原因1:そもそも先の大戦で日本の敵だったのは中国でも韓国でもなくアメリカです
在日特権(笑)については詳しいのに、第二次世界大戦で中国人や韓国人が日本軍に入っていて、靖国神社にもまつられていて、先の大戦でもっぱら敵だったのは鬼畜米英だったことを知らないネット右翼の皆様こんにちわ!
そういう意味でいうと、中国人や韓国人で「先の大戦の中でも日本軍に逆らってがんばってました(!)}というのは、実は対人口比でいえばすごく少ない例外なわけで、彼らはたまたま戦争でアメリカが勝ったので、そういえば日本軍は残虐でアメリカ軍はじめとする連合軍は正義だったということに、戦争が終わってみてから気付いただけで、別にそれ以上でもそれ以下でもないわけです。
こういうことは良くあります。たとえば、朝日新聞は戦時中は戦争やれやれと言っていた急先鋒だったわけですが、戦争が終わってから、そういえば戦争はいけないことだったということに気付き、その後は反戦勢力が政治的に弱くなるまでは、反戦を貫きます(笑)
日本軍が勝っていれば、たとえ日本軍がどれだけ残虐だったとしても、そういえば日本軍は正しかったということになります。どんな卑怯な手を使っても、勝てば官軍、負ければ賊軍というのがこの世界です。たとえばある国は、原子力爆弾を民間人に二回も打ち付けても、戦争に勝てば正義はアメリカ様にあるわけです。
そういう意味でいうと、先の戦争で日本は韓国にインフラを整備してすばらしかったというネット右翼のみなさんは、あのミスコンの女の子あと一時間バーで呑めてたらやれてたなという筆者と同じく、まじで格好わるいわけです。アルコールが強くてどうも元気がなかったにしても、勝たなきゃ意味ないのがこの世の中です。だからネット右翼というのは人生の失敗者というか落伍者が多い。孫正義がネット右翼ですか? 数兆円企業だと、ロッテやマルハンの社長がネット右翼ですか? 仕事ができる人というのは政治には深く関わらないものです。(反省)
よく原爆を二回も打たれたのに、日本の政治家はアメリカに媚びてどうしようもないという意見がありますが、それは違う。日本の政治家というのは、一応支配国たるアメリカ様に忠誠を誓ったフリをするのですが、その実靖国神社に参拝したりするわけです。日本人の真骨頂たる「本音と建前」の発揮です。
(ついでに以前仕事で中国人&韓国人と喧嘩したとき、「どうしておまえらは物事を大げさに言うのか!」と怒鳴ったら、「どうして日本人は本音と建前で四六時中ウソをつきつづけるのか?」と質問されて、返答に窮したことがあります。)
靖国神社って先の戦争は、日本は悪くない、悪いのはアメリカだ!って主張してる神社ですよ。ついでにいうと、靖国神社は中国人・韓国人については一切批判していません。こんな神社に参拝していままでアメリカが何も言ってこなかったのがむしろ不思議なぐらいです!(ちゃんと理由はあるんだけどねw)
原因2:安倍首相はA級戦犯被疑者の孫
ただ、そうはいっても、アメリカがなぜ今回の参拝に激おこぷんぷん丸なのか? そもそも小泉政権のときは、そんなに怒られなかったじゃないかという議論がありますが、まず一つには、A級戦犯被疑者の孫と、お背中にきれいなドラゴンが垣間みえる素敵な「ヤ」の付く自由業の親分の孫が参拝するのでは話が違います。
靖国神社というのは、A級戦犯と言われているようは、人に死ねといって自分は死ななかったもののいつのまにか処刑された間抜けも合祀されているわけですが、これはヒトラーの墓にドイツの首相が参拝するようなものです。なのに、「ぼくのおじいちゃんもA級戦犯だったから、悪くない!」とうそぶく首相というのはちょっとありえません。というか韓国も軍事政権時代の首相の娘が首相だったりしてちょっとありえないわけですが、まじで日本人&韓国人というのはどうしてこうなんでしょう。北朝鮮も金さんのお孫さんがリーダーだったりしてちょっとありえませんが、選挙がある自由で民主主義な社会で北朝鮮並みのコメディが見れるところが儒教社会の恐ろしいところです。
あと、これは商売してる人なら直感的に理解できると思いますが、どんな大義があれ理想があれ、闘いというのは負けても正義というのはありえないです。
たとえば、商売で増資でも融資でもいいですが、1000万円調達していたら、本業がしくじったら、スタッフ総動員で仕事取って来て金儲けする、それがうまくいかなければ友達男女問わず水商売でもなんでも斡旋して中抜きする、なんなら自分自身もホストでもキャバ嬢でも何でもやる。それでもさらにだめなら生命保険を掛けて頭から飛び降りて死ぬというのは商売をしている人だったら当たり前のことです。
かつて、田中角栄氏が青年実業家時代に、注文を取るために女を用意していたそうです。ところが、お客さんは女のほうはどうもいまいちで、男が好きだという。そこで、田中角栄氏は
「バッチコーイ(訳:それだったら俺が相手してやる)」
と言ったそうです。
リーダーに必要なのは、別にユーモアでもなければ、人たらしの才能でもない。もちろんそれもあれば越した事はないですが、最終的には、闘いに絶対勝つという競争意識と、もし仮に負けた時はすべての責任をすべて自分でかぶるという意識です。
祖父の闘いの結果、「負け」という結果に謙虚になれない首相というのは、同じ轍を踏んでしまう気がしてなりません。
原因3:安倍首相は慶應を出ていない
三つ目は、これは小泉首相と安倍首相の違いですが、安倍首相には小泉首相と違い、アメリカ側に、これは日本遺族会対策ですよーということを伝えるパイプがなかったことです。ついでに日本遺族会というのは、もう何十年も死んだ人について、一年に数百万円国庫からぶんどるような、まさしく遺族特権を享受している団体で、入っておくとやたら安い値段で海外旅行に行けたり、いろいろな特権があります。在日の友達が多い私でも、在日特権なんてみたことはなく、むしろ在日が生きて行くには苦しい事だらけの日本社会ですが、戦没遺族については本当にガチで特権が多い。どうでも良い話だけどね。
小泉政権のある閣僚で、アメリカとのパイプがやたら太い人がいるのですが、この人がたまたま私が行っている大学の教授で、雑談をしていた時にこんな話をしていたことがあります。
いわく
「林くん、塾やってるんだよね?」
「そうですね。どんな落ちこぼれでも引きこもりでも慶應に入れてみせていますよ。」
「だったら、安倍晋三に因数分解教えなよ。平沢勝栄でも教えられなかったらしいけどw」
とこういう話でした。
単なる一種のバカ話なのですが、これは結構示唆に富んだ話です。
一つは多分、こういう軽口を叩く人が、小泉政権で閣僚であり、安倍政権では閣僚ではなかったということは、少なくともこの人がアメリカから何か聞かれても、あまりいい返事は期待できないということです。共和党政権であれ民主党政権であれ、中枢にいる経済学者と、日本でも新進気鋭の経済学者というのは大学のオフィスアワーで議論を闘わせていたりするので、なにかしらの接点はあるものですが、因数分解も漢字もできない首相を弁護する奴はいないでしょう。
第二に、自らの才を頼んで出世した人というのは、安倍晋三的な「ぼくのおじいちゃんはA級戦犯」みたいな人があまり好きではありません。政治家で言えば野中広務氏や橋下徹氏なんかもそうですが、苦労に苦労を重ねて出世した人というのは、だいたいこういう首相が嫌いです。銀の匙を加えていれば自分だって首相ぐらいはやっていたと思っている連中ですから。
孫正義氏なんかもそうですが、結構大変な環境から成り上がって来た人の日本における出世黄金パターンとして、一回アメリカに行ってから、日本に帰って来て成り上がるという方法があります。アメリカ政府もこのあたりの日本の事情はよくわかっていて、フルブライト留学生などの制度で、各国の支配階級とアメリカが密に連携し、情報交換をする仕組みを作り上げてきました。
こういうエリートがアメリカとのパイプを握っている中で、さしたる学閥の背景がない安倍氏は苦戦を強いられたとしても仕方ありません。
原因4:モンロー主義の復権
ただ、別に安倍氏ばかりが悪い訳ではありません。アメリカもかつてとは変わってしまった。それも結構劇的にすごく変わってしまったのです。
まず、アメリカはそもそも外交姿勢に関しては、歴史的には、モンロー主義の国でした。アメリカは対内的にも、たとえば警察=政府をあまり信用せず、一人一人が銃をもって、いざなにかあったら敵を撃ち殺すみたいな国民性がある国ですが、対外的にもこういう外交姿勢はあって、ようはアメリカは海外の面倒な事には関わらないよ、自己責任でやってね(はあと)という考え方です。
こういう姿勢が、まさしくアメリカの資本主義を強固にしたという考え方もあります。たとえば、第一次世界大戦に参戦せず、第二次世界大戦に参戦するときも最初は及び腰だった事から、アメリカは他の国に比べて経済面で有利に発展することができました。
また、なんでも自己責任でやってね、という考え方はアメリカ国民の力をうまく引き出す上では最適な考え方でした。貧しい移民でも、がんばれば成功できるという夢溢れる社会ができたからです。
こうしたモンロー主義・自己責任万歳主義の真骨頂というのは、お金がかからないことです。外交にも福祉にもお金がかからないから、とにかくそれを経済力の強化に振り向ける事ができるのです。
ところが、強くなったアメリカは、そのうち「世界の警察」を標榜するようになります。中国と面倒ごとがあっても助けてやるぜという「核の傘」を背景とした、強権的ですが、日本にとって軍事費の節約になったりしてありがたい体制が構築されたわけです。
ところがところがどっこい、アメリカの強さにも限界が出てきます。たとえば、アメリカの製品はその持ち前のおおざっぱさと、労働者の自己主張の強さからめっきり売れなくなってしまい、仕方ないのでアメリカは世界中に投資をして、そこから利益を得る方向にシフトしていきました。IT系の企業をいっぱいつくったりもしました。しかし、それでもやはり中国や先進諸国が台頭してくると、アメリカvsソ連の二極時代、アメリカ最強の時代を経て、なんかいろいろ強い国が出て来る時代になりました。
そうするとさすがのアメリカ様も「世界の警察」というやたらお金がかかるわりに、冷静に考えたら(金融資本家はともかくとして、政府としては)さほど儲からないこの外交姿勢に疑問符が付くようになります。
もともとモンロー主義の国なわけですから、さあモンロー主義に戻ろうというのは簡単な訳です。本音と建前を重んじる日本人が、四方八方にウソをつきまくるのと同じぐらい簡単なことなわけです。
そこでじゃぁ長期的な視野で見て、たとえば2100年に世界中からアメリカの軍隊を引き上げて、勝手にやってもらいましょうというときに、中国と日本の問題というのはかならず出てきます。その時に、こううまくやっておいてもらいたいわけです。そこで靖国参拝なんかされたら激おこぷんぷん丸になるのも理解できなくはありません。
そもそも、アメリカに喧嘩をうっておいて、ついでに中国・韓国にも喧嘩を売って、いざ中国・韓国がさわぎはじめたら、アメリカに助けを求めるというのはマジで格好わるい。
原因5:共和党政権ではなく民主党政権だったから
五つ目としては、共和党政権ではなく、民主党政権だったということがあるでしょう。
日本人はなぜかオバマが好きでブッシュが嫌いな人が多いようですが、それはすぐ挫折することがほぼ確定してる英語学習の演説集がオバマのほうが分かりやすいからでしょうか。たぶんそれぐらいの理由だとおもうのですが、なにはともあれ民主党の支持層は日本が嫌いです。
理由は極めて簡単で、共和党の支持層というのは、ブッシュと五十歩百歩の頭すっからかんというか、アル中のカウボーイみたいな奴ばっかりなわけですが、一方で、民主党の支持層というのは、たとえば自動車産業の労働者だったりするわけです。格好良くもなければ使いやすくもないアメ車をどうにか売らねばいけない人たちなわけですから、日本車はもちろん大嫌いで、日本も嫌いです。
その点、大した自動車を作っていない中国・韓国とは親和性がある。そもそも問題として、中国系・韓国系の移民はアメリカでは多いですから力もある。この辺が背景かもしれません。
原因6:大使がアイルランド系移民で夫がユダヤ人のケネディーだったから
あと、日本のテレビで、多分CNNのニュースを引用して、ケネディ大使が日本に着任したときに、ケネディ家は日本の皇室みたいなもんという解説をしていましたが、それはアメリカでは政治的に正しい表現ではありますが、それをそのまま鵜呑みにするのは禁物です。というか、私はこの解説を聞いて吹き出した。
まず、日本の皇室とケネディ家は大分違います。ケネディ家はどちらかというと、日本人に分かりやすい立ち位置でいえば、ソフトバンクの孫一族とか、ロッテの辛一族とか、マルハンの韓一族に近い。ケネディ家について事実だけを書くと、つねにマフィアとの関わりがウワサされ、仕手株戦でも詐欺同然のやり口で売り抜け、そもそもアメリカの正統派であるプロテスタントでイギリス人ではない。アイルランド系でカトリックなわけです。皇室とは違います。
当然、そういう出自を持っている人、かつ夫もユダヤ人なわけですから、枢軸国だったドイツのヒトラーは敵であり、当たり前ですが、ヒトラーと軍事同盟を結んだ(ネット右翼はこんなこともしらないのか!)A級戦犯は敵の味方なわけですから、敵なわけです。
これはしくじったとしかいいようがありません。
結論:空気が読めない安倍晋三の靖国参拝はマジで最悪のタイミングだった
ということで、あらゆる側面からみて、安倍晋三の靖国参拝はマジで最悪のタイミングだったと言う話。景気が悪くならなそうな首相で誰か替えはいませんかね。漢字が読めない人が意欲をしめしているようですが、できれば漢字が読める人で。
在日特権(笑)については詳しいのに、第二次世界大戦で中国人や韓国人が日本軍に入っていて、靖国神社にもまつられていて、先の大戦でもっぱら敵だったのは鬼畜米英だったことを知らないネット右翼の皆様こんにちわ!
そういう意味でいうと、中国人や韓国人で「先の大戦の中でも日本軍に逆らってがんばってました(!)}というのは、実は対人口比でいえばすごく少ない例外なわけで、彼らはたまたま戦争でアメリカが勝ったので、そういえば日本軍は残虐でアメリカ軍はじめとする連合軍は正義だったということに、戦争が終わってみてから気付いただけで、別にそれ以上でもそれ以下でもないわけです。
こういうことは良くあります。たとえば、朝日新聞は戦時中は戦争やれやれと言っていた急先鋒だったわけですが、戦争が終わってから、そういえば戦争はいけないことだったということに気付き、その後は反戦勢力が政治的に弱くなるまでは、反戦を貫きます(笑)
日本軍が勝っていれば、たとえ日本軍がどれだけ残虐だったとしても、そういえば日本軍は正しかったということになります。どんな卑怯な手を使っても、勝てば官軍、負ければ賊軍というのがこの世界です。たとえばある国は、原子力爆弾を民間人に二回も打ち付けても、戦争に勝てば正義はアメリカ様にあるわけです。
そういう意味でいうと、先の戦争で日本は韓国にインフラを整備してすばらしかったというネット右翼のみなさんは、あのミスコンの女の子あと一時間バーで呑めてたらやれてたなという筆者と同じく、まじで格好わるいわけです。アルコールが強くてどうも元気がなかったにしても、勝たなきゃ意味ないのがこの世の中です。だからネット右翼というのは人生の失敗者というか落伍者が多い。孫正義がネット右翼ですか? 数兆円企業だと、ロッテやマルハンの社長がネット右翼ですか? 仕事ができる人というのは政治には深く関わらないものです。(反省)
よく原爆を二回も打たれたのに、日本の政治家はアメリカに媚びてどうしようもないという意見がありますが、それは違う。日本の政治家というのは、一応支配国たるアメリカ様に忠誠を誓ったフリをするのですが、その実靖国神社に参拝したりするわけです。日本人の真骨頂たる「本音と建前」の発揮です。
(ついでに以前仕事で中国人&韓国人と喧嘩したとき、「どうしておまえらは物事を大げさに言うのか!」と怒鳴ったら、「どうして日本人は本音と建前で四六時中ウソをつきつづけるのか?」と質問されて、返答に窮したことがあります。)
靖国神社って先の戦争は、日本は悪くない、悪いのはアメリカだ!って主張してる神社ですよ。ついでにいうと、靖国神社は中国人・韓国人については一切批判していません。こんな神社に参拝していままでアメリカが何も言ってこなかったのがむしろ不思議なぐらいです!(ちゃんと理由はあるんだけどねw)
原因2:安倍首相はA級戦犯被疑者の孫
ただ、そうはいっても、アメリカがなぜ今回の参拝に激おこぷんぷん丸なのか? そもそも小泉政権のときは、そんなに怒られなかったじゃないかという議論がありますが、まず一つには、A級戦犯被疑者の孫と、お背中にきれいなドラゴンが垣間みえる素敵な「ヤ」の付く自由業の親分の孫が参拝するのでは話が違います。
靖国神社というのは、A級戦犯と言われているようは、人に死ねといって自分は死ななかったもののいつのまにか処刑された間抜けも合祀されているわけですが、これはヒトラーの墓にドイツの首相が参拝するようなものです。なのに、「ぼくのおじいちゃんもA級戦犯だったから、悪くない!」とうそぶく首相というのはちょっとありえません。というか韓国も軍事政権時代の首相の娘が首相だったりしてちょっとありえないわけですが、まじで日本人&韓国人というのはどうしてこうなんでしょう。北朝鮮も金さんのお孫さんがリーダーだったりしてちょっとありえませんが、選挙がある自由で民主主義な社会で北朝鮮並みのコメディが見れるところが儒教社会の恐ろしいところです。
あと、これは商売してる人なら直感的に理解できると思いますが、どんな大義があれ理想があれ、闘いというのは負けても正義というのはありえないです。
たとえば、商売で増資でも融資でもいいですが、1000万円調達していたら、本業がしくじったら、スタッフ総動員で仕事取って来て金儲けする、それがうまくいかなければ友達男女問わず水商売でもなんでも斡旋して中抜きする、なんなら自分自身もホストでもキャバ嬢でも何でもやる。それでもさらにだめなら生命保険を掛けて頭から飛び降りて死ぬというのは商売をしている人だったら当たり前のことです。
かつて、田中角栄氏が青年実業家時代に、注文を取るために女を用意していたそうです。ところが、お客さんは女のほうはどうもいまいちで、男が好きだという。そこで、田中角栄氏は
「バッチコーイ(訳:それだったら俺が相手してやる)」
と言ったそうです。
リーダーに必要なのは、別にユーモアでもなければ、人たらしの才能でもない。もちろんそれもあれば越した事はないですが、最終的には、闘いに絶対勝つという競争意識と、もし仮に負けた時はすべての責任をすべて自分でかぶるという意識です。
祖父の闘いの結果、「負け」という結果に謙虚になれない首相というのは、同じ轍を踏んでしまう気がしてなりません。
原因3:安倍首相は慶應を出ていない
三つ目は、これは小泉首相と安倍首相の違いですが、安倍首相には小泉首相と違い、アメリカ側に、これは日本遺族会対策ですよーということを伝えるパイプがなかったことです。ついでに日本遺族会というのは、もう何十年も死んだ人について、一年に数百万円国庫からぶんどるような、まさしく遺族特権を享受している団体で、入っておくとやたら安い値段で海外旅行に行けたり、いろいろな特権があります。在日の友達が多い私でも、在日特権なんてみたことはなく、むしろ在日が生きて行くには苦しい事だらけの日本社会ですが、戦没遺族については本当にガチで特権が多い。どうでも良い話だけどね。
小泉政権のある閣僚で、アメリカとのパイプがやたら太い人がいるのですが、この人がたまたま私が行っている大学の教授で、雑談をしていた時にこんな話をしていたことがあります。
いわく
「林くん、塾やってるんだよね?」
「そうですね。どんな落ちこぼれでも引きこもりでも慶應に入れてみせていますよ。」
「だったら、安倍晋三に因数分解教えなよ。平沢勝栄でも教えられなかったらしいけどw」
とこういう話でした。
単なる一種のバカ話なのですが、これは結構示唆に富んだ話です。
一つは多分、こういう軽口を叩く人が、小泉政権で閣僚であり、安倍政権では閣僚ではなかったということは、少なくともこの人がアメリカから何か聞かれても、あまりいい返事は期待できないということです。共和党政権であれ民主党政権であれ、中枢にいる経済学者と、日本でも新進気鋭の経済学者というのは大学のオフィスアワーで議論を闘わせていたりするので、なにかしらの接点はあるものですが、因数分解も漢字もできない首相を弁護する奴はいないでしょう。
第二に、自らの才を頼んで出世した人というのは、安倍晋三的な「ぼくのおじいちゃんはA級戦犯」みたいな人があまり好きではありません。政治家で言えば野中広務氏や橋下徹氏なんかもそうですが、苦労に苦労を重ねて出世した人というのは、だいたいこういう首相が嫌いです。銀の匙を加えていれば自分だって首相ぐらいはやっていたと思っている連中ですから。
孫正義氏なんかもそうですが、結構大変な環境から成り上がって来た人の日本における出世黄金パターンとして、一回アメリカに行ってから、日本に帰って来て成り上がるという方法があります。アメリカ政府もこのあたりの日本の事情はよくわかっていて、フルブライト留学生などの制度で、各国の支配階級とアメリカが密に連携し、情報交換をする仕組みを作り上げてきました。
こういうエリートがアメリカとのパイプを握っている中で、さしたる学閥の背景がない安倍氏は苦戦を強いられたとしても仕方ありません。
原因4:モンロー主義の復権
ただ、別に安倍氏ばかりが悪い訳ではありません。アメリカもかつてとは変わってしまった。それも結構劇的にすごく変わってしまったのです。
まず、アメリカはそもそも外交姿勢に関しては、歴史的には、モンロー主義の国でした。アメリカは対内的にも、たとえば警察=政府をあまり信用せず、一人一人が銃をもって、いざなにかあったら敵を撃ち殺すみたいな国民性がある国ですが、対外的にもこういう外交姿勢はあって、ようはアメリカは海外の面倒な事には関わらないよ、自己責任でやってね(はあと)という考え方です。
こういう姿勢が、まさしくアメリカの資本主義を強固にしたという考え方もあります。たとえば、第一次世界大戦に参戦せず、第二次世界大戦に参戦するときも最初は及び腰だった事から、アメリカは他の国に比べて経済面で有利に発展することができました。
また、なんでも自己責任でやってね、という考え方はアメリカ国民の力をうまく引き出す上では最適な考え方でした。貧しい移民でも、がんばれば成功できるという夢溢れる社会ができたからです。
こうしたモンロー主義・自己責任万歳主義の真骨頂というのは、お金がかからないことです。外交にも福祉にもお金がかからないから、とにかくそれを経済力の強化に振り向ける事ができるのです。
ところが、強くなったアメリカは、そのうち「世界の警察」を標榜するようになります。中国と面倒ごとがあっても助けてやるぜという「核の傘」を背景とした、強権的ですが、日本にとって軍事費の節約になったりしてありがたい体制が構築されたわけです。
ところがところがどっこい、アメリカの強さにも限界が出てきます。たとえば、アメリカの製品はその持ち前のおおざっぱさと、労働者の自己主張の強さからめっきり売れなくなってしまい、仕方ないのでアメリカは世界中に投資をして、そこから利益を得る方向にシフトしていきました。IT系の企業をいっぱいつくったりもしました。しかし、それでもやはり中国や先進諸国が台頭してくると、アメリカvsソ連の二極時代、アメリカ最強の時代を経て、なんかいろいろ強い国が出て来る時代になりました。
そうするとさすがのアメリカ様も「世界の警察」というやたらお金がかかるわりに、冷静に考えたら(金融資本家はともかくとして、政府としては)さほど儲からないこの外交姿勢に疑問符が付くようになります。
もともとモンロー主義の国なわけですから、さあモンロー主義に戻ろうというのは簡単な訳です。本音と建前を重んじる日本人が、四方八方にウソをつきまくるのと同じぐらい簡単なことなわけです。
そこでじゃぁ長期的な視野で見て、たとえば2100年に世界中からアメリカの軍隊を引き上げて、勝手にやってもらいましょうというときに、中国と日本の問題というのはかならず出てきます。その時に、こううまくやっておいてもらいたいわけです。そこで靖国参拝なんかされたら激おこぷんぷん丸になるのも理解できなくはありません。
そもそも、アメリカに喧嘩をうっておいて、ついでに中国・韓国にも喧嘩を売って、いざ中国・韓国がさわぎはじめたら、アメリカに助けを求めるというのはマジで格好わるい。
原因5:共和党政権ではなく民主党政権だったから
五つ目としては、共和党政権ではなく、民主党政権だったということがあるでしょう。
日本人はなぜかオバマが好きでブッシュが嫌いな人が多いようですが、それはすぐ挫折することがほぼ確定してる英語学習の演説集がオバマのほうが分かりやすいからでしょうか。たぶんそれぐらいの理由だとおもうのですが、なにはともあれ民主党の支持層は日本が嫌いです。
理由は極めて簡単で、共和党の支持層というのは、ブッシュと五十歩百歩の頭すっからかんというか、アル中のカウボーイみたいな奴ばっかりなわけですが、一方で、民主党の支持層というのは、たとえば自動車産業の労働者だったりするわけです。格好良くもなければ使いやすくもないアメ車をどうにか売らねばいけない人たちなわけですから、日本車はもちろん大嫌いで、日本も嫌いです。
その点、大した自動車を作っていない中国・韓国とは親和性がある。そもそも問題として、中国系・韓国系の移民はアメリカでは多いですから力もある。この辺が背景かもしれません。
原因6:大使がアイルランド系移民で夫がユダヤ人のケネディーだったから
あと、日本のテレビで、多分CNNのニュースを引用して、ケネディ大使が日本に着任したときに、ケネディ家は日本の皇室みたいなもんという解説をしていましたが、それはアメリカでは政治的に正しい表現ではありますが、それをそのまま鵜呑みにするのは禁物です。というか、私はこの解説を聞いて吹き出した。
まず、日本の皇室とケネディ家は大分違います。ケネディ家はどちらかというと、日本人に分かりやすい立ち位置でいえば、ソフトバンクの孫一族とか、ロッテの辛一族とか、マルハンの韓一族に近い。ケネディ家について事実だけを書くと、つねにマフィアとの関わりがウワサされ、仕手株戦でも詐欺同然のやり口で売り抜け、そもそもアメリカの正統派であるプロテスタントでイギリス人ではない。アイルランド系でカトリックなわけです。皇室とは違います。
当然、そういう出自を持っている人、かつ夫もユダヤ人なわけですから、枢軸国だったドイツのヒトラーは敵であり、当たり前ですが、ヒトラーと軍事同盟を結んだ(ネット右翼はこんなこともしらないのか!)A級戦犯は敵の味方なわけですから、敵なわけです。
これはしくじったとしかいいようがありません。
結論:空気が読めない安倍晋三の靖国参拝はマジで最悪のタイミングだった
ということで、あらゆる側面からみて、安倍晋三の靖国参拝はマジで最悪のタイミングだったと言う話。景気が悪くならなそうな首相で誰か替えはいませんかね。漢字が読めない人が意欲をしめしているようですが、できれば漢字が読める人で。
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