これからどんどんtogetterで勉強のやり方やマインドについての話をまとめていきたいと思います。第一弾は「なぜ逆転不合格は、性格が良い子に起こるのか?」
CheNaoto 2013-08-23 22:04:12
では、早速話をはじめます。まず、逆転不合格という言葉ですが、これあまり聞いた事がない言葉だと思います。逆転合格というのは、あまり良くない成績からがんばって勉強して、一気にライバルをごぼう抜きして、志望校への合格を果たす事ですが、逆転合格というのはその反対です。
CheNaoto 2013-08-23 22:06:24
つまり、逆転不合格というのは、もともと成績が良くて、志望校への合格が確実だったにもかかわらず、試験本番になにか問題があって、残念ながら合格できなかったというケースのことです。
CheNaoto 2013-08-23 22:07:05
多くの塾でも、もちろん私の塾でも多くの逆転合格のドラマが生まれてきましたし、その一方で、多くの逆転不合格のドラマもありました。しかし、お客さんを集めるためには、成績が良かったのに落ちてしまったという話をするのは最悪なので、塾講師はほとんどの場合逆転不合格について話しません。
CheNaoto 2013-08-23 22:08:20
ですから、逆転合格の話は多くの受験生がよく知っていることだし、その例も一杯知っている訳ですが、逆転不合格の話はほとんどの受験生が詳しく知らない。
CheNaoto 2013-08-23 22:09:12
せいぜい、部活の先輩が成績が良かったのに、志望校に合格できなかった。やっぱしなんたら高校、なんたら大学って難しいんだね、とかいやなんたら先輩って意外と頭良くなかったんだね、とかその程度の話で終わります。後輩というのは当事者じゃないですからのんきなものです。
CheNaoto 2013-08-23 22:10:00
さて、そして受験生になると一番嫌なのが逆転不合格をやらかすことです。成績が良かったのに、志望校に合格できないなんて最悪じゃないですか。一番嫌な事だからこそ、意識的に考えないようにするという人が多いですが、これは危険です。
CheNaoto 2013-08-23 22:10:46
なぜなら、逆転不合格になる人がどんな人なのかをしっかり研究・分析して、知っておくことによって、自分がそうならずに済む可能性が高くなるからです。成功要因というのは人それぞれで素質的な物も有りますが、失敗要因というのはかなり少ない種類に分類できて、かつ誰でも防げるものです。
CheNaoto 2013-08-23 22:11:52
だから、これは勉強でも商売でもそうなのですが、大切なことは「やることを決める事」ではなく「やってはいけない事を決める事」です。そういう考えもあって、私は中学・高校、そして大学生になって塾講師になってからも、どういう人が逆転不合格になるかを見続けてきました。
CheNaoto 2013-08-23 22:12:54
その結果として、間違いなく言える事があります。それは、「性格が良い子は、逆転不合格をやらかす可能性が高い」ということです。よくわからないかもしれませんから、これについて今日は詳しく説明をしたいと思います。
CheNaoto 2013-08-23 22:13:46
まず、性格がいい人、というのがどういう人なのかということを明確にしておかなければいけません。性格がいい人というのは、性格が良さそうに見える人、性格が良さそうに見えるように自分で意識的に努力している人と考えておおよそ間違いがないと思います。
CheNaoto 2013-08-23 22:14:45
私が中学・高校・大学と付き合って来た同級生の中で、まさに性格が良い人がいました。周りからも性格が良いといわれていたし、友達として見ていても性格が良い奴だと思っていました。自分でもそう思っていたことでしょう。そう見えるように意識的に努力が続けられる男でした。
CheNaoto 2013-08-23 22:17:02
彼は、中学・高校と成績は私より優秀だったのですが、高校・大学受験ではなかなかうまく行きませんでした。実力以下の学校にしか行けなかった。彼は、それは地頭のせいだと話していましたが、実力以上の学校に間違って入ってしまった私と彼の違いが地頭にあるとは思えませんでした。
CheNaoto 2013-08-23 22:18:14
そこで、塾講師になってからも、注意深く彼と友達付き合いを続けました。私と彼の違いは地頭になんかではなくて、もっと違う部分にあると考えていたからです。
CheNaoto 2013-08-23 22:18:48
ぱっと思いつく彼と私の違いは、彼は自分がいつも正しいと信じて疑いませんでした。たしかに、たいていの場合において彼は正しく良い奴でした。私は自分が罪深い業を背負った存在だということを認識していますから、人の間違いに対してある程度許容範囲は広い方ですが、彼はそうではなかった。
CheNaoto 2013-08-23 22:19:57
あと、気の強さという意味でいえば、私はかなり気は強い方だと思います。正しかろうが、間違っていようが、なにか大きな目的を達成するためにはやらねばならない事というのはあります。彼はどちらかというと、動機も手段も結果も美しくありたいと考える方でした。
CheNaoto 2013-08-23 22:20:51
逆転合格を続けて来た私と、逆転不合格を続けて来た彼の違いはつまりそういう部分にありました。大学生になってから、彼は私に恋愛相談をしてきました。私もさほど恋愛は得意な方ではないということは、アイコンを見ていただくと分かると思うのですが、モテない男はモテない男に相談するのです。
CheNaoto 2013-08-23 22:22:14
彼は私にいいました。「好きな人がいるんだ」と。なるほど、私も当時好きな人が居たので(そして、好きだと思ったら、すぐ告白して、断られたらさっさと次に行くので)興味を持って、彼の話を聞く事にしました。
CheNaoto 2013-08-23 22:23:35
私の友達には好きな人が居ました。でも、彼女には彼氏が居ました。でも、友達は、その彼氏がどうもだらしない人で、自分と付き合った方が絶対に幸せだと思うという話を力説するのです。頭がくらくらしてきました。なるほどこういう考え方だから逆転不合格になるのかと納得しました。
CheNaoto 2013-08-23 22:24:45
まず、第一に彼氏として誰がふさわしいかを決めるのか完全に彼女です。悪い男、だらしない男というのは女性にとってさほど悪い存在ではありません。なぜならこれは完璧に私の偏見ですが、女のかけがえの無さ、大事さ、価値というのは、母性から生まれるものだからです。
CheNaoto 2013-08-23 22:25:47
母性がない女に恋愛対象としてどんな価値があるんだろうとさえ私は思います。ここで男側が絶対に正しく、几帳面で、きっちりしてる奴だったら女の腕の見せ所がありません。悪くて、ちょっとだらしない男からこそ、女はかけがえの彼女になりうるのです。
CheNaoto 2013-08-23 22:26:50
第二には、そんなに好きならぶんどってしまえばいいのです。日本は資本主義の国ですから、すべての人々が自由な競争の元、相手を蹴落としたり自分が蹴落とされたりしながら闘うことができるのです。大いに闘えば良い。ただ、その結果どんな傷を負っても、それは自分の責任です。
CheNaoto 2013-08-23 22:27:54
自分が正しいとは思わないこと。間違っていて、罪深いということを自覚して、だからこそ人と協力して楽しく生きようとすること。プロセスが多少邪道であっても、法律に著しく違反するとかではないかぎり、やるべきことの為には多少手荒な手段に出ても、絶対にやり遂げること。
CheNaoto 2013-08-23 22:29:06
これらは受験勉強においても恋愛に置いても、絶対に必要不可欠な資質です。間違っていると思うから、最後の一瞬まで努力するし、やり遂げないといけないと思うから、やり方を変えて、時間配分を変えて、徹底的に努力するのです。プロセスの正当性は、最終的に結果を出したからこそ価値を持つのです。
CheNaoto 2013-08-23 22:30:06
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だいたい、私はプロセスの正当性とか、邪道とか覇道とか王道という言葉が気に食いません。だれが正しさを決めるのでしょう?
CheNaoto 2013-08-23 22:30:55
もちろん最低限のルールは必要不可欠ですが、そこから逸脱しない限り、ルール以外の正しさらしきものを決めるのは神ならぬ人間です。人間はかならず間違えます。ですから、人間が考えるルール以外の正しさなんてものは無意味だとさえ思います。
CheNaoto 2013-08-23 22:31:22
自分は正しいと信じこんだ瞬間に、進歩は止まり、成長は止まります。現状維持では現状維持さえできない。成長が止まった瞬間に、衰退が始まります。だから逆転不合格になるのです。
CheNaoto 2013-08-23 22:32:18
私が指導してきた教え子様でも、早大プレで全国2位まで取って、落としてしまった教え子様がいます。これはもう完璧に私の責任ですが、しかしやはり取り組みに問題がなかったわけではありません。ただ、それを当時強く注意できなかったのは、やはり私の責任です。
CheNaoto 2013-08-23 22:33:26
たとえば、小論文を指導していたときに、あれは確か受験一ヶ月前の事だったと思うけれど、もう方法論はすべて学んだので、あとは自分で勉強できますと言われた。当時の自分の指導にも、かなり問題があったのだと思うけれど、それでも私の指導で結果を出してくれていた時期だったので悲しかった。
CheNaoto 2013-08-23 22:35:54
人生には、一度か二度、あとから考えれば小さな出費をどうにか捻出して、勝負ドキ、張り込まないといけないことがある。コツコツ努力することができても、この乗るか反るかの大勝負に耐えられない人間は大成することはない。私は不安だったが、送り出してしまった。
CheNaoto 2013-08-23 22:36:57
結果として一生忘れる事ができない逆転不合格を私は送り出してしまった。当時、私は結構高いお月謝をいただいていたので、それ以上の出費を求める気にもなれず、まだまだ改善点があるよという言葉を呑み込んで、自習へと送り出してしまったのだ。本当に当時の私が反省しないといけないことである。
CheNaoto 2013-08-23 22:37:41
なにはともあれ、自分は正しいと妄信すること(たとえば小論文はもう十分できたと思うこと)、プロセスの正しさについて考え込みすぎてなかなか行動に移せないこと(たとえば追加出費を親にお願いするのが正しくないことだと思って親にお願いできなかったこと)、それが逆転不合格の原因になるのです。
CheNaoto 2013-08-23 22:42:00
こういう友達を見て来て、私は実家が浄土真宗の大谷派なんですが、私は親鸞聖人の悪人正機という考えを思い出した。一言でいえば、「悪人は幸せになれる」という考え方である。当時の表現をそのまま書けば「正義の人でさえ幸せになれる。ならばまして悪人は絶対幸せになれる」という考え方だ。
CheNaoto 2013-08-23 22:44:42
ぱっと一読して訳がわからない。悪人は幸せになれるというのがよくわからないし、正義の人が幸せになれることはわかるけど、どうして悪人が絶対幸せになれるのか。また、正義の人と悪人を比べる時に、どうして比較を使い、悪人の方が絶対幸せになれるというのか。
CheNaoto 2013-08-23 22:46:02
一つの考え方、解釈としては、正義の人というのを自分を正義だと思っている人、悪人というのを、自分が悪人だと自覚している人、というふうに読み替えてみるといい。すると、理解できるようになる。
CheNaoto 2013-08-23 22:46:39
つまり、自分が正しい、正しくあらねばならないというふうに考えている人より、自分は罪深い、罪深いことも一杯してしまうだろうけれど、幸せになりたいと思っている人の方が幸せになれるということだ。これをさっきの話に置き換えてみよう。
CheNaoto 2013-08-23 22:47:25
さっきの話であれば、逆転不合格をした私の教え子様は、小論文の書き方について自分は正しいと考えていて、かつ親にこれ以上の出費を求めることは正しくないと考えていた。
CheNaoto 2013-08-23 22:48:33
一方で逆転合格した教え子様は、自分はまだまだ小論文の書き方はまだまだだなと、自分が間違っている事を自覚していた。かつ、親に多少の出費を求めるのは申し訳ないけれど、そういうつらいプロセスの後に、幸せな将来があるということを確信していた。だからこそ頼みにくいことを頼めた。
CheNaoto 2013-08-23 22:49:19
この違いである。恋愛についていえば、私は常に自分が間違っていることを深く自覚しているつもりだ。どんなに愛だの恋だのの言葉を連ねてきれいごとをいっても、欲望というのは本来罪深いものだと思う。
CheNaoto 2013-08-23 22:51:01
えてして、好きな人を口説き落とそうとするとき、人は邪道に走るし、正面突破はなかなかできない。だけれど、そういうことをしてでも手に入れたいもの、手に入れなきゃ行けないものは必ず有ると思う。そして、最後に帳尻を合わせて、みんな幸せになれればいいのだと思う。そのためにこそ人は頑張れる。
CheNaoto 2013-08-23 22:51:55
これは逆転不合格をしない秘訣、逆転合格をする秘訣に深く結びついていると思う。自分が正しいと思わないこと、邪道に思えてもやり方を変えて必ず勝利を手に入れる事。これが逆転合格を手に入れるために必要なことだ。
CheNaoto 2013-08-23 22:52:48
自分が正しいと信じて疑わない人、プロセスの正しさを追求することに気が取られて手が動かず結果が出ない人。今日のまとめから学べることがあるとしたら学んでいただいて今後の人生に役立てていただければうれしいです。
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