今日のお題は「ブラック企業への就職おめでとう! 〜あるいは、ブラック企業への就職が成功への近道である理由〜」ということで。なぜブラック企業が生まれるのか? ブラック企業がなぜ成功への近道なのか? 労働組合・労働基準法とは何か? ホワイト企業のブラックな側面についても紹介します。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:18:50

まず、ブラック企業ってそもそもなんなのかという話について。ブラック企業というのは、やたら労働者を長く働かせて、彼らが得た利益を、不当に経営者が分捕り、極めて安い給料で長時間労働させる理不尽な職場のことを言うそうです。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:21:05

まぁ、本当に価値ある人材ならそんな職場さっさと辞めて転職すればいいのにとか、いろいろ思うところがないでもありませんが、そもそもどうしてブラック企業が生まれるのでしょう。創業間もない企業ならまだしも、どうして名のある大企業でもブラック企業になるのか。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:22:18

そもそも、大企業が中小零細企業よりも遥かに仕事を進めやすい理由なかなり大きな部分としてブランドイメージがあります。仕事というのは、1+1が2になるのであれば組織を作る必要なんてないわけです。1+1が3にも4にもなるから組織を作り仕事をする必然性が生まれる。大企業はその最たる例。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:23:39

たとえば、はやしの居酒屋ではちょっと怖くて入りにくい。何出されるのかもわかったもんじゃない。それがワタミだったら安心。きっとおいしいだろうなと入れる。はやしのフリースではすぐに壊れそうで買いたくない。それがユニクロのフリースだったら安心。それがブランドの価値です。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:24:35

しかし、もし仮に(仮にですよ!)ワタミやユニクロがひどい条件で労働者を働かせたら、ワタミなんて店員(特に店長)いつも死にそうな顔してるし行きたくないなというふうになりかねませんし、ユニクロも遠からずそうなります。そもそもそんなところで働きたくないですからバイトも集まらなくなる。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:26:05

労働者をひどい条件で働かせてブラック企業だと言われる事は、大企業の経営者にとってはなるべく避けたいわけです。業績がちょっとでも下がるとすぐクビになるサラリーマン社長・雇われ社長にとっては絶対に避けたい。彼らは利益が上がっても、自分の給料はさほど上がらないので大過なく過ごしたい。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:27:22

ところが、利益が上がるならブラック企業といわれてでも、とにかく給料は切り詰めたいという人たちが居ます。それがオーナー経営者です。自分で株の大半を持っていれば、利益が上がれば、その利益のかなりの部分が自分のものになります。だから多少リスクがあってもブラック道へと突き進むのです。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:28:24

実際、ブラック企業だと名指しされている会社のほとんどは大企業であれ中小企業であれオーナー企業です。誰かまだ生きている人が一代で築き上げた企業です。こういう会社の一例として、ワタミを見てみましょう。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:29:49

このグラフは、ワタミの対前年比の業績推移です。見事に創業者の渡邉美樹氏の名前が入っている業態だけが前年比割れしています。ことほどさようにオーナー企業におけるオーナーの存在は大きい。そしてオーナーの評判がそのまま業績にも現れる一例です。 http://t.co/O0qaB5EEJ8

NaotoHayahsi 2013-12-05 04:31:03

さらに月別業績推移を見て行くと、7月からの業績の落ち込みが急激です。実は私もこの時期から友達と飯を喰うにしてもワタミにだけは行かなくなりました。理由は単純に仕事で失敗してお金が無くなったというのもありますが、先輩のおごりでも行かない。 http://t.co/1mB7JQ8G12

NaotoHayahsi 2013-12-05 04:32:41

理由は簡単で、7月からのワタミでは、やたらめったら創業者の渡邉美樹氏の自民党のポスターがぺたぺた貼られるようになったからです。私はカレー味のうんこかうんこ味のカレーぐらいかの感覚で他の政党よりは自民党がマシなので自民党支持ですが、友達の中にはそうでない子もいます。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:33:51

そうすると気まずいのです。飯を食う場所なのに気まずい。非常に気まずい。まして酒が入るわけですから余計に気まずい。友達と喰っているのに気まずい。そういう理由でワタミには一切行かなくなりました。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:35:03

食事の場で政治・宗教・野球・職業・年齢の話をするのは私のような接客業出身の人間からすると御法度だからです。少なくとも私は絶対にしません。それなりに自分なりの政治的な考え方もありますが、それを押し付けたり、ましてそれに言及することは絶対にしません。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:35:41

こんなこと、世知に長けたワタミの人たちなら分かっていたはずです。飯を喰ってまして酒を飲む場で政治の話は禁句です。にもかかわらず創業者が選挙に出るとなると、お客さんが居る場所にポスターを貼り始めた。こういうことが起きるのは、オーナー企業が創業者の利益を極大化するためにあるからです。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:36:53

しかし、ブラック企業といわれるオーナー企業の労働条件が悪いのは、オーナーの利益を極大化しているからだけではありません。そもそも問題として、一代で大企業に出来るような業種というのは、労働条件が悪くなりがちなのです。どういうことか詳しく説明していきましょう。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:38:29

たとえば、儲かりそうな仕事といわれて、みなさんはどういう仕事を想像しますか? 競争相手が少なくて、人々に絶対必要とされていて、そんでもって将来の競合や消費者のニーズの移り変わりに左右されなさそうな商売です。たとえば石油コンビナートなんかがそれです。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:39:32

しかし、いまからはやしが石油コンビナートを作ろうと思っても、それは実現できるでしょうか。おそらく不可能です。仮に「はやしコンビナート」が出来たとしても、出資者は別にいるはずですから、自分のオーナー企業にはなりません。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:40:22

つまりブラック企業といわれるオーナー企業は、石油コンビナートのようなおいしいビジネスではなくて、競争相手がやたら多くて、消費者のニーズがやたら変わって、将来もいっぱい競合が出てきそうな商売からしか生まれないのです。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:41:25

たとえば、私はもともと学習塾をしていて、いまはシステム開発の会社をしていますが、この二業種なんかは典型的です。誰でも働けるし、誰でも起業できますが、三年持つ人は労働者側でも半分居ません。経営側だともっと少ないでしょう。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:42:26

あと、私は会社失敗したら責任とって水商売でもなんでもやると決心していますが、水商売全般もまたそういう分野です。誰でも働けますし、誰でも起業できますが、三年持つ人は半分居ません。一割もいないと思います。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:43:33

どうしてこういうことになるのか。学習塾もシステム開発も水商売も構造は一緒なんですが、たとえばスター選手が居て、その人が独立する。そのうち一人では回しきれなくなってたくさんスタッフを雇う。ところがスタッフがスター選手であるオーナーほどには仕事ができない。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:44:23

結果仕事の質が下がる。お客さんがこなくなる。倒産。これがだいたい学習塾でもシステム開発でも水商売でも失敗する事例の典型例です。ですから、ワタミがあそこまで大きくなったのはひとえにオーナーである渡邉氏の教育手法がずば抜けて効果的だったことによります。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:45:27

こういう多数乱戦業界の特徴は他にもあります。マイケル・ポーターという経営学者がその条件をまとめているので、少し長くなりますが紹介します。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:46:21

まずは、参入障壁の低さです。飲食店は誰でも開業できます。3万円ぐらいで廃車のトラックを譲り受けて、家で料理を作って、ランチ営業をしているワタミの隣で弁当でも販売すれば、明日からでもワタミのランチ営業の売り上げを激減させることができるでしょう。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:48:06
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つまり参入障壁が低いということは、同業者との闘いだけではなく、代替品・新規参入の脅威に常におびえ続けなければならないということです。これほど恐ろしい事はそうそうありません。しかし、こういう業界だからこそ個人でも独立できるし一代でオーナー企業を大企業にできるのです。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:49:33

二つ目は、規模の経済、経験曲線がきかないということです。たとえば工業製品を作るなら大量生産すればコストは安くなります。部品一つあたりの金型代や工業機械のコストが劇的に下がるからです。しかし、ワタミは違います。多少食料の仕入れ値は下がりますが、人件費は店を増やしても変わりません。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:51:12

あと、経験が蓄積されるというわけでもない。基本的にバイト労働者を中心とした陣容ですから、日々教育しつづけないと店の接客レベルはあっという間に下がってしまう訳です。こんなに恐ろしいことはないと思います。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:51:55

高い輸送コストもあります。食材のようなかさばるものをあっちゃこっちゃに輸送するわけですから、めちゃくちゃ手間が掛かります。顧客が居る場所に店舗を借りないといけないわけですから、そのコストも掛かります。これらのコストも別に店が1店舗でも1000店舗でも変わりません。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:53:32

在庫コストが高いのもきついなーと思います。居酒屋のような業態というのは、いろんなメニューを出すために、めちゃくちゃいろいろな材料を仕入れているわけです。私だったらこういう商売は絶対しません。毎日一品しか絶対出さない。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:56:10

あと、売上の変動が大きいのもきつそうです。忘年会・新年会あたりでかなり売り上げても、暇な時は暇そうです。ワタミがどうして仕事きつそうなのに、辞めないで残っている人がいるのかという話をすると、実は働いた事がある人に聞くとこれが大きいらしいです。暇なときはかなり暇らしいです。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:57:04

買い手や供給業者が強すぎて大手でも取引が有利にならない。これも居酒屋にはかなり当てはまると思います。飲んだくれ(orその直前)のビジネスマンというのは非常にたちが悪い。私も先輩のお供で何件かご一緒させていただいた事があるんですが、すごい値引きをさせるわけです。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:58:02

どうも買い手が強くて、お客様にへこへこしないといけなくて、きつい商売だなと思ったのを覚えています。ついでに私はワタミの渡邉氏の著書は大好きで、よくスタッフにもプレゼントしているぐらいですが、利益が低くお客様にへこへこしないといけないので人間性が高まると思って居酒屋を始めたそう。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:59:12

私のように人間性を高めることにはあまり関心のない人間にとっては、なんか凄すぎてコメントしようがありません。次行きましょう。
NaotoHayahsi 2013-12-05 04:59:46

規模の不経済性が致命的。これは一番最初に紹介しましたが、多分すごく大きい要素です。多くの場合、商売では大きいことは良い事です。会社が大きければ大きいほど取引は有利になるし、スタッフも良い人が入ってくると信じられています。しかし本当にそうでしょうか?
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:00:36

たとえば、学習塾だと規模が大きくなることは倒産要因の最も大きな一つです。先生が増えると、玉石混淆になり、質の悪い先生が増えて、評判が悪くなり、大手の予備校がある日突然潰れるというのはよく見る光景です。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:01:21

居酒屋でもそうでしょう。たとえば塚田農場というやたらサービスのいい居酒屋があり、最近先輩に連れて行ってもらいましたが、すごい居酒屋だと思う反面、いつまでこんなにいいスタッフさんを確保しつづけ、教育しつづけられるんだろうという思いにもとらわれました。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:02:03

ディズニーランドもそうで、いかに素晴らしい接客をしているかを働いている友達づてに聞いた後に、友達と遊びに行ったら、期待はずれの接客を受けて、かなり不機嫌になって帰った事がありました。こういうふうに大規模化すると、?と思うような接客を受ける事はよくあるのです。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:03:11

つまり、大規模化しすぎるとそれだけサービスの質が下がる。これは避けられないことなわけです。人間がやっている訳ですから、どんなに教育しても組織が階層化し、細かいところまで目が届かなくなると、それだけサービスは下がります。そしてそれが致命的になるのが接客業です。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:04:34

どんな社長だって自分の会社を潰したいバカはいません。どんな社長だって自分の会社が100年続く会社でありますようにと心から祈っています。しかし、実際には接客業では日々新しいヒーローが生まれ、かつての大手は倒産企業になります。それは接客業にとって大規模化は倒産への道だからです。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:05:35

どんな品種もつくれる製造設備で個々のユーザーに合わせて注文生産しているというのも、接客業にはありがちな問題です。とかく、お客様は神様です、お店はお客様のためだけにあるという考え方で店を運営しているとメニューが増えすぎる。結果コストもかさむし、利益は低くなるのです。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:06:24

学習塾でも大規模化するとこういう事があります。私はAO入試を専門にしている塾をしている友達に一般入試もしようかといわれたときに反対したことを昨日のことのように覚えています。お客さんがなんと言おうと、専門特化したほうが倒産の危険性は減ります。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:07:18

ワタミにしたところで、お客さんがいろんなメニューがほしいというから、いろいろメニューを用意したのに、ふたを開けてみるとそいつが地鶏一本の塚田農場に通い始めたりしているわけです。そういうこともあり、最近では専門特化に舵を切り始めました。あの桑原社長は相当な切れ者です。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:08:17

あと、あふれんばかりの創造性が売りものという業界も考えものです。個人の才能に大きく依存するからです。これは食い物屋であるワタミも、服のユニクロもそうです。こういう分野というのは、商品の善し悪しがかなり個人の創造性に依存するのです。だからよくない。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:09:18

作業現場に密着して管理監督しなければならないというのも、他人任せの経営が普通はできないので拡大が困難な業種の一例です。飲食業界やアパレルではとりあえず店長を粗製濫造して対応するのですが、やはり限界があります。実はワタミやユニクロのような会社の肝は社員教育にあります。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:11:15

人手によるサービスが事業の決め手というのも競争がきつくなる要因です。どんなにがんばっても、細かい行き届いたサービスができるのはやはり小規模なほうに分があります。どれだけサービスするか、どういうメリハリでやるかはマニュアルでは網羅しにくいからです。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:12:07

そもそもやはり利益が全部帰って来るオーナーと、給料をもらう(それもさして高い給料ではない)スタッフではモチベーションが違います。これがサービスの差になります。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:12:50

地元というイメージや地元との結び付きで事業が成立する場合も厳しい。これも飲食業だとよくありがちです。たとえば私は仙台出身ですが、うまい牛タンや刺身がない店にわざわざ足を運ぶ気にはなれません。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:13:45

特に仙台に居るときはそうです。ワタミがどんなに素晴らしい流通か分からないけれど、日本で一番おいしいカキは、石巻からもってきた採れたてのそれだと信じている宮城県人です。やっぱりそういうのが求められがちな業界では大規模化は難しい。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:14:35

受験産業もその一つです。なんで各県によって強い塾がぜんぜん違うのかというと、その地域を代表する進学校の試験に合わせた対策をできる塾がそれぞれ違うからです。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:16:10

多様な市場ニーズというのも頭がいたい問題です。お客さんの好みがてんでばらばらなわけですから大きなシェアは取りにくいわけです。これは自動車なんかとは違うわけですね。自動車なんてどんな高級車だってベンツに似たり寄ったりですから。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:17:23

いちじるしい製品差別化がある業界もそうかもしれません。これは飲食にはどれだけ当てはまるかはむずかしいですが、創作料理なんかはその時々の流行はありますが、相当に独特だよなとは思います。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:18:14

撤退障壁がある業界も難しいようです。たとえば、学習塾だと一年契約(場合に寄っては暗黙の多数年契約)でお金をもらっているので途中で辞めたくても辞められません。飲食業でも弁当の契約を企業向けにたくさん持っていたりすると、辞めるに辞められないでしょう。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:19:19

各地域の条令で小さな店が保護されている場合もそうです。床屋さんなんかはそうですね。こういう業界で多店舗展開をするのはすごいキツいことが多いです。ついでにいうと、学校とか病院もこれにあたります。ただ逆にこういう業界は政治家と癒着しているとすごい儲かる業界でもあります。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:20:26

政府による企業集中の禁止も似たようなものでしょう。あと、新規業界もそうです。これは私がいるインターネット家庭教師の市場なんかもそうですが、とにかく多数乱戦です。こういう業界で勝つ秘訣はまた別にあるのですが、それはまた今度の話としましょう。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:21:26

こういう多数乱戦業界でしか一個人は独立できないことが多いのです。そして、こういう多数乱戦を引き起こす要因によって、利益率はかなり低い事が多い。というか、労働基準法をまともに守っていたら利益が出ないような業界であることが多い。しかし、こういう業界にもいい点が一つだけあるのです。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:24:28

それは起業しやすいことです。そもそも小企業が有利な業態なわけですから、ブラック企業といわれる会社のオーナーというのは従業員を独立させることにはかなり積極的です。そういう制度を設けている会社もあります。(ワタミやエルグラントなど)
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:25:35

こういう多数乱戦業界で勝って来た会社というのは、相当なノウハウの塊みたいな会社ですから、いわれた通りのことを、給料で働くスタッフの数倍の熱意でやっていれば、あとは多少の初期投資とリスクの覚悟さえすれば、経済的にも報われる・成長できる可能性はかなり高い。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:26:47

「実務経験5年以上、店長又は調理長経験3年以上などの条件を満たす社員は 5,000万円上限の無担保融資を受け、フランチャイズ店として独立できる制度があります。 28歳で独立した先輩や、すでに70店舗を経営し、株式を店頭公開した先輩もいます。」
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:28:44

http://t.co/1LAXDEWw91
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:29:27

「1年間「DFC研修」を受け、審査を受けて合格することで、独立できる制度です。店長を経験し、研修をクリアした社員は、この制度を利用し一国一城の主、つまり社長として店舗経営をスタートさせることができます。」http://t.co/jb2qNAUVGE
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:30:19

「たった一度きりの人生、思い切り挑戦し、夢を掴め!」http://t.co/KDHkzirMXC
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:31:35

「アイ・イーグループが提案する独立・起業のためのプロジェクトの審査に合格した社員に対して、 勤続中の会社への貢献度に応じて、独立時に優遇支援をする制度です。 」http://t.co/Hocbg4ETQq
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:33:30

こんな感じで、多数乱戦業界で覇者となって企業は、多くの場合従業員向けの独立支援プランを持っています。そのため、ブラック企業といわれる大企業で一生懸命働けば、心持ち次第ではかなりの確率で経済的にも報われ、仮に報われなかったにしても仕事での経験が次の職場で役立つはずです。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:35:44

とはいえ、誰もが億万長者を目指している訳ではないし、できるだけゆっくりのんびり過ごしたいという人がいることも確かです。皆が休む間もなく働いていたら消費する人がいなくなり、それはそれで商売人にとっては困ります。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:36:41

なので、ここからはちょっと趣向を変えて、そもそも労働組合ってどうしてできたのか、そしていま話題になっているブラック企業が破っている労働基準法ってそもそもどういう法律なのかというところについて説明していきましょう。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:37:27

労働組合は日本でも戦前からあったのですが、戦後とくにその力が強くなったのは占領軍の考え方があります。つまり、労働者への分配を増やし、それなりに豊かな人たちの層を厚くすることで、日本人にもいろいろな商品を売れるようにすれば、日本の会社は儲かるのではという考えがあったのです。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:38:56

焼け野原で、ただひたすら成長するしかない時代ですから、経営者の中でもこういう考え方を支持する人は多かった。たとえば松下幸之助氏は労働組合の結成式に進んで出席したことで有名です。ちょっと長くなりますが引用しましょう。http://t.co/zhhNEHsVhO
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:40:59

昭和20年8月末、マッカーサー元帥が指揮する占領軍は、日本進駐に当たり、GHQ(連合国総司令部)を設置、日本をその完全な統治下におき、次々と非軍事化と民主化政策を打ち出した。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:42:17

10月には、成立早々の幣原内閣に労働組合結成奨励を含む民主化5大改革を指令した。12月には、労働組合法も公布されて、戦時中抑圧されていた労働運動に火がつき、組織化が進んだ。しかし社長追放など過激な運動を起こす組合も多く、憂慮された。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:42:30

松下電器でも、伝統ある歩一会に代わって、15,000人、42支部からなる松下産業労働組合(昭和22年に松下電器産業労働組合となる)が結成されることになり、昭和21年1月30日、大阪の中之島中央公会堂で、結成大会が開催された。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:42:39

社主は、招かれないまま、進んでこの大会に出席し、祝辞を述べた。 「この組合の結成により、わが社の民主経営に拍車がかけられると思う。これを期して、全員一致して、真理に立脚した経営を行っていきたい。正しい経営と正しい組合は必ず一致すると信じる」
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:42:47

短いながらも、従業員に全幅の信頼を置いたこの訴えに、大きな拍手が起こった。この成り行きは、来賓の、労働運動の闘士たちにも予想外のことであった。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:42:55

こういう松下氏の行動は後に語り継がれる経営の神様の伝説の一つになったわけですが、そもそもある程度の収入がないと買えない電化製品を作る会社にとって、そこそこお金を持っているサラリーマンの存在は必要不可欠だったという側面もあります。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:43:42

当時の日本製品はアメリカなどではまだ粗悪品の代名詞でなかなか売れない。そういうなかで国産品を買うのは日本人しかおらず、その日本人がある程度お金を持っていないことにはどうしようもなかったというどうしようもない理由で松下氏が労働組合の結成を歓迎したという側面も。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:44:46

そのあたりの話は、プロジェクトX 挑戦者たち ~トランジスタラジオ 営業マンたちhttp://t.co/qZaPbz4QRoに詳しいです。もしよかったら見てみて下さい。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:45:46

ところが今は、ある程度グローバル化が進展して、売るのは別にもっと購買意欲がある発展途上国の人でも良くなった。作るのももっと労働力として安い発展途上国の人でも良くなった。もっと安い生産拠点と、もっと豊かな市場をもとめて、資本主義の妖怪は彷徨い歩くわけです。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:47:06

そこに先進国の悲しさ、資本主義の悲しさがあります。私は自由で機会に溢れているこの世界が好きですが、一方でマルクスが資本論で予言したような世界、独占資本が生まれ、限りなく高い値段で商品を売り、限りなく安い値段で労働者を買いたたくような社会というものの予感を感じないでもない。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:48:42

ただ、一方でそういう独占資本が生まれて、競争もなく、限りなく高い値段で商品が売られ、限りなく安い値段で労働者が買いたたかれるような社会ではなくするためにも、起業が盛んであることは必須だと考えています。世界に人の心を魅了するような創造性なり芸術性があれば独占資本は生まれません。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:49:58

さて、パナソニックを創業した松下氏がやむにやまれぬ理由もあり賛同した労働組合の運動、そしてそれを理論的に支えている労働三法の中でも、特に大事な労働基準法とはどういう法律なのでしょうか?
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:50:54

結構多くの人がワタミなどでやっている独立制度やそれによってお金持ちになった人の存在、あるいは労働基準法で定められているルールそのものを知らずに、イメージだけでブラック企業ブラック企業と叩いているところがあるので、今回は労働基準法についても、条文一つ一つ取り上げて行きます。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:51:59

たとえば、第九条の労働者の定義のところなんかは議論があります。店長は会社側の人間だから労働者でないからいくらでも働かせてもOKという議論がありますが、実態としての雇用契約(民法623条)という考え方からすると違うのではないかという議論もあります。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:57:12

労働者というのは、使用者の指揮命令を受けて労働力を提供し、その労働の対価として賃金を支払われる者という考え方が一般的です。なので指揮命令の代表的なものとされるシフト組で強制力が働いているとか、出来高ではなく時間高で給料が払われる場合は労働者と見ていいでしょう。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:58:08

あと、13条のこの法律で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする。という規則も大事です。各職場で就労規約があるはずですが、この法律が上位概念としてあるので、この法律にひっかかるものは違法という考え方もできます。
NaotoHayahsi 2013-12-05 05:59:21

そういう意味でいうと、ホストクラブ始めとする水商売というのは結構めちゃくちゃです。遅刻したら罰金があるという意味ではシフト組の命令指揮系統があるし、しかし扱いは個人事業主です。このあたりの判例ってどうなってるんでしょうか? あるいはやっぱし別の法律というか何かがあるのでしょうか?
NaotoHayahsi 2013-12-05 06:00:54

実はいま水商売の話を書いてみましたが、これは別に思いつきではなくて、法律ってそもそもどうして守られるのか?という根本的な部分での話です。法律をなぜ守らなければならないのか? いろいろ理由はありますが、大きな要因の一つとして罰則があるからです。
NaotoHayahsi 2013-12-05 06:01:47

この労働基準法にも罰則はあるわけですが、しかし罰されたという話を身近でもあまり聞いた事がない。一方で、水商売の場合はなにかトラブルが起きたらそういう人が出て来てそういうことになるわけですから、これはやはり水商売の世界の中でのルールは守ろうという流れになる。
NaotoHayahsi 2013-12-05 06:03:11

つまり法律を守らせる上では、罰則があるかどうか、あとはしっかりその罰則が適用されているかどうか、無罪放免・黙認になっていないか、労働基準監督局が仕事してるかというのが極めて大切だということが、これらの例からよくわかります。労働法を考える上で、こういう視点は必要不可欠です。
NaotoHayahsi 2013-12-05 06:04:18

あと、前借金相殺の禁止とか、強制貯金の禁止とかも明記されています。あと入試に出てくるのは、40時間を超える労働の禁止とか、週1日は休みが必要とか、このあたりでしょうか。ただし三六協定で例外が認められることもあります。http://t.co/3l7cRMcJRg
NaotoHayahsi 2013-12-05 06:07:52

たとえば、ワタミの場合だと問題になったのは、この三六協定を結ぶときに、ちゃんと労働者代表と契約したりしなかったとか、そういう手続き上の問題があります。ついでにいうと、三六協定を結ぶと実質的には労働時間の上限がなかったりするので、これはザル法とも言われています。
NaotoHayahsi 2013-12-05 06:09:40

ですから、実際仮に労働基準法を全部守ったとしても、相当ブラックな職場というのはたしかに出来るものなのです。だからといって、法律違反を野放しにしてはいけないのですが、やれ法律だなんだとうるさいことを言うよりは、30代で余裕と言えるように20代のうちは仕事しかしないのも一つです。
NaotoHayahsi 2013-12-05 06:12:43

あと、労働時間が1日8時間、週休2日、給料は良い。こういう職場をホワイト企業というそうですが、こういう職場が良い職場なのかどうかと聞かれると果たして疑問です。
NaotoHayahsi 2013-12-05 06:13:42

いくつか理由はありますが、まず一つには、この職場がなくなって、35歳過ぎだと、転職のアテがないからです。生活保護なんて窓口で阻止されるかもしれませんから、そうすると最後は野たれ死ぬしかありません。
NaotoHayahsi 2013-12-05 06:14:27

そうならないためにも、ある程度ハードな職場で、うまい飯作るとか、エンジニアリングの技術を磨くとか、ぼこぼこ難関大学に教え子様を合格させるとかして、喰って行くには困らない技術を身につけることはやはり大事なことではないかと私個人は考えています。
NaotoHayahsi 2013-12-05 06:15:16

あと、仕事が苦痛で休日が楽しみというような考え方から、労働組合活動をしたり、あるいは労働法にうるさかったりする人をたくさん見てきましたが、私はそういう考え方もどうかと思います。仕事はたしかにつらくて苦しいものですが、それが楽しいと思えたら人生は楽しくなるはずです。
NaotoHayahsi 2013-12-05 06:16:15

ただ、私個人としては、ブラック企業を生み出しやすい多数乱戦業界というのは、やはり継続的に商売を続けて行く上でも大変キツい(例えばワタミは売り上げ目標90%達成なら赤字転落するような商売です)ので、多数乱戦になりにくい位置を見つけて、そこで商売をしたいなぁとは思っています。
NaotoHayahsi 2013-12-05 06:18:07

つまり、参入障壁が高く、規模の経済が働き、輸送コストが掛からず、在庫がなく、売り上げが安定していて、買い手の立場が弱く、規模の不経済性がなく、単一商材で、創造性に依存せず、管理監督が楽で、人手によるサービスではなく、全国・全世界規模で、ニーズが一緒で、政府に保護されている。
NaotoHayahsi 2013-12-05 06:25:25

リチャード・ブランソンや孫正義というような代表的な起業家も、20代のうちはぐちゃくぢゃな業界で闘ったものの、いまでは政府の保護が強い業界で闘っているのを見ると、結局のところ行き着くところはやはりここだなと思わざるを得ない。
NaotoHayahsi 2013-12-05 06:26:27

たとえば、先生がいない学校なんかが作れればいいなと思っている。全部パソコンで進捗管理をする教材・仕組みを作った上で、着実に生徒の成績を伸ばす。各都道府県・各国に一つずつ学校を作る。
NaotoHayahsi 2013-12-05 06:28:22

許認可事業だから参入障壁が高いし、生徒が増えれば増えるほどフィードバックが増え開発予算も増えて規模の経済が働き、全寮制にすれば輸送コストは掛からず、在庫はなく、売り上げは安定していて、買い手からは先生先生といわれて立場が強く、規模が増えても不経済性はなく、単一商材。
NaotoHayahsi 2013-12-05 06:29:36

創造性にもさほど依存しないだろうし、まじめに勉強する生徒なら管理監督は楽だし、病院なんかと違って人手が介在しなくても学力は伸ばす事ができるし、TOFELあたりを軸にすれば全国・全世界規模でカリキュラム統一はできるし、ニーズは一緒だし、政府に保護されている。
NaotoHayahsi 2013-12-05 06:30:35

こういう商売をすれば、たしかに労働基準法全部守りながらでも、商売を回して行けると思う。ただ、参入するには最低でも5億〜10億の初期投下資本が必要だろう。場合によってはもっとかかるかもしれない。20代のうちはそれを稼ぐために、多数乱戦業界でがんばるしかないだろう。
NaotoHayahsi 2013-12-05 06:33:05

ただ、そうはいいながらも、やはり多数乱戦業界というのは楽しい。訳の分からない敵が出てくる事も多いし、すぐ起業できるから何度でもやり直せるし、競争が激しくお客様も厳しい分やりがいがある。
NaotoHayahsi 2013-12-05 06:34:15

そもそも、ブラックじゃない職場というのは、ウソが多い職場でもある。ワタミにいけばおいしいし、ユニクロは着心地がいいが、公立学校の教員は授業が下手で生徒への思いやりがなく、にもかかわらず大量の血税が注ぎ込まれている。働く人にとってホワイトな職場は消費者にとってはブラックなのだ。
NaotoHayahsi 2013-12-05 06:35:21

また、楽な職場というのは、転職できなくなる職場でもあるから、結果として労働者にとっても激ブラックになりかねない。公立学校の教員で塾の講師や塾の経営者になって通用する人はほとんどいないはずだ。
NaotoHayahsi 2013-12-05 06:36:05

そういう意味でいったら、ブラック企業への就職というのは、潰しが効く人間への第一歩、成功への近道だと思う。何人かの友達からブラック企業にしか受からず悲しいと言われたが、私はブラック企業への就職おめでとう!と言いたい。