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1.そもそも、高校・予備校・塾・通信添削は役に立つのか? 

▽ 単語・熟語・文法・小論文は独学で自己責任でいいのか

 多くの予備校や高校での授業は、単語・熟語を生徒の独学に任せます。もちろん、このページからあのページまで覚えてきてね、というぐらいの指定はしますが、覚え方を教えてくれることはありません。

 記憶力がなくて困っている生徒にとって、これほど困ったことはありません。

 それだけではありません。

 予備校の授業も、学校の授業も、生徒があらかじめ単語・熟語をある程度習得しているという前提で進められていきます。ですから、ある程度の基礎が固まっていないにも関わらず予備校や学校に通うことはムダでしかありません。

 にもかかわらず、教師がそういった場所に通わせつづける理由は一つしかありません。予備校であれば売り上げのため、高校であれば中退・不登校などの揉め事を起こしたくないという事なかれ主義のためです。もちろん、通学は生活リズムの固定のために大切だという意見もありますが、それなら図書館にでも行けばいいのです。

 私は、自分の教え子には、まず単語と熟語の覚え方の授業をします。それも、覚え方を説明するだけではなくて、単語の語源(接頭辞・接尾辞・語幹・名詞変化)や熟語の成立過程まで遡って、5000の単語、1000の熟語のそれぞれの覚え方を逐一詳しく解説します。

 それだけではありません。同じ語源を持つ二十単語ごとにテストをし、また繰り返し解説をします。この単語特訓・熟語特訓により、偏差値30前後の教え子が、二週間で5000単語を完璧に仕上げることもよくあることです。

 これはまず一週間目は、ひたすらテストゼミを繰り返し、間違った問題を次の周に持ち越します。二週間目は一日目~三日目までで二周目、四日目・五日目で三周目、六日目で四周目をやり、七日目は再びすべてテストしなおします。

 このようなやり方で間違えた部分を抽出しながら減らしていくのが、どの科目においても共通する最も効果的な学習法であることは、今までの指導経験からいても疑いの余地がありません。また、まぐれ当たりをふせぐために、最終日にはまさかの全問再テストをやることは、他の逆転合格系の塾よりもこの特訓が徹底的なものであることを示しています。

 その結果として、最初はbe動詞すら分からなかった定時制出身の教え子、不登校だった教え子、通信高校に通学していた教え子が、めきめき力を伸ばし、12月の慶大プレでは軒並み合格点に達しました。

 このような成績上昇は決して奇跡ではありません。

 理にかなった勉強法で、一日八時間程度の勉強量を確保していれば誰にでもできることです。

 さて、以下は、私が個人的に行った冬期講習についての質疑応答です。

 これを見ていただければ、いかにいまの高校・予備校の授業に意味がないのかがよくわかっていただけるはずです。


 Q1. 英単語の覚え方は? 

 A1. 英単語には、漢字でいうところの「へん」や「つくり」にあたる、接頭辞・語幹・接尾辞・名詞変化があります。 

 私たちは、ひとつの接頭辞・語幹・接尾辞・名詞変化から二十以上の派生語を芋づる式に覚えさせます。 小学生でも知っている100210のカタカナ語をとっかかりにして覚えるので、とても覚えやすいと評判です。

 もともと同じ接頭辞・語幹・接尾辞・名詞変化を共有する単語をまとめて習得するため、何度も繰り返しテストせずとも()、すぐに単語の意味を習得することができます。 


 Q2. 英熟語の覚え方は? 

 A2. 英熟語を覚えるのが難しい理由は、熟語を一つずつの単語に分解したときにそれぞれの単語が持つ意味と、もともとの熟語としての意味がうまく結びつかないことにあります。 

 私たちは、一度英熟語を英単語、あるいはその英単語の中にある接頭辞・語幹・接尾辞・名詞変化にまで分解したあとに、熟語の意味に結びつくように組み立てなおす作業を行います。

 このことで、しっかりと英熟語の持つ意味を記憶に定着させることができるばかりではなく、同じ動詞・前置詞を用いた10以上の熟語を芋づる式に習得させます。 


 Q3. 今回の冬期講習全体のコンセプトはなんですか? 

 A2. 英単語や英熟語に限らず、学習の中での「丸暗記」をなくして、「情報を整理しなおすことで知識を習得させる」ことを重視しています。 

 たとえば、actの派生語は20にも及びます。 

 驚くべきことに、女優(actress)も協議事項(agenda)も苦悶(agony)もすべてactの派生語です。 

 つまり、女優(actress)も協議事項(agenda)も苦悶(agony)も、actという語幹を共有している以上、なにかしらの共通点があるということです。 

 はて、それはなんでしょう? 

 こういうことについて考えてみることによって、いままで単語を丸暗記で習得したときから持っていた概念ががらりとかわり、より効率的に英語を習得することができると私は考えています。 


 講習の音声は、私に受験相談(yourmanifestojp@gmail.comまで!)していただければ無料でお譲りします。また、テキストについては、不十分な点は否めないですが、「カタカナ語源屋」というサイトがおすすめです。ただ、必ずしも各大学の傾向に合ったテキストではないですし、ムダな部分も非常に多いので、その点についても相談(yourmanifestojp@gmail.comまで!)さえしていただければ適宜対応いたします。

 カタカナ語源屋

100のカタカナ語から2000単語を習得できる。

http://homepage2.nifty.com/YONE/



▽ 本当に覚えられているのか?

 先生たちは基本的に勉強がわからない教え子に対して、もっと授業を取ることや、もっと授業をまじめに聞くことを求めます。

 しかし、本当に大切なのは、授業を聞くことでもなければ、まして授業を取ることでもありません。授業が分かりやすかったり、面白かったりすることでもありません。その授業の内容をきっかり覚えることです。だって、授業を聞いているときよりも、テスト勉強のときのほうが、学力が伸びているように思えるでしょう? つまり、そういうことです。テスト勉強のときのような真剣さをもって、授業を聞いたり、テキストを読んだりすることができれば学力は伸びます。そのために、私はテスト勉強のノートを解説するかのような三分から十分程度の短い授業をし、授業をした後はかならず確認テストをするのです。

 私の特訓合宿は、その流れをひたすら繰り返すだけのものです。

 このやり方は、意志が強ければ独学でも十分可能です。ネット上のソフトやサイトはそのような構成になっているところが多いですし、参考書での独学でも後述するやり方に従えば、私の特訓合宿と同じような効果を得ることが可能です。

 多くの高校や予備校の授業は生徒がきっかり覚えることに重点を置いているようには思えません。習得できたかどうかを確認する最も良い授業のやり方としては、講義が終わった後にすぐにテストをするというものがあります。しかし、そのような授業をしている高校・予備校は皆無です。

 どうしてでしょうか?

 おそらくは、そのようなテストゼミ方式の授業をすることで、いかに講師の教え方が下手でその場しのぎのものなのかが明らかになるからではないかと私は考えています。多くの教師は、頭が不自由で、なおかつ、それを生徒に見破られたくないのです。

 私は、教え子には、いつも三分~十分程度の短い授業をしたあとは、すぐにテストに取り組ませ、間違いがあれば解説していくスタイルをとっています。

 このように、講義のあと、すぐに復習できることは最も大切なポイントです。

 そういう点でいえば、返却までに二週間近くかかる通信添削も、あまり良い手段とはいえないでしょう。

 また、講師の力量にばらつきがある個別指導もあまりおすすめはしません。私も友達を自分の教え子に講師として紹介したことがありますが、使い物になるのは東大早慶の現役大学生だと十人に一人ぐらいです。それでも、紹介した友達があまりにひどい教え方で、途中で友達を(大切な友達であるにも関わらず!)クビにしてしまったこともあります。

 私は、教え子から付きっ切りで教えてくれる先生の紹介を頼まれたときには、よほどの実績があり(全国模試の一位・二位など!)、教え方も生徒の成績上昇も抜群の友達(be動詞が分からない教え子に、センター八割・慶大プレで合格点を取らせた。一日で古文の助動詞を習得させたetc...)しか紹介しません。

 しかし、逆転合格系の個別指導塾のなかには、本当に適当な採用の仕方をしている塾もあります。私が知っている例では、東大早慶医学部なら一発合格という塾もありました。そういった塾で、腰掛けか小遣い稼ぎぐらいの気持ちで働いているアルバイト大学生(もはや講師とすら言いたくない!)に指導を受けたところで、時間が無為に過ぎるだけだと私は考えています。

 少なくとも私は、教育に携わる者の誇りとして、言語学を専攻したいだの、卒業したらそのまま塾講師になるだの、そういった友達しか教え子に紹介することはできませんでした。そうでもしなければ、良心の呵責に悩まされるからです。

 スマイルズの「自助論」という本に書いてある言葉ですが、なにか後ろめたいことをして得た富を素直に喜ぶことはできません。わたしは、家賃三万円のアパートに住むつつましやかな生活であっても、良心に従って生きていくことを今日まで選んできました。これからどんな場所に住み、どんな生活をするかは分かりませんが、このような気持ちはいつまでも持ち続けたいと思っています。

 やはり、ちゃんと覚えきるには、私が主宰しているような特訓合宿に参加するなり、あるいは自分で(これから私が紹介する)一冊の参考書や一つのソフト・アプリ・サイトをテストが満点になるまでやりこむことが大切かと思います。

 やり方は詳しく後述しますが、わからないことがあれば、いつでも受験相談(yourmanifestojp@gmail.comまで!)していただければ幸いです。