高校生の感想はこんな感じですが、英単語やりました、英文法もやりました、でも英文読解がぜんぜんできないという生徒が多いことは確かに感じられます。いわく、読んだ英文が右から左に消えて行くようです。どうしてか。
返信 RT お気に入り taigart91 2013-11-30 11:16:32
たとえば、一つの方法として、リンガメタリカ・アカデミック・速読速聴を暗唱して英語が頭に入って来るキャパシティを増やすというやり方もありますが、一年ぐらいないと出来ないし、どうも感覚でやるようになってしまって、それはそれで思い込みが強い人にはよくなかったりします。
taigart91 2013-11-30 11:17:25
やはり、誰でも正確に着実に、それこそ慶應SFCで見るような2000単語の超長文が読めるようにするには、ある程度の作法も必要になります。今日は私が普段からやっている英文読解の作法についていくつか紹介します。ディスコースマーカーの発展的な物だと考えていただければ幸いです。
返信 RT お気に入り taigart91 2013-11-30 11:18:33
まず、各段落ごとに一行要約をします。英語の文章だったら英語で要約したほうが楽だと思いますが(英語の事は英語で考えるクセを付けないと英語力はある天井からなかなか上がりません)、受験生は時間がないので日本語でもかまいません。これはもう大前提。
返信 RT お気に入り taigart91 2013-11-30 11:19:54
その上で、どういうディスコースマーカーを付けるか。一般的なディスコースマーカーとしては、<抽象>のディスコースマーカー <譲歩>のディスコースマーカー <逆接>のディスコースマーカー <控えめな主張>のディスコースマーカー <筆者の意見>のディスコースマーカー
返信 RT お気に入り taigart91 2013-11-30 11:21:05
<強調>のディスコースマーカー <論理的帰結>のディスコースマーカー <言い換え>のディスコースマーカー <例示>のディスコースマーカー <列挙>のディスコースマーカー <対比>のディスコースマーカー <時の対比>のディスコースマーカー <追加>のディスコースマーカー
taigart91 2013-11-30 11:21:10
とあって、それぞれ
taigart91 2013-11-30 11:21:16
<抽象>のディスコースマーカー † some/many いくつかの/多くの… various / different +複数形 さまざまな certain+名詞 一定の、多少の 疑問文 :(コロン) すなわち following/as follows 以下の
返信 RT お気に入り taigart91 2013-11-30 11:22:09
<譲歩>のディスコースマーカー † It is true that SV 確かにSVは事実(だが) Of course, むろん(…だが) Certainly 確かに(…だが) 仮定法 may(助動詞) …かもしれない(が事実は違う)
taigart91 2013-11-30 11:22:24
It seems that … ・・・のようだ(が実際は違う) It is generally said… ・・・と一般に言われる(が実際は違う) Although … ・・・だが(主節で主張) admittedly 認められるところでは apparently 一見したところでは
taigart91 2013-11-30 11:22:35
<逆接>のディスコースマーカー † but しかし however しかし even so しかし nevertheless それでもなお Yet, それでもなお all the same それでもなお Still, しかし on the contrary
taigart91 2013-11-30 11:23:02
いやむしろ not A but B AでなくB not only A but also B AだけでなくB
taigart91 2013-11-30 11:23:05
<控えめな主張>のディスコースマーカー † on the whole 概して in general 概して in all/many cases すべての場合/多くの場合 broadly speaking, 概して by and large 概して
taigart91 2013-11-30 11:23:17
to a great extent 多くの場合 apart from A, B Aを除き、Bである exceptA, B Aを除き、Bである it is likely that …の可能性が高い possibly おそらく probably おそらく
taigart91 2013-11-30 11:23:30
may/might/would/seem/could かもしれない
taigart91 2013-11-30 11:23:32
<筆者の意見>のディスコースマーカー † I think/feel 筆者が思うに in my view/opinion 筆者の意見では apparently 筆者が思うに so to speak いわば well つまり really 実は
taigart91 2013-11-30 11:23:42
more or less 多かれ少なかれ(=要は) I'm afraid 残念ながら(事実は…なのである) I suppose 筆者が思うに… Actually, 実際、 I mean つまり
返信 RT お気に入り taigart91 2013-11-30 11:23:51
in any case いずれにせよ in fact 実際は as a matter of fact 実際は Surprisingly 驚いたことに
taigart91 2013-11-30 11:23:57
<強調>のディスコースマーカー † even ... …さえ as little[much] as ... …ほども少なく[多く] indeed 実に especially 特に in fact 実際at least 少なくとも of course もちろん
taigart91 2013-11-30 11:24:11
certainly 確かに obviously 明らかに undoubtedly 疑う余地なく do 確かに…する
taigart91 2013-11-30 11:24:22
<論理的帰結>のディスコースマーカー † therefore よって as a result 結果として consequently 結果として so よって then よって in conclusion 結論として
taigart91 2013-11-30 11:24:30
Content from Twitter
to sum up まとめると in brief/in short 要は thus よって this means that … …を意味する this is why … よって… this results in … このことは…をもたらす
taigart91 2013-11-30 11:24:38
<言い換え>のディスコースマーカー † I mean つまり this means that … …を意味する In other words 言い換えると That is to say, … 言い換えると or 言い換えると ―(ダッシュ) すなわち :(コロン) すなわち
taigart91 2013-11-30 11:24:49
<例示>のディスコースマーカー † for instance 例えば for example 例えば one example is … 一例をあげると in particular とりわけ thus 例えば ―(ダッシュ) 例えば : 例えば
taigart91 2013-11-30 11:25:01
<列挙>のディスコースマーカー † first of all 第一に firstly/secondly 第一に・第二に lastly 最後に finally 最後に to begin with 第一に in the first/second place 第一に
taigart91 2013-11-30 11:25:13
for one/another thing 第一に/第二に A as well as B BだけでなくAも(Aに力点) not only A but also B AだけでなくAも(Bに力点) Alternatively または ;(セミコロン) そして
taigart91 2013-11-30 11:25:18
<対比>のディスコースマーカー † on the one[other] hand 一方で[他方で] however 他方 ~, while … ~である一方、… ~, at the same time, … ~と同時に… in contrast 対照的に
返信 RT お気に入り taigart91 2013-11-30 11:25:28
Meanwhile 同時に one … another 一つは…他は some … others 一部は…他は
返信 RT お気に入り taigart91 2013-11-30 11:25:33
<時の対比>のディスコースマーカー † now 現在、今日 nowadays 現在、今日 currently 現在 recently 最近 originally 当初 first 最初の
返信 RT お気に入り taigart91 2013-11-30 11:25:41
<追加>のディスコースマーカー † moreover さらに furthermore さらに in addition さらに another thing is, さらに what is more さらに
taigart91 2013-11-30 11:25:51
とこれぐらいでしょうか。でも、こういうディスコースマーカーって全部本質的じゃない気がしてならないのです。なんていうか、そもそも文章の内容を見失いかけた時に、これで整理できるとも思えないし、そういう意味でいうと違和感しか感じない。
taigart91 2013-11-30 11:27:37
そもそもこんなにたくさん覚えられるかよという意識もあるし、うーん、A4一枚に文章の概要をまとめるとして、こういうたぐいの旧来型ディスコースマーカーがなんぼのもんじゃいという気持ちも正直ある。
taigart91 2013-11-30 11:29:13
そもそも論として、どうしてまぁ、ディスコースマーカーなのかという気持ちも正直あるのです。多くの受験生から話を聞いていて思うのは、ディスコースマーカーっていうのが飛ばし読みの代名詞として使われているのではないかと。
taigart91 2013-11-30 11:30:25
これは、別に日本語でも英語でもそうですが、飛ばし読みでまともな読解なんてできるようにはなりません。正しく英文読解したいのであれば、飛ばし読みなんかしないで、英文を読むスピードを上げる事が先決なのはいうまでもありません。
taigart91 2013-11-30 11:31:17
そういう意味でいうと、この文章は、英語はスピードを持って読める、内容もその時の一文一文は理解できる。ただどうも全体感としての内容は飛んでしまうという人にそうならないための方法として読んでいただきたいわけです。
taigart91 2013-11-30 11:32:11
もっと言いましょう。はっきり言って、悩んでる事を楽しんでいるような人には読んでほしくない訳です。私悩んでるわーんみたいなかまってちゃんいるでしょう。悩んでる事を楽しんでいるみたいな。解決策は分かってるのにやらないような人。そういう人はコレ読んでも無駄です。勉強しなさい。
taigart91 2013-11-30 11:32:59
さて、そういう上での英文読解論ですが、まず一段落ごとの一文要約は必須で、その上で文章全体の全体感をどうとっていくかですね。これが課題になります。
taigart91 2013-11-30 11:35:03
文章全体の全体感という意味で言った時、とくにそれが評論文であれば、もう決まってますね。問題発見があって、原因分析があって、解決策がある。これが文章のすべてです。これがパートです。その上で、文章には二つの種類があります。二つの種類しかありません。それは具体例と抽象論です。
taigart91 2013-11-30 11:36:04
つまり文章というのは、問題発見パートで具体例、問題発見パートで抽象論、原因分析パートで具体例、原因分析パートで抽象論、解決策パートで具体例、解決策パートで抽象論という六つに大別されます。
taigart91 2013-11-30 11:37:14
現代文・小論文の場合では、私たちの母語である日本語で書かれていますから、具体例については軽く触れる程度で抽象論を中心とした議論をする事が、少なくとも難関大学の入試では多いです。分かりやすい具体例についての議論だと点数に差が付かないからです。
taigart91 2013-11-30 11:38:40
その点、英文読解の場合は、特に超長文の難関私大の入試の場合は、抽象論に関する議論はせいぜい大問でも1〜2問で、他8〜9問は具体例についての議論であることが多いのです。そういう意味では、現代文小論文では時間がなければ具体例は軽く読め、読み飛ばせという議論ができますが、英語では無理。
taigart91 2013-11-30 11:40:18
だから、実は現代文・小論文よりも、英文読解は読み飛ばしがしにくいという特徴があります。世知辛いですね。そうはいいつつも、課題分を読む時は、具体例と抽象論の違いには特に着目して読みましょう。
taigart91 2013-11-30 11:41:29
どうしてかというと、やっぱりそうはいっても英文読解は時間がない。だからそのつもりがなくても読み飛ばしている時が多いのです。そういう時に抽象論がなんだったかを思い出すと、具体例についての出題を解いているときに、「あれ、この選択肢だと抽象論的になんかおかしいな?」と気付けます。
taigart91 2013-11-30 11:42:59
こういう見直しが結構大事なのです。具体例についての出題の見直しは、まず抽象論熟読から始めよというのは、長文読解の鉄則といっても過言ではありません。
taigart91 2013-11-30 11:43:28
こういう理解が前提としてあって、はじめて文章の全体感を捉える事に意味があります。まず先ほども話したように、問題発見・原因分析・解決策とあるわけです。その中でさらにどういう要素があるのかについて考えて行きましょう。
taigart91 2013-11-30 11:44:36
これはもう実は現代文・小論文の際に気遣わなきゃいけないこととほぼ同じです。
taigart91 2013-11-30 11:45:43
私が小論文攻略法として書いたテキストを引用しましょう。
taigart91 2013-11-30 11:46:47
基本的にそれぞれの課題文や自分の論にはさまざまな相違点があると同時に、実は共通点もある。ある同じ問題を別々の見方で論じている時には、本人たちも気付いていない前提という枠にがんじがらめになって議論していることがほとんどだからだ。だからまずこの前提という枠を意識しないといけない。
taigart91 2013-11-30 11:46:57
考えられるありとありゆる共通した諸条件というのは、文章の最初の段階であらかじめ整理しておくべきだ。これは数学などでもそうなのだけど、これが無いと適切な解決策が提示できない危険性がある。
taigart91 2013-11-30 11:47:10
たとえば在日韓国人の無年金問題の場合なら国籍条項があるのは国民年金か厚生年金かなど、それぞれの論者の問題意識・原因分析・解決策が違っていても、共通している諸条件というのは必ずあるはずなので、ここいらあたりをしっかり整理できていないとあなたは適切な議論ができない。
taigart91 2013-11-30 11:47:21
つまり、議論の前提ですね。これをしっかり整理しろということです。
taigart91 2013-11-30 11:47:37
その上で、それぞれの論者の問題意識・原因分析・解決策にはそれぞれ相違点がある。これもしっかりまとめる。その上で大切なのは数値比較をすることだ。どの解決策にどれぐらいの予算がかかるか。その予算は他の解決策と比べるとどれぐらいの規模か。それを相対比較せねばならない。
taigart91 2013-11-30 11:47:46
あとは、それぞれの論がそれぞれの論のどこを否定しているのかをしっかりまとめなければならない。これがないと議論が始まらない。あと、得てして小論文の課題文では難しい言葉・概念が多いのでしっかり自分が分かる言葉に言い換えておくこと。要約を作る時は具体例は無視し、抽象論に終始すること。
taigart91 2013-11-30 11:47:52
これは、だいたい論説文って作者の論と世間一般の論が対立しているわけですが、この対立関係を見る時にどういう要素に気をつければいいのかという話です。
taigart91 2013-11-30 11:48:23
その上で、問題発見をするために大切なのは、次は要約を作る時に切り捨てた具体例だ。それぞれの課題文に掲載されているそれぞれの具体例がいつどこで起きたのかをまとめるのだ。時代の軸と場所の軸を作り、時代については昔から今、場所については発展途上国から先進国へと向かう座標を作る。
taigart91 2013-11-30 11:54:40
たとえば、在日韓国人の無年金問題についてだったら、国民年金で国籍条項が出来た年、国籍条項が外れた年、問題の解決策としての帰国者運動が北朝鮮に向けて起きたり、韓国では在韓外人に対しどういう措置がされているかをチェックしたり、あるいは移民対策に先進的な国はどうしているかをメモする。
taigart91 2013-11-30 11:54:47
そうすると、この座標軸を見て分かるのは、時代の精神だ。時代がどういう方向に向かっているかが分かる。たとえば、日本だけでみたら国民年金で国籍条項が制定され、外された。つまり年金は国籍関係ないものになりつつある。他の国を見ると、移民を排斥する国もあれば、受け入れる為に制度整備する国も
taigart91 2013-11-30 11:54:54
そういう中で、時代はどういう方向に流れているのかを見た上で、将来起こりそうな問題が何かを推測する。たとえば在日韓国人の問題であれば、歴史的に日本の植民地支配の後南北分断された悲劇の歴史があり、北があの独裁政権から解放されたときに、韓国だけでなく日本にも難民が来る可能性がある。
taigart91 2013-11-30 11:55:06
その際に、世界の移民政策の潮流を見極めながら(基本的には単純労働者は犯罪率が高いので、いかに知的移民を入れるかという競争になりつつある)、この難民問題という将来高い確率で予見される問題も含めて、どういうふうに在日外国人の年金問題を向き合うかというスキームを立てる必要がある。
返信 RT お気に入り taigart91 2013-11-30 11:55:17
このあたりなんかは、このままの流れで書かれている論説文がいかに多いかということに驚かされると思う。時代の軸があり、場所の軸があり、未来を予測して、問題を捉える。こういう形で書かれた課題文の多さには本当に驚かされる。一つの視点として持っておくと要約が楽になる。
返信 RT お気に入り taigart91 2013-11-30 11:56:23
ここに、在日外国人の年金問題をどう設計するかという問題意識があり、今まで無年金状態などが生じて来た原因分析があり、その根本的な問題をどう解決するかという解決策がある。戸籍の問題や、役所の管理の問題なんかも当然に絡んで来るだろう。その上でどうするかである。
返信 RT お気に入り taigart91 2013-11-30 11:56:33
原因分析パートについては、短兵急に結論を出さず、論拠を積み重ねながら、なんで? なんで?を繰り返して行くという愚直な姿勢が一番求められる。解決策パートについては、先ほど紹介した利害関係者の検討の他に、背理法という考え方が有効だ。
返信 RT お気に入り taigart91 2013-11-30 11:56:47
このあたり、このなぜなぜ分析については、文章を抜粋して、自分で図にして書いてみても良いぐらい、問題としてはよく出題されることが多い。要注意。
返信 RT お気に入り taigart91 2013-11-30 11:57:16
背理法というのは、自分が設定した解決策が間違っていたと仮定して、他に良い解決策がないかを探す私なりの小論文作法である。つまり他の論者(この場合受験生から提示されるであろう)の解決策よりも自らの解決策が優れている理由を書いて行くのだ。ここまでできてはじめて一流の小論文である。
返信 RT お気に入り taigart91 2013-11-30 11:57:20
と、こんな感じ。実は書く事と読む事は表裏一体だから、小論文を書く視点から、論説文を読むということをやると、意外と要約がはかどるのである。
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