれば税金が安いというのも魅力で、これも許認可には政治力が必要。
NaotoHayahsi 2013-12-05 08:15:26

そういう意味でいうと、やはり徳洲会が政治力を持たざるを得なかったのには合理的な理由があります。地域に根付いておらず、政治力もない病院。彼らに必要だったのは戸別訪問も含めた営業活動と、政治力の強化であることは言うまでもありません。徳洲会の政治活動は合理的選択だったのです。
NaotoHayahsi 2013-12-05 08:17:35

とはいえやはり、違法行為はよくありません。しっかり法律を遵守した上で、より効果的に政治と関わる手だてはないものか? 徳洲会は確かに地域医療には書かせない存在ですから、どうにかこの組織が生きながらえる事ができるように、私たちも主権者として模索しなければなりません。
NaotoHayahsi 2013-12-05 08:20:00

しかし、そもそも論として、どうして徳洲会は比較的すんなり政治力を持つ事ができ、あるいは選挙活動によって比較的すんなり病院の経営を改善していくことができたのでしょうか。これを解く鍵は、日本の人口動態と日本人の政治参加意識にあります。
NaotoHayahsi 2013-12-05 08:21:16

このグラフは、年齢階層別の投票率の推移です。見ていただくと分かるように60代の方の投票率が圧倒的に高いことが分かります。徳洲会病院の主なターゲット層もこの年代の方です。つまり、選挙活動は営業活動としても費用対効果が高いのです。 http://t.co/DHZqGJxMWq

NaotoHayahsi 2013-12-05 08:23:10

その結果として、徳洲会は強い政治力と資金力を持つことになりました。そんなふうに着眼点も素晴らしい徳田虎雄氏から学べる事はまだまだたくさんあるはずです。私たちも徳田虎雄氏に続くように、日本の医療や教育などまだまだ顧客満足度が不十分な分野で闘う必要があります。

今日のお題は「ブラック企業への就職おめでとう! 〜あるいは、ブラック企業への就職が成功への近道である理由〜」ということで。なぜブラック企業が生まれるのか? ブラック企業がなぜ成功への近道なのか? 労働組合・労働基準法とは何か? ホワイト企業のブラックな側面についても紹介します。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:18:50

まず、ブラック企業ってそもそもなんなのかという話について。ブラック企業というのは、やたら労働者を長く働かせて、彼らが得た利益を、不当に経営者が分捕り、極めて安い給料で長時間労働させる理不尽な職場のことを言うそうです。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:21:05

まぁ、本当に価値ある人材ならそんな職場さっさと辞めて転職すればいいのにとか、いろいろ思うところがないでもありませんが、そもそもどうしてブラック企業が生まれるのでしょう。創業間もない企業ならまだしも、どうして名のある大企業でもブラック企業になるのか。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:22:18

そもそも、大企業が中小零細企業よりも遥かに仕事を進めやすい理由なかなり大きな部分としてブランドイメージがあります。仕事というのは、1+1が2になるのであれば組織を作る必要なんてないわけです。1+1が3にも4にもなるから組織を作り仕事をする必然性が生まれる。大企業はその最たる例。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:23:39

たとえば、はやしの居酒屋ではちょっと怖くて入りにくい。何出されるのかもわかったもんじゃない。それがワタミだったら安心。きっとおいしいだろうなと入れる。はやしのフリースではすぐに壊れそうで買いたくない。それがユニクロのフリースだったら安心。それがブランドの価値です。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:24:35

しかし、もし仮に(仮にですよ!)ワタミやユニクロがひどい条件で労働者を働かせたら、ワタミなんて店員(特に店長)いつも死にそうな顔してるし行きたくないなというふうになりかねませんし、ユニクロも遠からずそうなります。そもそもそんなところで働きたくないですからバイトも集まらなくなる。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:26:05

労働者をひどい条件で働かせてブラック企業だと言われる事は、大企業の経営者にとってはなるべく避けたいわけです。業績がちょっとでも下がるとすぐクビになるサラリーマン社長・雇われ社長にとっては絶対に避けたい。彼らは利益が上がっても、自分の給料はさほど上がらないので大過なく過ごしたい。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:27:22

ところが、利益が上がるならブラック企業といわれてでも、とにかく給料は切り詰めたいという人たちが居ます。それがオーナー経営者です。自分で株の大半を持っていれば、利益が上がれば、その利益のかなりの部分が自分のものになります。だから多少リスクがあってもブラック道へと突き進むのです。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:28:24

実際、ブラック企業だと名指しされている会社のほとんどは大企業であれ中小企業であれオーナー企業です。誰かまだ生きている人が一代で築き上げた企業です。こういう会社の一例として、ワタミを見てみましょう。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:29:49

このグラフは、ワタミの対前年比の業績推移です。見事に創業者の渡邉美樹氏の名前が入っている業態だけが前年比割れしています。ことほどさようにオーナー企業におけるオーナーの存在は大きい。そしてオーナーの評判がそのまま業績にも現れる一例です。 http://t.co/O0qaB5EEJ8

NaotoHayahsi 2013-12-05 04:31:03

さらに月別業績推移を見て行くと、7月からの業績の落ち込みが急激です。実は私もこの時期から友達と飯を喰うにしてもワタミにだけは行かなくなりました。理由は単純に仕事で失敗してお金が無くなったというのもありますが、先輩のおごりでも行かない。 http://t.co/1mB7JQ8G12

NaotoHayahsi 2013-12-05 04:32:41

理由は簡単で、7月からのワタミでは、やたらめったら創業者の渡邉美樹氏の自民党のポスターがぺたぺた貼られるようになったからです。私はカレー味のうんこかうんこ味のカレーぐらいかの感覚で他の政党よりは自民党がマシなので自民党支持ですが、友達の中にはそうでない子もいます。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:33:51

そうすると気まずいのです。飯を食う場所なのに気まずい。非常に気まずい。まして酒が入るわけですから余計に気まずい。友達と喰っているのに気まずい。そういう理由でワタミには一切行かなくなりました。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:35:03

食事の場で政治・宗教・野球・職業・年齢の話をするのは私のような接客業出身の人間からすると御法度だからです。少なくとも私は絶対にしません。それなりに自分なりの政治的な考え方もありますが、それを押し付けたり、ましてそれに言及することは絶対にしません。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:35:41

こんなこと、世知に長けたワタミの人たちなら分かっていたはずです。飯を喰ってまして酒を飲む場で政治の話は禁句です。にもかかわらず創業者が選挙に出るとなると、お客さんが居る場所にポスターを貼り始めた。こういうことが起きるのは、オーナー企業が創業者の利益を極大化するためにあるからです。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:36:53

しかし、ブラック企業といわれるオーナー企業の労働条件が悪いのは、オーナーの利益を極大化しているからだけではありません。そもそも問題として、一代で大企業に出来るような業種というのは、労働条件が悪くなりがちなのです。どういうことか詳しく説明していきましょう。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:38:29

たとえば、儲かりそうな仕事といわれて、みなさんはどういう仕事を想像しますか? 競争相手が少なくて、人々に絶対必要とされていて、そんでもって将来の競合や消費者のニーズの移り変わりに左右されなさそうな商売です。たとえば石油コンビナートなんかがそれです。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:39:32

しかし、いまからはやしが石油コンビナートを作ろうと思っても、それは実現できるでしょうか。おそらく不可能です。仮に「はやしコンビナート」が出来たとしても、出資者は別にいるはずですから、自分のオーナー企業にはなりません。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:40:22

つまりブラック企業といわれるオーナー企業は、石油コンビナートのようなおいしいビジネスではなくて、競争相手がやたら多くて、消費者のニーズがやたら変わって、将来もいっぱい競合が出てきそうな商売からしか生まれないのです。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:41:25

たとえば、私はもともと学習塾をしていて、いまはシステム開発の会社をしていますが、この二業種なんかは典型的です。誰でも働けるし、誰でも起業できますが、三年持つ人は労働者側でも半分居ません。経営側だともっと少ないでしょう。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:42:26

あと、私は会社失敗したら責任とって水商売でもなんでもやると決心していますが、水商売全般もまたそういう分野です。誰でも働けますし、誰でも起業できますが、三年持つ人は半分居ません。一割もいないと思います。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:43:33

どうしてこういうことになるのか。学習塾もシステム開発も水商売も構造は一緒なんですが、たとえばスター選手が居て、その人が独立する。そのうち一人では回しきれなくなってたくさんスタッフを雇う。ところがスタッフがスター選手であるオーナーほどには仕事ができない。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:44:23

結果仕事の質が下がる。お客さんがこなくなる。倒産。これがだいたい学習塾でもシステム開発でも水商売でも失敗する事例の典型例です。ですから、ワタミがあそこまで大きくなったのはひとえにオーナーである渡邉氏の教育手法がずば抜けて効果的だったことによります。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:45:27

こういう多数乱戦業界の特徴は他にもあります。マイケル・ポーターという経営学者がその条件をまとめているので、少し長くなりますが紹介します。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:46:21

まずは、参入障壁の低さです。飲食店は誰でも開業できます。3万円ぐらいで廃車のトラックを譲り受けて、家で料理を作って、ランチ営業をしているワタミの隣で弁当でも販売すれば、明日からでもワタミのランチ営業の売り上げを激減させることができるでしょう。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:48:06
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つまり参入障壁が低いということは、同業者との闘いだけではなく、代替品・新規参入の脅威に常におびえ続けなければならないということです。これほど恐ろしい事はそうそうありません。しかし、こういう業界だからこそ個人でも独立できるし一代でオーナー企業を大企業にできるのです。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:49:33

二つ目は、規模の経済、経験曲線がきかないということです。たとえば工業製品を作るなら大量生産すればコストは安くなります。部品一つあたりの金型代や工業機械のコストが劇的に下がるからです。しかし、ワタミは違います。多少食料の仕入れ値は下がりますが、人件費は店を増やしても変わりません。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:51:12

あと、経験が蓄積されるというわけでもない。基本的にバイト労働者を中心とした陣容ですから、日々教育しつづけないと店の接客レベルはあっという間に下がってしまう訳です。こんなに恐ろしいことはないと思います。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:51:55

高い輸送コストもあります。食材のようなかさばるものをあっちゃこっちゃに輸送するわけですから、めちゃくちゃ手間が掛かります。顧客が居る場所に店舗を借りないといけないわけですから、そのコストも掛かります。これらのコストも別に店が1店舗でも1000店舗でも変わりません。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:53:32

在庫コストが高いのもきついなーと思います。居酒屋のような業態というのは、いろんなメニューを出すために、めちゃくちゃいろいろな材料を仕入れているわけです。私だったらこういう商売は絶対しません。毎日一品しか絶対出さない。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:56:10

あと、売上の変動が大きいのもきつそうです。忘年会・新年会あたりでかなり売り上げても、暇な時は暇そうです。ワタミがどうして仕事きつそうなのに、辞めないで残っている人がいるのかという話をすると、実は働いた事がある人に聞くとこれが大きいらしいです。暇なときはかなり暇らしいです。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:57:04

買い手や供給業者が強すぎて大手でも取引が有利にならない。これも居酒屋にはかなり当てはまると思います。飲んだくれ(orその直前)のビジネスマンというのは非常にたちが悪い。私も先輩のお供で何件かご一緒させていただいた事があるんですが、すごい値引きをさせるわけです。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:58:02

どうも買い手が強くて、お客様にへこへこしないといけなくて、きつい商売だなと思ったのを覚えています。ついでに私はワタミの渡邉氏の著書は大好きで、よくスタッフにもプレゼントしているぐらいですが、利益が低くお客様にへこへこしないといけないので人間性が高まると思って居酒屋を始めたそう。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:59:12

私のように人間性を高めることにはあまり関心のない人間にとっては、なんか凄すぎてコメントしようがありません。次行きましょう。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:59:46

規模の不経済性が致命的。これは一番最初に紹介しましたが、多分すごく大きい要素です。多くの場合、商売では大きいことは良い事です。会社が大きければ大きいほど取引は有利になるし、スタッフも良い人が入ってくると信じられています。しかし本当にそうでしょうか?
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:00:36

たとえば、学習塾だと規模が大きくなることは倒産要因の最も大きな一つです。先生が増えると、玉石混淆になり、質の悪い先生が増えて、評判が悪くなり、大手の予備校がある日突然潰れるというのはよく見る光景です。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:01:21

居酒屋でもそうでしょう。たとえば塚田農場というやたらサービスのいい居酒屋があり、最近先輩に連れて行ってもらいましたが、すごい居酒屋だと思う反面、いつまでこんなにいいスタッフさんを確保しつづけ、教育しつづけられるんだろうという思いにもとらわれました。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:02:03

ディズニーランドもそうで、いかに素晴らしい接客をしているかを働いている友達づてに聞いた後に、友達と遊びに行ったら、期待はずれの接客を受けて、かなり不機嫌になって帰った事がありました。こういうふうに大規模化すると、?と思うような接客を受ける事はよくあるのです。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:03:11

つまり、大規模化しすぎるとそれだけサービスの質が下がる。これは避けられないことなわけです。人間がやっている訳ですから、どんなに教育しても組織が階層化し、細かいところまで目が届かなくなると、それだけサービスは下がります。そしてそれが致命的になるのが接客業です。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:04:34

どんな社長だって自分の会社を潰したいバカはいません。どんな社長だって自分の会社が100年続く会社でありますようにと心から祈っています。しかし、実際には接客業では日々新しいヒーローが生まれ、かつての大手は倒産企業になります。それは接客業にとって大規模化は倒産への道だからです。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:05:35

どんな品種もつくれる製造設備で個々のユーザーに合わせて注文生産しているというのも、接客業にはありがちな問題です。とかく、お客様は神様です、お店はお客様のためだけにあるという考え方で店を運営しているとメニューが増えすぎる。結果コストもかさむし、利益は低くなるのです。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:06:24

学習塾でも大規模化するとこういう事があります。私はAO入試を専門にしている塾をしている友達に一般入試もしようかといわれたときに反対したことを昨日のことのように覚えています。お客さんがなんと言おうと、専門特化したほうが倒産の危険性は減ります。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:07:18

ワタミにしたところで、お客さんがいろんなメニューがほしいというから、いろいろメニューを用意したのに、ふたを開けてみるとそいつが地鶏一本の塚田農場に通い始めたりしているわけです。そういうこともあり、最近では専門特化に舵を切り始めました。あの桑原社長は相当な切れ者です。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:08:17

あと、あふれんばかりの創造性が売りものという業界も考えものです。個人の才能に大きく依存するからです。これは食い物屋であるワタミも、服のユニクロもそうです。こういう分野というのは、商品の善し悪しがかなり個人の創造性に依存するのです。だからよくない。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:09:18

作業現場に密着して管理監督しなければならないというのも、他人任せの経営が普通はできないので拡大が困難な業種の一例です。飲食業界やアパレルではとりあえず店長を粗製濫造して対応するのですが、やはり限界があります。実はワタミやユニクロのような会社の肝は社員教育にあります。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:11:15

人手によるサービスが事業の決め手というのも競争がきつくなる要因です。どんなにがんばっても、細かい行き届いたサービスができるのはやはり小規模なほうに分があります。どれだけサービスするか、どういうメリハリでやるかはマニュアルでは網羅しにくいからです。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:12:07

そもそもやはり利益が全部帰って来るオーナーと、給料をもらう(それもさして高い給料ではない)スタッフではモチベーションが違います。これがサービスの差になります。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:12:50

地元というイメージや地元との結び付きで事業が成立する場合も厳しい。これも飲食業だとよくありがちです。たとえば私は仙台出身ですが、うまい牛タンや刺身がない店にわざわざ足を運ぶ気にはなれません。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:13:45

特に仙台に居るときはそうです。ワタミがどんなに素晴らしい流通か分からないけれど、日本で一番おいしいカキは、石巻からもってきた採れたてのそれだと信じている宮城県人です。やっぱりそういうのが求められがちな業界では大規模化は難しい。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:14:35

受験産業もその一つです。なんで各県によって強い塾がぜんぜん違うのかというと、その地域を代表する進学校の試験に合わせた対策をできる塾がそれぞれ違うからです。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:16:10

多様な市場ニーズというのも頭がいたい問題です。お客さんの好みがてんでばらばらなわけですから大きなシェアは取りにくいわけです。これは自動車なんかとは違うわけですね。自動車なんてどんな高級車だってベンツに似たり寄ったりですから。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:17:23

いちじるしい製品差別化がある業界もそうかもしれません。これは飲食にはどれだけ当てはまるかはむずかしいですが、創作料理なんかはその時々の流行はありますが、相当に独特だよなとは思います。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:18:14

撤退障壁がある業界も難しいようです。たとえば、学習塾だと一年契約(場合に寄っては暗黙の多数年契約)でお金をもらっているので途中で辞めたくても辞められません。飲食業でも弁当の契約を企業向けにたくさん持っていたりすると、辞めるに辞められないでしょう。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:19:19

各地域の条令で小さな店が保護されている場合もそうです。床屋さんなんかはそうですね。こういう業界で多店舗展開をするのはすごいキツいことが多いです。ついでにいうと、学校とか病院もこれにあたります。ただ逆にこういう業界は政治家と癒着しているとすごい儲かる業界でもあります。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:20:26

政府による企業集中の禁止も似たようなものでしょう。あと、新規業界もそうです。これは私がいるインターネット家庭教師の市場なんかもそうですが、とにかく多数乱戦です。こういう業界で勝つ秘訣はまた別にあるのですが、それはまた今度の話としましょう。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:21:26

こういう多数乱戦業界でしか一個人は独立できないことが多いのです。そして、こういう多数乱戦を引き起こす要因によって、利益率はかなり低い事が多い。というか、労働基準法をまともに守っていたら利益が出ないような業界であることが多い。しかし、こういう業界にもいい点が一つだけあるのです。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:24:28

それは起業しやすいことです。そもそも小企業が有利な業態なわけですから、ブラック企業といわれる会社のオーナーというのは従業員を独立させることにはかなり積極的です。そういう制度を設けている会社もあります。(ワタミやエルグラントなど)
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:25:35

こういう多数乱戦業界で勝って来た会社というのは、相当なノウハウの塊みたいな会社ですから、いわれた通りのことを、給料で働くスタッフの数倍の熱意でやっていれば、あとは多少の初期投資とリスクの覚悟さえすれば、経済的にも報われる・成長できる可能性はかなり高い。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:26:47

「実務経験5年以上、店長又は調理長経験3年以上などの条件を満たす社員は 5,000万円上限の無担保融資を受け、フランチャイズ店として独立できる制度があります。 28歳で独立した先輩や、すでに70店舗を経営し、株式を店頭公開した先輩もいます。」
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:28:44

http://t.co/1LAXDEWw91
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:29:27

「1年間「DFC研修」を受け、審査を受けて合格することで、独立できる制度です。店長を経験し、研修をクリアした社員は、この制度を利用し一国一城の主、つまり社長として店舗経営をスタートさせることができます。」http://t.co/jb2qNAUVGE
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:30:19

「たった一度きりの人生、思い切り挑戦し、夢を掴め!」http://t.co/KDHkzirMXC
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:31:35

「アイ・イーグループが提案する独立・起業のためのプロジェクトの審査に合格した社員に対して、 勤続中の会社への貢献度に応じて、独立時に優遇支援をする制度です。 」http://t.co/Hocbg4ETQq
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:33:30

こんな感じで、多数乱戦業界で覇者となって企業は、多くの場合従業員向けの独立支援プランを持っています。そのため、ブラック企業といわれる大企業で一生懸命働けば、心持ち次第ではかなりの確率で経済的にも報われ、仮に報われなかったにしても仕事での経験が次の職場で役立つはずです。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:35:44

とはいえ、誰もが億万長者を目指している訳ではないし、できるだけゆっくりのんびり過ごしたいという人がいることも確かです。皆が休む間もなく働いていたら消費する人がいなくなり、それはそれで商売人にとっては困ります。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:36:41

なので、ここからはちょっと趣向を変えて、そもそも労働組合ってどうしてできたのか、そしていま話題になっているブラック企業が破っている労働基準法ってそもそもどういう法律なのかというところについて説明していきましょう。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:37:27

労働組合は日本でも戦前からあったのですが、戦後とくにその力が強くなったのは占領軍の考え方があります。つまり、労働者への分配を増やし、それなりに豊かな人たちの層を厚くすることで、日本人にもいろいろな商品を売れるようにすれば、日本の会社は儲かるのではという考えがあったのです。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:38:56

焼け野原で、ただひたすら成長するしかない時代ですから、経営者の中でもこういう考え方を支持する人は多かった。たとえば松下幸之助氏は労働組合の結成式に進んで出席したことで有名です。ちょっと長くなりますが引用しましょう。http://t.co/zhhNEHsVhO
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:40:59

昭和20年8月末、マッカーサー元帥が指揮する占領軍は、日本進駐に当たり、GHQ(連合国総司令部)を設置、日本をその完全な統治下におき、次々と非軍事化と民主化政策を打ち出した。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:42:17

10月には、成立早々の幣原内閣に労働組合結成奨励を含む民主化5大改革を指令した。12月には、労働組合法も公布されて、戦時中抑圧されていた労働運動に火がつき、組織化が進んだ。しかし社長追放など過激な運動を起こす組合も多く、憂慮された。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:42:30

松下電器でも、伝統ある歩一会に代わって、15,000人、42支部からなる松下産業労働組合(昭和22年に松下電器産業労働組合となる)が結成されることになり、昭和21年1月30日、大阪の中之島中央公会堂で、結成大会が開催された。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:42:39

社主は、招かれないまま、進んでこの大会に出席し、祝辞を述べた。 「この組合の結成により、わが社の民主経営に拍車がかけられると思う。これを期して、全員一致して、真理に立脚した経営を行っていきたい。正しい経営と正しい組合は必ず一致すると信じる」
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:42:47

短いながらも、従業員に全幅の信頼を置いたこの訴えに、大きな拍手が起こった。この成り行きは、来賓の、労働運動の闘士たちにも予想外のことであった。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:42:55

こういう松下氏の行動は後に語り継がれる経営の神様の伝説の一つになったわけですが、そもそもある程度の収入がないと買えない電化製品を作る会社にとって、そこそこお金を持っているサラリーマンの存在は必要不可欠だったという側面もあります。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:43:42

当時の日本製品はアメリカなどではまだ粗悪品の代名詞でなかなか売れない。そういうなかで国産品を買うのは日本人しかおらず、その日本人がある程度お金を持っていないことにはどうしようもなかったというどうしようもない理由で松下氏が労働組合の結成を歓迎したという側面も。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:44:46

そのあたりの話は、プロジェクトX 挑戦者たち ~トランジスタラジオ 営業マンたちhttp://t.co/qZaPbz4QRoに詳しいです。もしよかったら見てみて下さい。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:45:46

ところが今は、ある程度グローバル化が進展して、売るのは別にもっと購買意欲がある発展途上国の人でも良くなった。作るのももっと労働力として安い発展途上国の人でも良くなった。もっと安い生産拠点と、もっと豊かな市場をもとめて、資本主義の妖怪は彷徨い歩くわけです。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:47:06

そこに先進国の悲しさ、資本主義の悲しさがあります。私は自由で機会に溢れているこの世界が好きですが、一方でマルクスが資本論で予言したような世界、独占資本が生まれ、限りなく高い値段で商品を売り、限りなく安い値段で労働者を買いたたくような社会というものの予感を感じないでもない。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:48:42

ただ、一方でそういう独占資本が生まれて、競争もなく、限りなく高い値段で商品が売られ、限りなく安い値段で労働者が買いたたかれるような社会ではなくするためにも、起業が盛んであることは必須だと考えています。世界に人の心を魅了するような創造性なり芸術性があれば独占資本は生まれません。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:49:58

さて、パナソニックを創業した松下氏がやむにやまれぬ理由もあり賛同した労働組合の運動、そしてそれを理論的に支えている労働三法の中でも、特に大事な労働基準法とはどういう法律なのでしょうか?
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:50:54

結構多くの人がワタミなどでやっている独立制度やそれによってお金持ちになった人の存在、あるいは労働基準法で定められているルールそのものを知らずに、イメージだけでブラック企業ブラック企業と叩いているところがあるので、今回は労働基準法についても、条文一つ一つ取り上げて行きます。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:51:59

たとえば、第九条の労働者の定義のところなんかは議論があります。店長は会社側の人間だから労働者でないからいくらでも働かせてもOKという議論がありますが、実態としての雇用契約(民法623条)という考え方からすると違うのではないかという議論もあります。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:57:12

労働者というのは、使用者の指揮命令を受けて労働力を提供し、その労働の対価として賃金を支払われる者という考え方が一般的です。なので指揮命令の代表的なものとされるシフト組で強制力が働いているとか、出来高ではなく時間高で給料が払われる場合は労働者と見ていいでしょう。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:58:08

あと、13条のこの法律で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする。という規則も大事です。各職場で就労規約があるはずですが、この法律が上位概念としてあるので、この法律にひっかかるものは違法という考え方もできます。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:59:21

そういう意味でいうと、ホストクラブ始めとする水商売というのは結構めちゃくちゃです。遅刻したら罰金があるという意味ではシフト組の命令指揮系統があるし、しかし扱いは個人事業主です。このあたりの判例ってどうなってるんでしょうか? あるいはやっぱし別の法律というか何かがあるのでしょうか?
NaotoHayahsi 2013-12-05 06:00:54

実はいま水商売の話を書いてみましたが、これは別に思いつきではなくて、法律ってそもそもどうして守られるのか?という根本的な部分での話です。法律をなぜ守らなければならないのか? いろいろ理由はありますが、大きな要因の一つとして罰則があるからです。
NaotoHayahsi 2013-12-05 06:01:47

この労働基準法にも罰則はあるわけですが、しかし罰されたという話を身近でもあまり聞いた事がない。一方で、水商売の場合はなにかトラブルが起きたらそういう人が出て来てそういうことになるわけですから、これはやはり水商売の世界の中でのルールは守ろうという流れになる。
NaotoHayahsi 2013-12-05 06:03:11

つまり法律を守らせる上では、罰則があるかどうか、あとはしっかりその罰則が適用されているかどうか、無罪放免・黙認になっていないか、労働基準監督局が仕事してるかというのが極めて大切だということが、これらの例からよくわかります。労働法を考える上で、こういう視点は必要不可欠です。
NaotoHayahsi 2013-12-05 06:04:18

あと、前借金相殺の禁止とか、強制貯金の禁止とかも明記されています。あと入試に出てくるのは、40時間を超える労働の禁止とか、週1日は休みが必要とか、このあたりでしょうか。ただし三六協定で例外が認められることもあります。http://t.co/3l7cRMcJRg
NaotoHayahsi 2013-12-05 06:07:52

たとえば、ワタミの場合だと問題になったのは、この三六協定を結ぶときに、ちゃんと労働者代表と契約したりしなかったとか、そういう手続き上の問題があります。ついでにいうと、三六協定を結ぶと実質的には労働時間の上限がなかったりするので、これはザル法とも言われています。
NaotoHayahsi 2013-12-05 06:09:40

ですから、実際仮に労働基準法を全部守ったとしても、相当ブラックな職場というのはたしかに出来るものなのです。だからといって、法律違反を野放しにしてはいけないのですが、やれ法律だなんだとうるさいことを言うよりは、30代で余裕と言えるように20代のうちは仕事しかしないのも一つです。
NaotoHayahsi 2013-12-05 06:12:43

あと、労働時間が1日8時間、週休2日、給料は良い。こういう職場をホワイト企業というそうですが、こういう職場が良い職場なのかどうかと聞かれると果たして疑問です。
NaotoHayahsi 2013-12-05 06:13:42

いくつか理由はありますが、まず一つには、この職場がなくなって、35歳過ぎだと、転職のアテがないからです。生活保護なんて窓口で阻止されるかもしれませんから、そうすると最後は野たれ死ぬしかありません。
NaotoHayahsi 2013-12-05 06:14:27

そうならないためにも、ある程度ハードな職場で、うまい飯作るとか、エンジニアリングの技術を磨くとか、ぼこぼこ難関大学に教え子様を合格させるとかして、喰って行くには困らない技術を身につけることはやはり大事なことではないかと私個人は考えています。
NaotoHayahsi 2013-12-05 06:15:16

あと、仕事が苦痛で休日が楽しみというような考え方から、労働組合活動をしたり、あるいは労働法にうるさかったりする人をたくさん見てきましたが、私はそういう考え方もどうかと思います。仕事はたしかにつらくて苦しいものですが、それが楽しいと思えたら人生は楽しくなるはずです。
NaotoHayahsi 2013-12-05 06:16:15

ただ、私個人としては、ブラック企業を生み出しやすい多数乱戦業界というのは、やはり継続的に商売を続けて行く上でも大変キツい(例えばワタミは売り上げ目標90%達成なら赤字転落するような商売です)ので、多数乱戦になりにくい位置を見つけて、そこで商売をしたいなぁとは思っています。
NaotoHayahsi 2013-12-05 06:18:07

つまり、参入障壁が高く、規模の経済が働き、輸送コストが掛からず、在庫がなく、売り上げが安定していて、買い手の立場が弱く、規模の不経済性がなく、単一商材で、創造性に依存せず、管理監督が楽で、人手によるサービスではなく、全国・全世界規模で、ニーズが一緒で、政府に保護されている。
NaotoHayahsi 2013-12-05 06:25:25

リチャード・ブランソンや孫正義というような代表的な起業家も、20代のうちはぐちゃくぢゃな業界で闘ったものの、いまでは政府の保護が強い業界で闘っているのを見ると、結局のところ行き着くところはやはりここだなと思わざるを得ない。
NaotoHayahsi 2013-12-05 06:26:27

たとえば、先生がいない学校なんかが作れればいいなと思っている。全部パソコンで進捗管理をする教材・仕組みを作った上で、着実に生徒の成績を伸ばす。各都道府県・各国に一つずつ学校を作る。
NaotoHayahsi 2013-12-05 06:28:22

許認可事業だから参入障壁が高いし、生徒が増えれば増えるほどフィードバックが増え開発予算も増えて規模の経済が働き、全寮制にすれば輸送コストは掛からず、在庫はなく、売り上げは安定していて、買い手からは先生先生といわれて立場が強く、規模が増えても不経済性はなく、単一商材。
NaotoHayahsi 2013-12-05 06:29:36

創造性にもさほど依存しないだろうし、まじめに勉強する生徒なら管理監督は楽だし、病院なんかと違って人手が介在しなくても学力は伸ばす事ができるし、TOFELあたりを軸にすれば全国・全世界規模でカリキュラム統一はできるし、ニーズは一緒だし、政府に保護されている。
NaotoHayahsi 2013-12-05 06:30:35

こういう商売をすれば、たしかに労働基準法全部守りながらでも、商売を回して行けると思う。ただ、参入するには最低でも5億〜10億の初期投下資本が必要だろう。場合によってはもっとかかるかもしれない。20代のうちはそれを稼ぐために、多数乱戦業界でがんばるしかないだろう。
NaotoHayahsi 2013-12-05 06:33:05

ただ、そうはいいながらも、やはり多数乱戦業界というのは楽しい。訳の分からない敵が出てくる事も多いし、すぐ起業できるから何度でもやり直せるし、競争が激しくお客様も厳しい分やりがいがある。
NaotoHayahsi 2013-12-05 06:34:15

そもそも、ブラックじゃない職場というのは、ウソが多い職場でもある。ワタミにいけばおいしいし、ユニクロは着心地がいいが、公立学校の教員は授業が下手で生徒への思いやりがなく、にもかかわらず大量の血税が注ぎ込まれている。働く人にとってホワイトな職場は消費者にとってはブラックなのだ。
NaotoHayahsi 2013-12-05 06:35:21

また、楽な職場というのは、転職できなくなる職場でもあるから、結果として労働者にとっても激ブラックになりかねない。公立学校の教員で塾の講師や塾の経営者になって通用する人はほとんどいないはずだ。
NaotoHayahsi 2013-12-05 06:36:05

そういう意味でいったら、ブラック企業への就職というのは、潰しが効く人間への第一歩、成功への近道だと思う。何人かの友達からブラック企業にしか受からず悲しいと言われたが、私はブラック企業への就職おめでとう!と言いたい。