今日もtogetterはじめて行きます。今日第一弾は「ソフトバンクに学ぶ数字の見せ方 〜孫正義社長と愉快な仲間たちはなぜ半国営企業NTTに勝てたのか?〜」についてです。
NaotoHayahsi 2013-12-06 21:03:34

ソフトバンクの孫正義社長は起業を目指す、あるいは起業をしている若者にとってあこがれのビジネスマンです。私自身も孫正義社長にはとても強いあこがれを持っています。なにもないところから、大企業との提携を繰り返し、日本の、世界の通信料金を格段に下げて行く。
NaotoHayahsi 2013-12-06 21:06:43

そのことによって、情報をすべての人々に届け、どんな人でもなりたい自分になれるような社会を作って行く。そういう革命を起こしているという意味では、孫正義社長は、間違いなく、今日の日本においてもっとも優れた経営の神様だといえます。
NaotoHayahsi 2013-12-06 21:07:36

しかし、その一方で、孫社長には常に大ボラふきだという批判があります。これは未来のことについてではなく、現在のことについてもインチキばかりだという声もあります。たとえば、契約数の伸びや、負債の額や、つながりやすさについての発表のいくつかについて多くの人から疑問を持たれています。
NaotoHayahsi 2013-12-06 21:08:47

今日はそんな、世界を代表する事業家である孫正義社長がどんなふうにしてその富を拡大し、窮地の際には、どのようにして数字を上げ、数字を見せて、仲間に勇気を与え、今日の発展繁栄を築いて来たかについて、氏の半生を振り返り、ところどころに解説を加える形で紹介したいと思います。
NaotoHayahsi 2013-12-06 21:10:13

題名は「ソフトバンクに学ぶ数字の見せ方 〜孫正義社長と愉快な仲間たちはなぜ半国営企業NTTに勝てたのか?〜」です。数字の盛り方ではありませんよw 孫正義氏は確かにいくらかの誤解を招く表現は使っていますが、数字についてウソを付いたり盛ったりすることはありません。そこは強調します。
NaotoHayahsi 2013-12-06 21:11:03

そもそも、孫正義氏が無一文からどう事業を拡大させたかを知るには、彼の幼少期からの人生すべてを知る事が必要です。よく知られているように、彼は韓国系の日本人として1957年に生まれています。まだ50代です。驚異的な若さの大富豪であることは間違い有りません。
NaotoHayahsi 2013-12-06 21:12:25

これからいくつかの解説で、孫正義氏が韓国系であるがゆえに事業の存続を危ぶまれたり、銀行からお金を借りるのが困難になったり、事業に必要な免許がとれなくなりそうになる場面があります。
NaotoHayahsi 2013-12-06 21:13:15

極力差別的な表現がなくなるようには気をつけますし、もちろん今日は修羅の国福岡のガイドラインを引用することはありません。ただ、孫正義氏がその時々で直面した困難について説明するためにやむをえず差別的表現を引用することがあります。これについては勘弁してくださいw
NaotoHayahsi 2013-12-06 21:14:15

それでは早速、孫正義氏がどんな人生を歩んで来たかについて振り返って行きましょう。孫社長は、在日韓国人の三世として生まれました。一代目は祖父で、貧しさから韓国から日本に移住し、炭坑で働いていたそうです。
NaotoHayahsi 2013-12-06 21:15:34

いまでも、新大久保あたりで韓国人が経営している商店に行くとよく見られる光景ですが(私も歌舞伎町に友達と住んでいることがあるので時々行きますが)、おっさんが席の後ろで新聞読みながらグータラしていてやたら奥さんだけが働くという光景が韓国系の古い家庭ではわりとあります。
NaotoHayahsi 2013-12-06 21:16:50

これは、両班思想といわれる思想に基づくもので、韓国人の家庭では勉強をするのが一番偉くて、やれ武器をもって敵を倒そうとか、汗を流して肉体労働というのを嫌う傾向があります。それが儒教的な男尊女卑思想と相まって、奥でグータらしてる亭主とかいがいしく働く奥さんを生みます。
NaotoHayahsi 2013-12-06 21:18:32

孫社長のおじいさんおばあさんについてもまさにそうだったらしく、孫社長のおばあさんが八幡製鉄所の社員に対して密造酒販売で貯めたお金で貸金業を始めます。毎月お給料が入る八幡製鉄所の社員は、非常にありがたいお得意様だったわけです。
NaotoHayahsi 2013-12-06 21:20:14

孫社長の父も、貸金業やパチンコ屋などを手広く広げ、富を形成していきます。これにあまりいい顔をしなかったのは孫社長の祖父です。学者の家に育った彼は、商売を手広く広げる事には苦々しい想いを持っていました。そうはいいつつも、稼がないとということで孫一族はどんどん商売を広げます。
NaotoHayahsi 2013-12-06 21:21:39

もちろん、孫社長の祖父が、孫一族が商売を手広く広げる事に苦々しい思いを持っていた理由はそれだけではありません。そのヒントは、孫社長のインタビューからも分かります。
NaotoHayahsi 2013-12-06 21:23:00

子供というのは残酷です。たとえば貸金やパチンコ、ホルモンやキムチ・密造酒の行商など韓国系の人がやっている商売を孫一族もまた手広く営んでいるのを知ると、その差別の目は幼い孫社長にも及びます。
NaotoHayahsi 2013-12-06 21:23:49

仲良くしていた子が、ある日突然、「おい! チョン! 朝鮮に帰れ!」とこうやるわけです。幼い日のこの経験から、孫社長は家を引っ越し、名前も安本という日本風の名前に変えます。一度は日本人として暮らす事を決意したのです。
NaotoHayahsi 2013-12-06 21:25:10

その決意の堅さは、孫社長の弟の同級生であった堀江貴文氏(通称・ほりえもん)の証言からも伺えます。いわく、安本という名前で小学校から東大まで通していたので、ほりえもんは孫社長の弟があのYahoo!で有名な孫社長の弟だとは全くわからなかったそうです。それぐらい徹底していたのです。
NaotoHayahsi 2013-12-06 21:26:14

ところが、こうした民族差別を原因として前途を閉ざされかねない経験は、その後も、銀行借り入れや、携帯電話事業を始めとする規制産業への参入の際に、孫社長に立ちはだかります。
NaotoHayahsi 2013-12-06 21:27:44

孫社長は小中学生の時は生徒会長をつとめるなど、いかんなくリーダーシップを発揮していたようですが、成績はさほどよくなかったようです。また同級生の誰一人として彼が韓国系であることを知っている人はおらず、本人もヘッセの「車輪の下」等を読む暗い感じだったと話しています。
NaotoHayahsi 2013-12-06 21:28:49

そこで、当時有名な進学塾に入るためもあり引っ越しを繰り返し、持ち前の集中力で受験勉強をすることで、無事久留米大学附設高校に入学します。しかし、孫社長はこの高校を三ヶ月足らずで退学します。
NaotoHayahsi 2013-12-06 21:29:54

当時の心境を、田原総一郎氏とのインタビューで彼はこう述べています。東大に入ろうと思った。経済学をやりたいとおもった。しかし、東大の経済学部はマルクス経済学が主なで、一気に魅力を感じなくなった。そこでアメリカUCLA(世界最高峰の公立大学)の経済学部にいこうと。
NaotoHayahsi 2013-12-06 21:30:57

マルクス経済学というのは、共産主義の理論的な背景となる考え方ですが、韓国系の社会に亀裂を引き起こした考え方でもあります。共産主義を掲げる北朝鮮と、軍事政権だった韓国は当時から在日韓国人もまきこんだひどい対立を起こしていたのです。
NaotoHayahsi 2013-12-06 21:31:48

当時は今と比べれば、まだ共産主義国も多く、共産主義への理解は知識層を中心に十分あった時代ですが、孫社長は自らを取り巻く環境から、その欺瞞に気付き、そこから逃れる手だてを打つことに一生懸命だったのでしょう。周囲と制止も聞かず、アメリカへの留学を決めます。
NaotoHayahsi 2013-12-06 21:32:55

後に銀行借り入れができなくなる話の際にも出てきますが、当時父親がガンで倒れた孫氏が頼ったのは、母方の実家です。産廃処理業などで財を為していた母方の実家から、資金援助を受ける事でアメリカへの留学を果たします。
NaotoHayahsi 2013-12-06 21:34:21
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ここで、孫正義氏の交渉力がいかんなく発揮されます。教科書の内容はすべて理解できる。ただし日本語なら理解できるから、辞書を貸して、辞書で調べる為の時間を無制限にしろと交渉したわけです。もちろん断られます。そうすると上の奴を呼べと。そして最後は州知事まで出ての応酬。結局すべて通す。
NaotoHayahsi 2013-12-06 21:35:37

この孫正義氏の交渉力というのは、本当にすさまじいものです。韓国系の人でもみんながみんなこれができるわけではありませんが、今からは想像できないほどの差別を彼らが受けていた時代ですから、この交渉力はそうした屈折の中で生まれたと考えるのが自然です。
NaotoHayahsi 2013-12-06 21:36:19

たとえば、無理難題を最初に主張する。それが正しいと信じる。とにかく攻めの手を押し続けるというのは、在日韓国人の人々が日本社会で生き抜く上で身につけた代表的な処世術の一つとみて間違いないでしょう。
NaotoHayahsi 2013-12-06 21:37:19

日本人というのは、とかく細かいことばかり気にして大枠で物を見るということをしませんし、攻めが苦手で受けの一方です。受け身になりがちです。
NaotoHayahsi 2013-12-06 21:38:14

こういう人が多い社会でのし上がるには、とにかく大きな風呂敷を広げ、未熟な自分をそれに合わせて行く理不尽なほどの努力をすること。もうひとつは、ひたすら攻めて攻めて攻めまくり、攻めの姿勢を崩さないことが大事です。それだけでどうにかなるのが日本社会です。
NaotoHayahsi 2013-12-06 21:38:41

先日取り上げた徳田虎雄氏もそうですが、日本人というのはほぼ単一民族国家と言ってよく、99%は主張は控えめで空気を読む事を重んじる受け身な人たちですから、やたら押しまくる、なにが有っても押しまくる、どんなことがあっても攻めて攻めて攻めまくる人がいると対応に困ります。
NaotoHayahsi 2013-12-06 21:39:56

そういう人外な種族に遭遇すると、案外日本人はなにもできなくなりフリーズし、いつのまにか想い通りにされてしまうことが多いのです。これはこれからグローバル化を迎える社会の中で覚えておいて損はない教訓です。しかし、それにしても孫社長の交渉力はすごかった。日本を飛び越え世界級なわけです。
NaotoHayahsi 2013-12-06 21:41:02

そんなわけで編入から二週間ほどで高校は卒業。次は大学です。とはいえいきなり名門大学に入れる訳ではないですから、まずは小さな大学で、成績は全部Aを取りまくるというこれも人外ではない努力をします。周りはみんな母国で長く暮らしている人です。その中で通信簿5で揃えまくる訳です。
NaotoHayahsi 2013-12-06 21:42:28

それだけでも並大抵の努力ではないです。あと、日本のイメージと違い、アメリカの小さな大学は名門大学の研究者が教授を目指して武者修行で教えにくるので、使う教科書は最上位の大学で使う教科書と基本変わりません。レベルもめちゃくちゃ高いはずです。そのなかで通信簿5で揃えまくる訳です。
NaotoHayahsi 2013-12-06 21:43:29

これは並大抵の努力ではありません。そして、カリフォルニア大学バークレー校の経済学部に行きます。友達で行った子がいましたが、世界の公立大学の中ではカリフォルニア大学バークレー校は間違いなくトップクラスです。最高峰です。やばいです。並大抵ではないです。
NaotoHayahsi 2013-12-06 21:45:02

「音声機能付き他言語翻訳機」を考案。大学内で、マイクロプロセッサの権威、ソフトウェアの権威を訪ね歩き、製作協力を要請。報酬は「出来高払い」という悪条件で相手を説得し、試作機を完成させます。
NaotoHayahsi 2013-12-06 21:45:22

これは仕送りがなくても暮らして行ける為にするという目的があったそうです。韓国系の家庭というのは、基本的に自立を重んじるので、仕送りをするにしても渋い顔をされる事がままあります。そういうわけで、とにかく発明をして、お金を稼ごうと考えたそうです。
NaotoHayahsi 2013-12-06 21:46:12

この発明を売りさばく段には、当時九州で一番のパチコンチェーンを経営していた孫社長の父も大いに手伝ったようですが、それでうまくいくのなら苦労しません。実はこの時バーグレーのライバル校、スタンフォード大学と松下電器がすでに似たようなものを秘密裏に開発していたのが営業を苦戦させます。
NaotoHayahsi 2013-12-06 21:47:29

そこで孫社長は弁理士のツテをたどり、有名な電器メーカーの決裁権を持つトップを次々紹介してもらいます。紹介といっても住所と名前が分かっただけですが、ひたすら手紙を書きまくるわけです。
NaotoHayahsi 2013-12-06 21:48:20

蛇足ですが、どんな大企業のどんな偉い人でも毎日一通、三ヶ月で百通手紙を送れば間違いなく会えます。仕事の話もできます。私もゼロからベンチャーを立ち上げる時にこれをやりましたが、それで提携を取り新聞で紹介されたこともあります。(その後、どうなったかは古傷が痛むので書きませんがw)
NaotoHayahsi 2013-12-06 21:49:39

実際このときも、シャープの佐々木正専務を取り込み、彼が孫正義氏のファンになり、一億の特許収入を得る事ができました。この人は後に、ソフトバンクが銀行借り入れをする際にも力を発揮します。
NaotoHayahsi 2013-12-06 21:50:37

翻訳機で得た資金を元に米国にて会社を設立。従業員30人。ソフトウェア開発をし、日本のメーカーに販売する傍ら、日本より使い古しのインベーダーゲームを輸入し、コーヒーショップなどにリースする業務を始め、大成功を収めます。22歳です。私も22歳ですが、自分が恥ずかしいぐらいの成功です。
NaotoHayahsi 2013-12-06 21:51:44

この歳、孫社長は結婚します。日本人の医師の娘との結婚で、反対もされたようですが、バーグレーに通って数億規模の事業を成功させたという信用もあり、無事結婚へとこぎ着けます。まだ日本人と韓国人が結婚することが珍しい時代です。これほどまでの努力をしないと反対は免れない現実がありました。
NaotoHayahsi 2013-12-06 21:53:04

ここで、福岡に戻ります。孫社長の公演では、この後の一年半はどんな事業をやるか決めていたということになっていますが、実際には金銭勘定に厳しい韓国系の家庭でそんなことが許される訳もなく、パチンコ屋をアメリカから持って来たお金で買い取り、パチンコ屋の経営をしていたようです。
NaotoHayahsi 2013-12-06 21:54:11

この事実があきらかになったのは、佐野真一氏の「あんぽん」という本を執筆する際のインタビューによってですが、ここで明らかになる前まで、孫社長はずっとこの事実を隠そうとしていた節があります。
NaotoHayahsi 2013-12-06 21:55:10

日本のIT業界の創成期、お金を貸してくれる銀行なんてほとんどないわけですから、その原始資本はやはりそういう業界に頼らざるを得なかった実情があります。
NaotoHayahsi 2013-12-06 21:56:15

たとえばある有名なサーバー業者は、元々はパチンコや風俗をしていた家の生まれで、本人も自己啓発本やエステ、テレクラショップの経営で原始資本を貯め、プロバイダ、サーバー事業に乗り出したという例があります。
NaotoHayahsi 2013-12-06 21:56:43

もちろん起業家は、華々しい成功を納めると、こうした過去については極力言及しないものですが(あたりまえですね)、一方で起業を志す人間は、いま大成功している社長の原始資本がそういう業界にあることは知っておいた方が良いと思います。
NaotoHayahsi 2013-12-06 21:57:33

私も含めてとかく起業家というのは、いきなりwebサービスを当てて大もうけというようなビジョンを描きがちですし、それが現実になることもままあるのでそれはそれで幸せな事だと思いますが、一方でこうした一種世の中から蔑まされがちな業界での緒戦の成功が何を意味するのかは少し考えるべきです。
NaotoHayahsi 2013-12-06 21:58:42

テレクラにせよパチンコにせよそうなのですが、基本的に差別化が難しい業界です。テレクラなんて異性から電話が掛かってくるだけですし、パチンコなんてお金が入れて玉が出るだけです。こういう極めて差別化が難しい商売では、小さな事が大きな差になります。
NaotoHayahsi 2013-12-06 21:59:35

たとえば、トイレは隅々まできれいにする、たとえば、出玉が出たら、台から景品交換所まで一緒に運んであげる、いろいろな創意工夫がありますが、こういう細かい事の積み重ねが、後に大きなビジネスを成功させる基礎になるのではないでしょうか。
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:00:31

私は元々学習塾をやっていたのですが、学習塾で成功する講師というのは、頭がいい講師ではありません。誤解を恐れずにいえば、水商売での勤務経験がある講師です。教え子さんの小さな変化を読み取り、話す内容を変えたりする能力がとても大事です。
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:01:25

公言するかしないかはともかくとして、学習塾でうまくいった人というのは、水商売経験者はまちがいなく多いと思います。私が見て来た何人かの優れた講師がそうであったように。
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:01:52

蛇足ですが、そんなこんながありつつも、孫社長は「パソコンソフトの卸事業」を祖業に決めます。この時のことについて孫社長は次のように述べています。
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:02:32

ソフトバンクは、パソコン用パッケージソフトウエアの流通事業から創業しました。店舗にソフトウエアを陳列したり、在庫管理をしたりするという地道な事業でしたが、その時から私は、
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:03:14

「必ずマイクロコンピューターはパソコンだけでなくあらゆる電化製品につながり、通信により、世界中の人々が一瞬で知恵を共有し合える時代が来る。やがて来るそんな時代のために、われわれは新しい産業の入り口部分に取り組んでいる」
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:03:24

と考えていました。大切なことは、中長期のビジョンをしっかり持ち、いずれその分野の日本一、世界一の企業集団になるという思いを持ち続けることなのです。
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:03:30

皆さんはこれからソフトバンクグループで、さまざまなことを経験すると思います。実際に入社すると、毎日同じことの繰り返しでなぜ退屈なことばかりやらなければならないのかと思うかもしれません。しかし、創業当時のソフトバンクと同じで、物事には必ず最初に下積みがあります。
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:03:39

この体験は貴重で、ここから学び取ることは非常に多いと思います。そしてその体験を大きく生かすこと、またあらゆる物事を前向きに捉えることが成功への大きな鍵です。
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:03:45

こういう姿勢は、最近の日本のITベンチャーからは失われつつ有るものですが、しかし大事な姿勢だと思うのです。サイバーエージェントは営業代行から、LINE(旧ライブドア)は請負開発から、事業を開始しています。地道な仕事がちゃんとできてこそ、大きな仕事ができることを忘れちゃ行けない。
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:05:10

ところで、もしこれからインターネットで家庭教師を始めるとして大事なことはなんでしょうか? 講師集めと生徒集めです。川上と川下でそれぞれNo.1を押さえれば、間違いなくNo.1になれます。ここで孫社長が取ったのは、川上のNo.1企業と川下のNo.1企業と提携することでした。
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:06:21

言葉にして書くと楽勝のように思えますが、実際は大変です。当たり前ですが、川下だろうが川上だろうがNo.1企業というのは大きいのです。資本金も数万倍です。当然取引条件もよくない。早速ソフトバンクも窮地に陥ります。主要な取引先から保証金として三千万を要求されるのです。
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:07:47

アメリカで稼いだお金は、会社のお金ですから、当然次の事業に回されています。日本共産党の人は、よく会社の内部留保を給料にしろといいますが、会社のお金というのはそうかんたんに右から左に動かせるものではないのです。頭痛がします。こまったものです。こうなれば銀行借り入れです。
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:08:39

しかし、銀行というのは基本的に担保主義であり、保証人主義であり、売り上げ主義です。大企業と提携したんだから売り上げはあるでしょう? と思われる方が多いですが、実際大企業はそんなすぐにポンと売り上げをくれる者では有りません。提携するだけ事案も山ほど有るのです。
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:09:56

ソフトバンクの当時の損益は月百万円〜二百万円の赤字でした。ベンチャーはどこでもこんなもんです。うまく行っているように思われていれば思われているほど、実は出費はかさんでいるのです。なにも勝負してない社長を見て羨ましく恨めししく思う事も一度や二度ではないのです。
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:10:57

「無担保、無保証、金利はプライムレート」こんな感じで借りるしかありません。ベンチャーは。最悪お金を返せないとき金利だけ払っていれば、次に返済を飛ばすこともわりと楽にできるのですが、金利が高いとその金利だけでもつらいことが多いのです。だからプライムレートです。
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:11:47

とはいえ、こんな気の狂った条件で貸してくれる銀行は普通有りません。シャープの佐々木専務が保証人になるといい、どうにかこのときは急場を凌げたというのが現実でした。
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:12:37

しかし、その後も資金はどんどん無くなります。住友銀行に借りに行った時のことです。孫社長の名刺を見て「珍しい名前ですね」と嘲笑った支店長がいたようです。この日から野村證券から北尾現SBI会長を招聘するまで、ソフトバンクは一切住友とは取引をしなかったそうです。
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:14:01

しかし、取引をしないんだといっても、お金がありません。この時は、母方の産廃処理業を営んでいる親戚から株式と引き換えに3億の出資をうけ事無きを得たようです。ソフトバンクは基本的には銀行借り入れで資金調達をするのが常道で、いまでも孫社長は圧倒的大株主です。
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:15:01

つまりこの時、株を売ってまで資金を集めたというのは、よほど窮地だったのだといわざるをえません。そういうキツい状況を乗り越えながらも、孫社長はがんばり抜いたのです。
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:15:43

期待されていたソフトの卸売りも最初からうまくいったわけではありません。大阪でエレクトロニクス関連の見本市が開催され、いちばん大きなブースを800万円かけて確保。それをソフト会社十数社に無料で提供。しかしソフト会社の裏切りで、開催期間中、契約は1件も結べずということもありました。
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:16:33

しかし、そういう苦難を乗り越えながらもどうにか、ソフトバンクは成長軌道に乗って行きます。慢性肝炎からの生還、YAHOO!の大成功、そして音楽業界というぐちゃぐちゃな業界で巨万の富を築いたリチャードブランソンがそうであったように孫社長も規制業界を主戦場にすることに決めます。
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:18:25

それが、通信事業・携帯電話事業です。リチャードブランソンや孫社長が規制産業を主戦場とする理由は簡単です。参入するのは確かに大変ですが、一度参入すればライバルは少ないので、競争が楽で、一気に規模を伸ばせるからです。そう、参入するのは大変なのです。
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:19:38

リチャードブランソンがBAとの抗争に明け暮れたように、孫社長もまた政府と闘わなければいけませんでした。しかし、この時もうすでにKDDIのような民間の通信事業者も通信業界に参入していました。なにが孫社長の台頭を妨げたのか。これはまたしても民族差別の壁なのかもしれません。
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:20:50

まずソフトバンクが通信事業に参入するとき、ネット上では彼の出自を問題とする意見が非常に多かった。朝鮮人に通信事業をやらせてたまるか!というわけです。孫社長はある段階で帰化しているので、彼は正確には韓国系日本人なのですが、ネットの人たちにとってそんなことは関係ありません。
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:22:47

あと別に通信事業に限った話ではなく、たとえば終戦後にロッテがガム業界で一位になったときもライバル社からは相当「朝鮮人にガムをつくらせてたまるか!」という議論があったのですが、なにかとやり玉に上げられるのが民族差別の特徴です。理由はなんだっていいのです。
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:23:41

さらに運が悪い事に、このときの総務大臣は差別主義者として知られる麻生大臣でした。彼はある有名な被差別部落出身の政治家が政界を引退する際にもひどい差別発言をし、頭は悪いのに生まれの良さを鼻に掛けている本当にいけ好かない政治家です。
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:25:19

ところが、その後郵政民営化などの流れで、総務大臣は竹中平蔵氏に代わりました。彼は言うまでもなく市場の働きを重視する政治家の一人であり、かつ和歌山の靴屋の息子として、庶民から這い上がりこれほどまでの地位を築いた賢明な学者でした。そういうこともあり、孫社長に許認可を与えたのです。
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:26:35

こうして、その後も行政訴訟をたびたびちらつかせたり、実際闘ってみたりしながらもソフトバンクは急成長を遂げて行きます。これまでの過程で、ソフトバンク・孫社長が非常に勝負強いことは理解できましたが、実際の個別具体的な例でどのような闘い方をしたか見て行きましょう。
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:27:47

キーワードは数字の見せ方です。孫社長のプレゼンはとかく数字の見せ方が巧いといわれる反面、どうにもうさんくさい、本当なのかどうかわからないといわれる点があります。今日はそのあたりを検証しながら、最後になぜ孫社長は巨象に打ち勝てたのかについて総括しましょう。
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:28:53

まず最近だと、1.つながりやすさNo.1という広告が消費者の失笑を買いました。ソフトバンクがつながりやすさNo.1なわけないよなと実際の利用者の私でさえ思いましたが、よくよく考えてみると最近つながりやすくなったような気もしてくるから不思議なものです。
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:29:45

実際このつながりやすさNo.1についてはさまざまな疑問が提起されています。代表的な記事を紹介してみましょう。
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:30:50

ソフトバンク「つながりやすさ No.1」とは何だったのか -- 都道府県別 “つながりやすさ”満足度調査http://t.co/kii3JXpr0n
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:31:00

ソフトバンクのスマホは本当にバリバリなのか? “つながりやすさ”でしのぎを削るキャリア各社の虚実http://t.co/UzwbNLMJ8Q
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:31:59

次は、現在では改善されましたが、かつては債務について書く時に、2.リース債務除くという記述がありました。これについての記事をみてみましょう。
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:33:26

孫正義の実質20倍界王拳~純有利子負債とは?~http://t.co/yREIJI6Qaw
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:34:42

最後は、3.純増No.1についての話です。これもソフトバンクの決算発表なんか見ると良く出ています。
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:36:52

ソフトバンク「純増数1位」に秘められたカラクリ
http://t.co/ReRIKnp6qf
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:37:36

ソフトバンク純増数トップで絶好調への疑問〜抱き合わせ販売、高額追加代金に不満殺到?http://t.co/A75mDBcOW3
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:38:07

純増についての嘘とデタラメ、そのカラクリ。ソフトバンク。http://t.co/xCbQOxCNgV
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:38:20

ソフトバンクのやり方って、ナチスドイツみたいhttp://t.co/9NdDjv2fVK
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:39:00

毎月の契約数発表を取りやめへ 限界の「純増経営」と低価格路線http://t.co/5rQWBz3GRv
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:39:14

携帯純増数 ソフトバンクが19カ月連続トップのウラ事情http://t.co/abDD7CnT5s
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:39:48

携帯キャリアが競い合う“純増数”のカラクリ 首位はソフトバンクだがスマートフォン販売数はドコモが1位http://t.co/g4W9opL6Tw
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:40:09

つまりまとめると、1.つながりやすさNo.1 というのはデーター通信についてだけでなく通話についてで、キャリアごとの実験条件も違い、さらに自社関係の機関を使った発表で、2.リース債務除くというのは、借金を実際より少なく見せる見せかけで3.純増No.1というのは抱き合わせ販売の為。
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:41:18

と、こういう批判なんですが、たしかにプレゼンの見せ方としては、さすが幾多の危機を乗り越えて来ただけあってうまいなぁと思うわけです。
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:41:47

ここらあたりの総括はかなり難しいのですが、私は事業を行う上で、急速に成長する上で、ウソはもちろんいけないけれど、多少誤解を招く表現はあってもいいのではないかと思うのです。誤解を招いてしまうのは、見ている側の努力不足・勉強不足の問題ですから。
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:42:52

私が、それなりの高校を出て、それなりの大学に行ってみて良く分かるんですが、日本人というのはどうも上にいけばいくほどレベルが低いし勉強しない気がするのです。日々の生活を真面目に営んでいる普通の人、さほど成績も良くなかった同級生は一生懸命働いている。
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:43:47

その反面、国家単位の政策に関わるような人や、大きな仕事を任された人が自堕落な生活を送り、真摯な努力をせず、日々の安定した収入と地位の中で努力を怠っているような姿を、私は何度も見た事があります。とかく日本人は上にいけば行くほど仕事をしなくなる傾向があります。
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:44:46

そういうなかで、例えば孫正義社長や徳田虎雄氏のような人というのは、もちろん褒められないこともしているかもしれないけれども、自分の限界ぎりぎりでがんばっている。
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:45:21

私はよく慶應に行った教え子さんから相談されます。クリスマスどうすれば彼女ができるのか。私は言います。街に出て声を掛けなさいと。
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:46:31

ところが教え子さんはいうわけです。もうすこし痩せて、英語が話せて、ふさわしい人間になってからの方が良いのではないかと。そんなことはありません。まず飛び込むことが大事です。飛び込んでみてそこで死なないように死ぬほど頑張ることが最短への道です。
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:47:12

たとえば、ソフトバンクの孫正義氏にしても、徳田虎雄氏にしても、分相応なんてことははなから考えていないわけです。孫社長もいきなり最初の企業で大企業と提携をし事業を拡大しました。徳田虎雄氏もいきなり70床の病院をつくったわけです。
NaotoHayahsi 2013-12-06 22:48:03

こういう、大きな服に合わせて、自分の身体を大きくしていくような行動のあり方、成長のあり方にもう少し寛容な社会であってほしいと思うし、大きな服に合わせて、自分の身体を大きくしていくような行動をする人が増えてほしいと私はつくづく思います。