- 今日一発目は、「なぜ国語の授業は、絶対につまらないのか?」です。絶対に、というのは言い過ぎかもしれないけれども、自分がいままで人生の中で、国語の授業を受けていて、雑談以外で、教科内容で、役に立ったなとか面白かったなと思った事が一度もない。それがどうしてなのかということを書きます。CheNaoto 2013-08-25 13:55:31自分で塾をやりはじめてから、国語や小論文の授業を受け持つ事もあったのですが、気をつけていたのは課題文の解説をしないということです。課題文の解説をしない国語や小論文というのは、相当変に思われるかもしれませんが、そんなことはありません。むしろ課題文解説が国語をつまらなくするのです。CheNaoto 2013-08-25 13:57:36国語の授業というのは、大体こんな感じで進みます。まず、先生が課題文の解説を一通りします。教え子様はそれを聞いているだけ、ただそれを聞いているだけです。こんな授業の何が楽しいのでしょう? そもそも、先生がどうしてそういう解釈をしたのかさえ教え子様には分かりません。CheNaoto 2013-08-25 14:01:07たまらず教え子様を質問するわけです。「先生はどうやって、この文章からそういう解釈をひねり出したんですか?」と、すると先生は言います。「私には現代文のセンスがあったから。本も一杯読んでいたし。」と。CheNaoto 2013-08-25 14:02:07しかし、これは先生がどうしてそういう解釈ができたかさえ分からないからそういう言い訳をしているだけです。その証拠に、教科書ガイドの解題をそのまま授業に流用している先生がいかに多い事か。CheNaoto 2013-08-25 14:06:02文章解釈の理由なんて答えられる訳がないでしょう。だって教科書ガイドの解題をそのまま流用しているだけですから。教え子様というのは賢くて、意外とそういう部分をしっかり見抜いているものなのです。しかし、見抜いていてもどうにもならない。塾に通える子ならまだ良いですが、そうでないと悲惨。CheNaoto 2013-08-25 14:07:43何が悲惨って、私も経験したことがありますが、テストが悲惨です。現代文の授業では、テストで答案を作るのに役立ちそうなことなんて何一つ教えてくれないわけです。にも関わらず、ちゃんとテストでは○×がつけられて、こういう答え方ではダメですとか、いろいろと赤が入れられる。あり得ない。CheNaoto 2013-08-25 14:09:48だって、テストの前にあった授業では、なにもテストではこういうふうに書きましょうとか、課題文はこういうふうに読みましょうとかそういう指示はないわけです。なのに、テストが返される段になっていきなりそういう風に言われる。CheNaoto 2013-08-25 14:10:51点数が良かった子は、○○くんは現代文のセンスがあるからね、といわれる。何の事はなぃ、学習塾で定期テストの傾向と対策をしてきただけです。それだけのことであるにも関わらず、テストが出来る子はほめられて、テストが出来ない子は永遠にのけ者にされる。これはおかしいとずっと思ってきました。CheNaoto 2013-08-25 14:11:56あと、もう一方で学習塾に通っていなかった私は、近くの学習塾がどういう国語の試験対策をしているかが気になりました。高校受験が近づいてきて、学習塾に通い始めて、どんな試験対策をしているかがおぼろげながらも分かってきました。それは出そうな問題と想定される答えを暗記するものです。CheNaoto 2013-08-25 14:13:52これは確かに定期テストでいい点数を取る分には問題ないですが、将来的には何の役にも立たないと思いました。なぜなら、まず第一にこんな勉強の仕方は面白くもなく、好奇心もそそられないので、覚えにくいし、第二に、現代文の課題文を試験で出題する意味や、課題文筆者の思いに反しているからです。CheNaoto 2013-08-25 14:16:14まず、課題文筆者の思いについてですが、これは世界の矛盾を指摘し、より高い次元の解決策を提案する事によって、世界をよりよい場所にすることがいわゆる論説文を書く目的です。人によっては多少違うかもしれませんが、右だろうが左だろうが上だろうが下だろうが、本来はこれが目的であるべきです。CheNaoto 2013-08-25 14:17:21そして、現代文の課題文を試験で出題する意味ですが、それは教え子様が現状の問題点を把握(=読解)し、筆者が原因を分析し、より次元の高い解決策を提案する過程を学ぶことで、教え子様自身もそうした問題発見・問題解決のプロセスを踏めるようにすることです。CheNaoto 2013-08-25 14:19:03これらが本来、論説文を筆者が書き記している理由であり、現代文を試験で出題する理由であらねばならないと私は考えています。ならば、現代文の指導法・勉強法もこうした、課題文筆者・問題製作者の思いに沿ったものであらねばならないはずです。CheNaoto 2013-08-25 14:20:27つまり、教え子様自身に問題発見・原因分析・問題解決の能力を養っていただけるような学習方法が必要になるはずです。最低でも、教え子様がある思考の枠組みに沿って、課題文中から課題を読み取り、筆者が考える問題の原因を読み取り、筆者が考える解決策を読み取れるようにしないといけない。CheNaoto 2013-08-25 14:22:25その上で、現代文教育の究極のゴールとしては、教え子様自身が社会に出た時に、自分で問題を発見し、原因を分析し、解決できる人間にならねばいけない。そのための力を養うのが、たとえば現代文であり、たとえば数学です。CheNaoto 2013-08-25 14:23:27多くの教え子様が、現代文は数学に似ている、というかほとんど同じ教科なのだよ。だから現代文が得意な子は数学も得意なはずだし、数学が得意な子は現代文も得意なはずだよ、と言う話をするとかなり驚かれます。CheNaoto 2013-08-25 14:24:15なぜならば、現代文が得意な子は往々にして数学は苦手なものですし、逆に数学が得意な子は現代文が苦手なものだからです。東大生なんかにきくと、現代文得意な人は大体数学も得意ですが、それは彼らが現代文や数学がどんな目的・ゴールを持った教科かということを知っているからです。CheNaoto 2013-08-25 14:25:13逆に、これほどまでに現代文が得意で、数学が苦手な子、あるいは数学が苦手で現代文が得意な子が多いという現状は、あまりにひどい日本の現代文教育の惨状をこれ以上となく証明しているような気がします。CheNaoto 2013-08-25 14:26:44現代文これすなわち数学である、という話はいまからする話を聞いていただければ理解できると思います。ちょっと長くなりますが、現代文がいかに数学に似ているかという話をしてみたいと思います。CheNaoto 2013-08-25 14:29:05まず、現代文の原則として、世間一般で言われている論があって、それと作者の論がぶつかる形で議論がスタートします。作者は、自分の意見の方が、世の中のあらゆる意見よりも正しいとまではいわなくても、少なくとも聞くに値する部分がある、なにか新しい発見があると思っているから文を書くのです。CheNaoto 2013-08-25 19:38:01これは、一種、数学の背理法に似ている部分があります。背理法は、正しくなさそうなものを、正しいと仮定して証明し、結果行き詰まってしまうことから、正しくなさそうなものが正しくないということを示す証明のやり方ですが、現代文の構成もこういった証明に似ています。CheNaoto 2013-08-25 19:41:00また、現代文において、一番大切なのは否定的な語句が使われている部分です。これがキーワードになります。なぜなら現代文、とくに論説文は、世の中の何かを否定し、より良い解決策を提案することで、世の中をより良くしていくことを目的としているからです。CheNaoto 2013-08-25 19:42:49つまりある命題の否定に着目すると、現代文が解けるようになる。これもすごく大切な部分です。順接の部分にはそれほど気を使わなくて良く、逆接の部分でかつ否定的な語句がある部分を熟読するのです。それが分かれば、現代文演習で課題文が読み終わらないという悲劇はなくなります。CheNaoto 2013-08-25 19:43:49また、二つの意見の対立によって議論が進む訳ですから、どちらが数値的に大きいか小さいか、それぞれにどういう違いがあるかといったような対比も重要になります。数学でいえば、不等号とでもいえばいいのでしょうか。そういう考え方がとても重要になることは確かです。CheNaoto 2013-08-25 19:44:50Content from Twitterまた、論説文でも訳の分からない言葉が出ますが、数学でもよくわからない部分が出てきます。数学なら、よくわからない部分があれば、いろいろと工夫をして「見える化」することが重要になります。これは論説文でも一緒です。前後をよく見て、難しい言葉の概念を説明している文を探します。CheNaoto 2013-08-25 19:45:55数学のx軸,y軸と同じように、現代文でも具体例を整理するときに、時代が新しいか古いか、先進国で起きたか発展途上国で起きたか、などの軸を作って、分けて整理をする必要があります。そうすることで、古い時代から新しい時代へ、発展途上国から先進国へと進歩していく、進歩の関数が見えます。CheNaoto 2013-08-25 19:47:39この関数が、古い時代から新しい時代へ、発展途上国から先進国への進歩を示しているのですが、論説文の場合、その先にどんな問題が予想されるかを分析しているケースがわりと多いように思います。CheNaoto 2013-08-25 19:48:59過去の問題の分析というのは、もうある程度の答えが出ていることが多く、論争にも一応の決着が付いていることがほとんどなのですが、未来に予想される問題については、まだ議論の余地がたくさん残されているからです。CheNaoto 2013-08-25 19:50:07その上で、解くべき問題を見つける。なんだかすごく広く大きく感じる解かなければならなそうな問題を、どう整理して、限定して、解いて行けばいいのか、解くべき問題を限定して、それだけをひたすらちゃんと解いて行くのです。解くべき問題は、なるべく少なくしなければいけません。CheNaoto 2013-08-25 19:51:39解くべき問題を解いて行く時は、A=A' A'=A''と言ったような言葉の置き換えではなくて、Aの原因=B Bの原因=Cというように、一段一段考えるごとに、より原因、解くべき問題が鮮明に浮かんでくるように文章を書かなくては行けません。これは論説文の著者なら問題なくできることです。CheNaoto 2013-08-25 19:53:19大切なのは、論説文の著者は、たしかに一段一段読み進めるごとに、より問題の原因、解決すべき問題が鮮明に浮かんでくるように文章を書いてくれてはいるのですが、しばしばその文章の書き方が受験生にとってはわかりにくいのです。だから、しっかりとそれを読み取れるように訓練しないといけません。CheNaoto 2013-08-25 19:54:25そうすると、根本的な問題点が分かり、あとはこれを潰せば問題の解決策ができます。ただ、現代文の難しいところで、ここで文章が終わる訳では有りません。今度は、問題の解決策が正しいかどうかを吟味しなければ行けません。CheNaoto 2013-08-25 19:55:36そのために必要なのは、一つは背理法です。その解決策が正しいと考えて、なにか行き詰まりはないか。あるいは、正しくないと考えた時に、やはり正しいか。それをしっかり証明する必要があります。CheNaoto 2013-08-25 19:56:38また、利害関係者検討も重要です。これは優れた課題文ならほとんどなされていますが、誰か一人に圧倒的な犠牲を強いて、問題を解決しようとすることは、絶対にしてはいけません。なぜならそのような問題解決は、弱者だけでなく、最終的にはあなたにも圧倒的な犠牲を強いる日が来るからです。CheNaoto 2013-08-25 19:57:49このように現代文、こと論説文の議論の進め方のプロセスは、数学のように明確化することができます。もちろん、それに対するいろいろな出題に対する答え方も、数学のように明確化することができるでしょう。現代文、こと論説文はセンスの教科ではないのです。CheNaoto 2013-08-25 19:58:53小説文に関しては、また別の日に議論しますが、こと論説文に関して言えば、必要なのは先生の文章解説ではなく、先生がどのように問題を解いたかという解説か、あるいはどのように問題を解くかを教え子様に考えさせた上で、先生がある一定の枠組みに沿ってそれを解説するような授業です。CheNaoto 2013-08-25 20:00:15ある一定の枠組みがあれば、生徒も「センス」などといったものに頼らずとも、しっかりと「論理的思考の枠組み」に沿って現代文を解くことができるようになりますし、その結果、数学も現代文も一気に得意になると思います。
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