つぎいくぞw「シャープが潰れる日 〜2020年・大企業大量倒産時代〜」です!どうしてこんなテーマで書こうかと思ったかというと、友達から事務所の移転祝いにシャープの冷蔵庫をもらった時に、ちょっとおどろいたことがあったからです。このあたりから話します。
CheNaoto 2013-08-18 13:37:03

私が今の会社の事務所を移転するときに、もらったシャープの冷蔵庫には「プラズマクラスター」と書いてました。これがつくと一万円ぐらい高くなるみたいです。
CheNaoto 2013-08-18 13:48:39

なるほどなるほどと思い、wikipedia先生に聞いてみたところ、なんか効果はないみたいです。http://t.co/OuSFK9CywM
CheNaoto 2013-08-18 13:49:32

2012年11月28日、消費者庁が外部の研究機関に依頼して調べた結果、表示された通りの性能が出なかったため、同社に対し不当景品類及び不当表示防止法違反(優良誤認)で再発防止を求める措置命令を出したとのこと。なるほど。
CheNaoto 2013-08-18 13:50:47

似たような例として、マイナスイオンがあります。http://t.co/YoqjhkYl8D これも頭痛がする。典型的なニセ科学です。
CheNaoto 2013-08-18 13:52:12

で、今日のテーマは、なぜシャープほどの大企業が、革新的な商品を生み出せず、ニセ科学に頼るしかなかったかということです。特に考えがあるわけでもないですが、主立ったシャープor国内電機メーカーの事件を振り返りながら、大企業が倒産しないためにはどうすればいいかを考えましょう。
CheNaoto 2013-08-18 13:54:35

シャープというのは、まず一番有名なのは、アクオスです。これは少なくとも、海外の販売、および商品の選択については、参入戦略が悪かったとしか思えない。たとえばシェア一位のサムスンなんかは、アフリカだろうがどこだろうががんがん進出するのに、シャープはしない。
CheNaoto 2013-08-18 14:02:20

そもそも、競争過多な液晶業界にこれほど張り込んでしまう。その部分で致命的なミスがある。でも、こんなことを話しても仕方有りません。ただ、一つの教訓として残しておくべきことは、失敗を恐れて、新規分野へ投資せず、既存分野に一気に張り込み、競争過多で失敗したこと。
CheNaoto 2013-08-18 14:03:17

そして、小さなマーケットを軽視したために、ロングテールで細かいマーケット(アフリカとか中南米とか)を取りまくった韓国メーカーに負けてしまったという部分です。それこそ選挙の川上から川下へじゃないですが、旧植民地圏で売れると、日本メーカーで先行していた旧宗主国でも売りやすい。
CheNaoto 2013-08-18 14:04:31

選挙なんかでもこういうことはあります。優秀な政治家というのは、選挙活動を市街地中心にではなく、おじいちゃんおばあちゃんがいる田舎から始めるものです。そうすると競争相手も少ないですから、インパクトが大きく、かつ口コミが起こりやすい。
CheNaoto 2013-08-18 14:07:46

シャープのスマートフォンでは、顧客の切実なニーズがなにかを掴むという点で失敗したというふうにも考えられます。多くの大企業が新製品の開発の際に使う手段ですが、マーケティングリサーチをアンケートで行う。ここにマクロミルさんなんかの躍進もあるわけですが、本当に効果があるのか?
CheNaoto 2013-08-18 14:10:10

たとえば、これはベンチャー業界でよく言われていることですが、一億人がなんとなくいいね!と思うサービスより、百人がこれしかない!と思うサービスの方が遥かに儲かります。ただ、アンケートでは、そのニーズの強さというのはよくわからないような気がする。
CheNaoto 2013-08-18 14:10:55

たいてい、本当に必要なものというのは、当の利用者本人もよくわかっていないものなのです。耳に痛い指摘・鋭い指摘から逃げ回り、なにが本当に問題なのかよくわかっていない人があまりにも多いことからも、それはよくわかることです。
CheNaoto 2013-08-18 14:11:49

かといって、直接会って、お金渡してアンケートをとればいいのか、あるいはマジックミラーでもつかって女子会を開かせて、話を聞けばいいのかというと、それも違う気がします。
CheNaoto 2013-08-18 14:12:40

不便というのは、本人が意識するかしないかに関わらず我慢している事が多いし、それが解消されると便利だということも、製品を使ってみないと案外分からないことが多いのです。欲求に関しては、さらに言える事は女子会でそれをあけすけに話すのは恥ずかしいし、見栄もあります。
CheNaoto 2013-08-18 14:13:21

たとえば、よく女性誌で、最初に関係を持つのは何回目のデートがいいかという質問があります。だいたい四回目ぐらいが多いみたいですが、実際どうなのかというと、もっと早い人の方が多いような気がします。一回目か二回目がほとんどなのではないでしょうか?
CheNaoto 2013-08-18 14:14:11

私はよくスタッフに言うのですが、一回、二回やって大ヒットする感じがしない、どうもうまく行かないのなら、よほど重要な技術的な課題であったり、サービスのコア部分に関わるエラーでないかぎりあきらめて次にいけといいます。まして、代わりの案が多いマーケ戦略ならなおさらです。
CheNaoto 2013-08-18 14:15:05

小さく試して、大きく育てるというのが大切です。多分製品開発も一緒でアンケートも女子会ののぞき見もほとんど意味が無い。それで効果があると思い込んでいるのなら、それはブランドがあるからそこそこ売れるだけか、あるいは本当に思い込みでしょう。ブランド力がない市場ではほとんど意味がない。
CheNaoto 2013-08-18 14:15:56

その証拠にシャープはブランド認知度が低い国ではことごとく苦戦しています。マーケットリサーチがここで紹介したようなものだからでしょう。
CheNaoto 2013-08-18 14:16:35

あと、もっというならば、そもそもお客様を見るべき目が、社内に向いている。目の付けどころがぜんぜんシャープじゃないという問題があります。ではどんなマーケットリサーチが効果があるというか、わりとよかったなーと思うのかをちょっと書きます。
CheNaoto 2013-08-18 14:18:40

自分がちょこっとやってみてよかったのは二つ。一つはとにかく小さくはじめてしまうということです。それはその策が安全なのかどうか、もう一つは効果があるのかどうかということが分かります。小さく大量に試してみる事、面子とか誰が提案したかとかは気にしないぐらい大量にやることです。
CheNaoto 2013-08-18 14:19:25

もう一つは、ある特定のマーケット、それこそ所属大学から性別からサークルまで区切って、ある特定のマーケットでむちゃくちゃ宣伝して、反応を見ることです。この時大事なのは、言語化された情報は無視してもいいということです。
CheNaoto 2013-08-18 14:20:18

そうじゃなくて、例えばサイトをみてもらったときに、どういう動作をとっているか、どこにマウスが動いているか、そういうことだけをひたすら研究します。とにかく動きを見るのです。その上で、本当に理解してもらっているかどうか、どういう誤動作が多いかを研究する。
CheNaoto 2013-08-18 14:21:05

あと、ブランドの名前を傷つけるという理由で、試験運用ができないことが多いので、ブランド名を変えて運用したりします。それこそシャープやパナソニックの新商品開発も最初はベンチャーですという体で、ブランド力ゼロの段階でやってみた方が良いと思います。JustDoItで既存マーケもせず。
CheNaoto 2013-08-18 14:22:08

そうすることで、ブランド認知度が無い海外での展開をどうすればいいのかということが手に取るようにわかります。実際韓国もIMF介入があったときは、リストラが盛んで、既存大企業の技術者がどんどん起業し、ブランド力ゼロの段階で新製品開発をしました。
CheNaoto 2013-08-18 14:23:00
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もちろん、ああいう国民性だから、失敗例の方が遥かに多いのは安易に想像が付くのですが、ただその失敗が無駄になったかというとそういうことはなく、アンケートや女子会やブランド名付きマーケみたいなコンサル的手法では得られなかった洞察を現場が多数得る事ができたのではないかと思います。
CheNaoto 2013-08-18 14:24:01

あと、そういえばガラパゴスという商品名もひどかった。そんなことを誇ってどうするつもりなのでしょう?と思わずにはいられなかった。こと日本が沈みかけると、和の心とか日本人の底力とか絆とか、そういうことを言う人が増えるけれど、私はそういう言説は大嫌いだ。
CheNaoto 2013-08-18 14:27:48

愛国心なんてものはことさらに誇示すべきことでもなく、むしろ自分の心の中でひそかに誇りに思うぐらいのもの、矜持というのはそういうものである。それがなにか中国や韓国で見られるような感情的な言説になったときに、日本人の差別化要因がなくなり、競争力も落ちる気がする。慢心は危険。
CheNaoto 2013-08-18 14:32:04

シャープの堺工場のような、後先考えない巨大投資もその一つ。ホリエもんもそうだったらしいけれど、慎重に試して、小さくはじめて、大きく育てることが社是だった会社が、手荒の投資をする。これは戒めないといけない。
CheNaoto 2013-08-18 14:35:42

失敗と成功には、それぞれ二つの種類がある。一つは、予測できた失敗、もう一つは、予測できなかった失敗、一つは予測できた成功、もう一つはまぐれでの成功。この分類だけはしっかり頭にいれておく必要がある。一つ一つ解説したい。
CheNaoto 2013-08-18 14:36:50

まず、まぐれでの成功についてだけど、これが一番よくない。なんの実験もせずに、いきなりぶち込んで大成功というパターンだ。こんな幸運は長くは続かない。そして、この手のまぐれ成功を一回やらかすと、次も同じく手荒な賭けにでる。そして、経営者は負ける。私にも経験があるから少し分かる。
CheNaoto 2013-08-18 14:39:31

予測できた成功というのが、本当は一番すばらしい。小さく小さく安全策を取りながら時間をかけながら(経験的に最長でも二ヶ月)試してみて、一気に大爆発をさせる。これを繰り返すことができたら、絶対に失敗することはない。失敗しない経営者というのは、これの積み重ねで勝利を重ねているのだ。
CheNaoto 2013-08-18 14:41:16

たとえば、ソフトバンクの孫社長というと、大胆な賭けのような勝負ばかりが目につくけれども、彼の勝負は大胆にして細心というのが身上である。シミュレーションもしっかりするし、マーケティングは小さく試してみて、大きく拡大する。そこに勝利者の哲学がある。KDDI稲盛会長などもそう。
CheNaoto 2013-08-18 14:42:36

予測できた失敗というのもすばらしい。失敗が予測できるからこそ、いくつもの小さな柱を立てる用心深さと、それらをできるだけ完璧に仕上げようという職業的良心が生まれる。予測できなかった失敗はもってのほか。
CheNaoto 2013-08-18 14:49:05

失敗が予測できるようにするためには、細かい事もそうですが、それ以上に大枠をしっかり見て、システムなり予定なりを組む必要があります。たとえば、ユーザーの満足度を上げることに集中して、講師の方のシステムがどうもうまくできていないということがありますが、そういう大局観のない仕事はダメ。
CheNaoto 2013-08-18 14:51:47

シャープの太陽光もそう。品質の良さが売りではあったけれども、顧客に取って大事なのがなんなのかというのが見えていなかったような気がする。品質が良くなければ売れない商品であれば品質がいいに越した事はないけれども、それが一番の要素でないのならば、品質はほどほどでいい。
CheNaoto 2013-08-18 14:56:10

客が求めている物を作る事、売ってから作る事、売らんかな!という姿勢が大事である。売る事からすべてがはじまるのである。
CheNaoto 2013-08-18 14:57:13

逆にシャープの太陽光に見られるような、品質重視・高価格というのは甘えなのではないか、逃げなのではないかという感じさえする。これは別に現場の技術者が悪いと言う話ではなく、経営として逃げなのではないか、逃げの経営なのではないかと思うのだ。
CheNaoto 2013-08-18 14:57:56

たとえば、低価格帯での競争が激しい。だからシャープの太陽光は高価格でいきますよ、付加価値を付けて値段上げないと売り上げ利益が出ないから品質重視で行きますよという話であれば目の付けどころはぜんぜんシャープではない。徹底的に消費者目線がなく、供給者目線なのだ。
CheNaoto 2013-08-18 14:58:47

シャープのテレビのリモコンを見ていても思う。韓国のスマートテレビのリモコンのほうが遥かにつかいやすい。液晶の質なんて、どこのメーカーもそこそこ見れる画像なのだからそんなにかわりようがない。シャープもっと切実な需要を無視しているような気がしてならない。
CheNaoto 2013-08-18 14:59:48

ブルーレイも3Dもそう。それがお客様にとって本当に必要なのか。私はブルーレイというのがいまだによくわからない。いろいろな規格が出て来るけれど、本当にそんなもんが必要なのか。白物含め、主婦の生活を録画しておけば、もっと切実な需要はいっぱいあるはずなのに。
CheNaoto 2013-08-18 15:03:20

シャープとはぜんぜん関係ないけど、銀行のATMって銀行によってUIがちがいすぎて、そして総じて使いにくい。ああいうのをどうにかするだけでも相当な商売になるような気がするけれど、どうして大企業の人誰もやらないのか。
CheNaoto 2013-08-18 15:04:07

こういうことは、べつにシャープに限った話じゃなくて、日本中にある。私なんかもスカイプでいつでも勉強の質問に答えるサービスを営業していると、大企業相手の営業だとかならず言われるのが、「うちの独自仕様にできませんか?」ということ。理由を聞けば独占したいからと。
CheNaoto 2013-08-18 15:05:36

いやもちろん独占するのはいいとしても、そんなことをして何になるのだろう。へんな技術で参入障壁を高めて小さなマーケットを独占するより、大きなマーケットでオペレーション力を高めて正々堂々の一番になることのほうがよほど価値が有るように思う。
CheNaoto 2013-08-18 15:06:25

たとえば、教育業界でもそういう例がある。名古屋にある大手予備校は線を引くと、自動的にまっすぐにしてくれる板書ツールを開発した。一方で、東京のある大手予備校は、先生の言葉「今でしょ!」を流行らせ、東大早稲田慶應生の即質問対応システムなど自社でつくり勢力を拡大した。
CheNaoto 2013-08-18 15:07:45

“@togetter_jp: .@CheNaoto後半はやや極論に展開していくけど、前半の期待と能力の乖離や得意分野をひとつずつ増やすのには同意です。勉強になりました。
性格は明るく家庭でもよく喋るうちの高2息子がいつやる気を出してくれるかが今の課題です。秘策ありませんか?
Kazao41 2013-08-18 15:08:44

なんというか、後者の会社のほうがビジネスライクで、かつお客様が何を求めているのかという部分で考え抜いていた分やはり、伸びたのだと思う。前者の会社ももちろんすばらしい会社ではあるけれども、どうも自分たちの技術を見せびらかしたいという態度があり、お客様目線を感じなかった。
CheNaoto 2013-08-18 15:08:50

グラフがきれいに書ける事が、お客様にとってどれほど重要なことなのだろう? 私はいつも甚だ疑問だった。そんなことよりも、出会った講師の一人一人が人間的に魅力がある人で、こんな人になりたい・少しでも近づきたいと思って、教え子様が勉学に励むようにするのが本来あるべき教育の姿なのでは?
CheNaoto 2013-08-18 15:09:47

私はつねづねそう思って来たし、今の会社でも基本的にはそういう考えで運営をしています。
CheNaoto 2013-08-18 15:12:56

なにが本質なのか、なにが本当に重要なことなのか。死ぬ時に、表面的なもの、小手先なもの、装飾、そういうものを一切取っ払って、美しく、シンプルで、本質的な課題を解決したときの達成感だけを持って死にたい。そういう風に本当に思うんです。