○ 文法書は無意味?
▽ ある高校のバカな宿題
さて、私は、高校を卒業してすぐに、中学時代の友人たちと同窓会を開きました。そこで聞いたのは、あまりにもばからしい宿題の話でした。
「うちの高校の教師なんて、ほんとうにバカでさ。フォレスト(文法書です!)まる写ししてこいっ!っていうんだよ。それが夏休みの宿題。本当にバカでしょ! ありえない!」
私はその話を聞いて唖然としました。これほど効率の良くない勉強法は無いからです。
▽ あなたの性格は?
私は基本的に受験勉強では、辞書と文法書は必要ないという立場です。
もちろん、これらと使い方によってはとても役立つとは思います。しかし、本当に分からないことがあったときに、これらのものを参照するような性格の人はどれほどいるのでしょう? また、時間的な意味で言っても、これらを参照する余裕のある人はどれほどいるのでしょう?
▽ 英文法・英単語・英熟語のやりかた
基本的に私は、英文法・英単語・英熟語・古文文法・漢文句法・古文漢文の語彙はすべて、問題演習のなかで習得すべきだと考えています。
英単語に関して言えば、
① 単発暗記で覚えるやり方
ターゲット、PSS、smart.fmなど出てきた単語をそのまま覚えるやり方
② 語源から覚えるやり方
語源英単語・解体英熟語など
③ 文脈から覚えるやり方
速読英単語・リンガメタリカ・アカデミックなど
がありますが、いずれにせよ参考書の中にある単語のまとめページなどを用いて確認テストをすることは絶対に必要なことです。(幸いなことにネットに転がっているアプリやソフトはこれを自動的にやってくれます。)
英文法に関して言えば、東進のサイトから無料で利用できる過去問データーベースでセンターの過去問を十年分ほど手に入れることができるので、文法部分だけ抜き出して演習すればいいでしょう。学校でセンター18年分などをもらう人もいるでしょうから、それでもかまいません。
センター試験演習をひたすらやる効用をいくつかあげましょう。
まず、第一に、どの文法事項が頻出であるかということがわかることです。
一般に、参考書や学校・予備校の授業では、一度扱った事項は、一度しかやりませんが、センター試験では何度でも繰り返し出てくることがあります。どれが良く出てくる文法事項で、どれがあまり出てこない文法事項かが分かれば、記憶に強弱をつけることができますし、テストの結果もより早く向上します。
第二に演習量の問題です。
センターの文法問題は約二十問。これは追試とあわせると、一年に四十問。
十年分だと四百問。これは英頻1000やネクステージに比べると少ないように感じますが、これらの参考書は語法も入って1000問ですから、文法の問題としてはほぼ同じ分量を確保できます。
十八年分だと一千問近くになるわけで、これはどんな参考書でもかないません。
第三に出題形式の問題です。
一般の参考書では、不定詞なら不定詞でまとめて演習をしますが、本番の試験ではこのような形式で出ることはありません。こと、難関大に限って言えば、toのない不定詞や、ifのない仮定法ばかり出てくるわけで、これらを見抜く眼を持たなければ合格はおぼつきません。
ですから、次々とランダムに問題が出てくるセンター試験の過去問で文法を固めるのがお勧めです。
それ以前の準備としては、後述しますが、とにかく構文を40~100本ぐらいは理屈抜きで覚えてしまうといいでしょう。三十回も音読すれば誰でもできることですし、もし出来なければ好みの洋楽の歌詞と合わせて覚える方法を私が提案させていただきますので、どしどし受験相談(yourmanifestojp@gmail.comまで!)していただければ幸いです。
英文法関係の参考書を買いまくるというありがちな失敗を避ける意味でも、センター試験を解きまくることを私はおすすめします。解説などでわからないところがあれば、それこそ先生に聞いても良いですし、私のメールアドレスも乗せておきますから、どしどし聞いてくださってかまいません。
英単語・英熟語については、PSSやsmart.fmなどでさくさくフラッシュカード暗記していくのも良いでしょう。古文文法・漢文句法・古文漢文については、独自のテキストを無料でお譲りできますので、私まで受験相談(yourmanifestojp@gmail.comまで!)にきていただければ幸いです。
○ 使える! 東進の「過去問データーベース」
○ smart.fmは東進の英単語テストより使える!
○ 英単語テストPSSの威力!
○ アルクの語源辞典
http://home.alc.co.jp/db/owa/etm_sch
○ 接頭辞をまとめてみた
http://readingmonkey.blog45.fc2.com/blog-entry-401.html
▽ 語法は妄想から
また、語法についても、独特の考えがあります。
語法問題というのは、慣用句についての出題ですが、なぜ私たちはここでつまづくのでしょうか?
まず、言われてみれば当たり前のことですが、熟語をばらばらにしたときのそれぞれの単語の意味と、熟語そのものの意味がまったく結びつかないからです。
たとえば、put up withという英熟語があります。これは、我慢するという意味の英熟語です。
これの、それぞれの単語の意味は、putが置く、upが上げる、withが~を、です。さて、どのように我慢するという熟語の意味に結びつけるのでしょう?
まず、upが上げるという部分に着目します。よく、我慢することを棚に上げて~などといいますよね。いやなことを(with)、棚の上に(up)、置く(put)といったような連想を作って、ノートに書きます。
これは下ネタも交えて作るとさらに効果的です。
学校で配られるような熟語集を使っても良いですし、前述の文法と同じやり方で自分が志望する大学の語法問題を使ってもかまいません。はたまた、無料の語彙学習ソフトPSSやsmart.fmを使うのも良いでしょう。
うまい連想が思いうかばないときは、私はこういう妄想を生徒に教える特訓合宿をもやっていますから、私に受験相談(yourmanifestojp@gmail.comまで!)してくだされば、いつでも対応させていただきます。
○ 好きな音楽から英熟語を1000覚える方法
http://www.eigoraku.com/napster/kudousi.html
1-1-3.【英語長文読解】
○ 本番に役に立たない英文読解の授業!
▽ 時間が甘い
私は、高校や予備校の英文読解の授業はほとんど役に立たないと断言できます。なぜなら、本番ではあんなにゆっくりと英文を読むことはまずありえないからです。
センター試験でさえ、十年前の二倍近くの量を読ませます。慶應SFCの試験は、二時間で3000~4000単語を読みこなさなければなりません。実際に、文章を読むのに割ける時間はせいぜい一時間がいいところでしょうから、一分あたりでもかなりの単語を読まなければなりません。
▽ 解説が適当
長文読解の講義については、解説も、ただ文章の一部分を引用してきて、であるから(2)で当たり前だよね? といったようなものが多くうんざりします。
そのような解説には、生徒が再び問題演習するときにその結果を再現できる保障がありません。そして、なによりも、いつ、だれが、どんな状況で解きなおしても同じ結果が得られるという普遍性がありません。
○ 基礎は文法ではなく、英文解釈でもなく、教養にあり!
▽ どんどん長くなる入試問題
また、先ほども申し上げましたように、入試問題はどんどん長くなっています。センター試験は十年前の二倍に、逆転合格を狙ううえで重要な難関私立大学でも、超長文といわれる3000~4000単語の問題が出てきます。
しかし、これらはかならずしも悲観すべき現実ではありません。
まず、ここ数年のうちに文中の構文をとるのが非常に楽になりました。もはや、英文解釈不要論をぶちあげても良いぐらい、とにかく英文を読むのが楽になったのです。それこそ、意味のまとまりごとにスラッシュで区切って、前から後ろに読んでいけるようになった。後ろから前に読み返す必要がなくなった。英語を英語のまま理解しても、問題に答えられるようになった。
これは入試問題の変化としては、すばらしいものだと思います。とかく使えない英語だといわれてきた受験英語が、使える英語に変わりつつあるのです。
また、国公立大でも、Z会の解体英語構文や、セレクト70構文のような構文集を暗記すれば、簡単に文章構造が取れるような出題が増えてきた、というよりもほとんどがそのような問題になりました。
ですから、文章量が増えた代わりに、問題は解きやすくなった。
そういう意味で、いまだ細かい文法事項に固執する塾が多いですが、私は文法よりもまず先に単語を教えるべきだという立場です。文法がわかっても、英語の成績がぐんと伸びることはないですが、とりあえずうちの語源英単語特訓で二週間で5000単語も習得すれば、生後の成績はまずどんな模試でも偏差値60を切ることはなくなります。文法はそのあとでも十分です。
もちろん、これは、勉強法としては、あるいは邪道かもしれません。しかし、勉強を実行する上で、一番大切なのはやる気の持続です。
文法を始めに総ざらいするのは大切なことかもしれません。しかし、文法を完璧にしてもとんと成績が上がらなければ、教え子は単語をやる前に勉強をやめてしまうものです。ですから、単語をある程度見につけたあとに、文法を洗いざらいやるほうが、長期的にみたら私は良い結果をもたらすと考えています。
また、単語を覚えることよりも、さらに大切なことは、文章の背景となる教養を知ることです。そうすることで、文法が分からなくても、構文が分からなくても、単語が分かるだけで(あるいは単語がわからなくとも前後の文脈から推測して)、ある程度、文章の意味を取ることができます。
そのために、最も役立つ参考書としては、Z会のリンガメタリカやアカデミックがあります。言葉が少々難しいですが、MD小論文や現代用語の基礎知識などを一通りよんでおけば、言葉の意味がわからないということはなくなります。
○ 最新のiPhoneアプリで楽しく追い読み
また、最新のiPhoneのアプリには、TimeやNewsweekの記事をネット上から拾ってきて、音声で読んでくれる上に、googleの自動翻訳と連動して簡単な日本語訳を出してくれるものさえあります。
まだ、実用段階ではありませんが、こうしたアプリも実用性が高くなれば使う必要は出てきそうです。なんたって無料ですしね。
しかし、体系的に教養を学べるようなリンガメタリカ・アカデミックのような本は買っておいても損はないでしょう。
○ VOA(ゆっくりとした音声で読み上げてくれます)
あらゆるニュースをゆっくりした音声で読み上げてくれるから追い読みに最適!
http://www.voanews.com/english/news/
○ googleニュース検索(英単語で検索)
英単語でニュースを検索し、自動音読サイトで音声を出し、マウスオーバー辞書で単語の意味を確認しながら追い読みすることができる。
○ マウスオーバー辞書(発音機能付)
http://www.lingoes.net/en/translator/download.htm
○ 自動音読(カラオケのように音読してくれます)
http://text-to-speech.imtranslator.net/
○ 身に付く読み方はゆっくり音読!
▽ 音読するまえの下準備
これは、一日一時間の勉強でも、50枚の英語論説文を暗誦するのに最大一ヶ月、300枚の英語論説文を暗誦するのに最大半年しかかからないというすさまじい方法です。
しかし、前述したように、この方法では、音読をする前に以下のような下準備が必要です。
一、英文と日本文に対応する番号を振る。
これは、英語を読んでいるときに、どんな意味をもった文章を読んでいるのかが分からなくならないように、常時日本語訳を参照できるようにするためのものです。
意味がつかめなくなったときに、ぱっと日本語の意味を参照できるようにすることによって、勉強を無駄な作業にするというありがちな失敗をせずにすみます。
二、意味のまとまりで文章を区切る
まず、SVO/SVOO/SVOCを取ります。補語(M)は区切ってもかまわないし、他にも後置修飾や関係詞は区切ってもかまいません。
あと、わかりやすい目安としては、リスニングの際の息の切れ目です。
これに耳をすませてやることで、文章を読む効率性は一気に上がるはずです。分かりやすいのは、抑揚の付け方です。ある程度読み方が下がったところで区切りをつけるとちょうどいいことがままあります。
三、分からない単語の上に日本語訳を書く
これは、分からない単語があったときに、そこで音読が泊まらないようにするために必要不可欠なことです。文構造がとれるようになれば、おのずと日本語訳のどの単語が英語のどの単語に対応するかが分かりますから、辞書など引かずにすむようになります。
これは文の構造をとる上でも、わりと大切な作業なのかもしれません。
四、文構造がわからなければノートにまとめる
少なくとも私は、「ビジュアル英文解釈」や「英文解釈講座」はやる必要はなかろうという立場です。逆転合格を目指す生徒たちは、英文解釈に時間を割くよりだったら一つでも多くの単語・熟語・構文を覚えてしまったほうがドラスティックに成績が向上するというのが、まず一点。他にも、前述したように入試問題の長文化と、それにともなう文章解釈の簡易化により、かつてほど正確な英文解釈が必要なくなったからというのがもう一点。
さらにいえば、速読英単語やリンガメタリカ・アカデミックには、分かりにくい構文についての説明があります。すべてを丸写ししてノートにまとめる必要はありません。
しかし、
① 音読するうえで、どうしても意味が分からなくて詰まってしまう
② 分からない単語があるときに、それに対応する日本語を見つけられない
などの困ったことがあれば、その部分だけは構文メモを取っておいても、バチはあたらないでしょう。
五、わからなくても最初の単語だけ発音してみる
さて、ここまでやって、いよいよ音読です。
CDを聞きながら、音読をすると最初のうちは、スピードについていけないはずです。後述するMeRuなどをつかいながら、スピードをゆっくりさせてもいいのですが、それでも言葉のつなぎ目などは発音が不明瞭で、音読することに困難を感じるかもしれません。
そんなときは、意味の切れ目の一番最初の単語だけ発音してみることをお勧めします。他の単語は無視してかまいません。ごにょごにょと言ってみてもかまいません。
とにかく、最初の発音だけを明瞭に発音することにこだわります。他の単語なんてどうでもいいんです。
六、だんだん単語を増やしてみる
そして、だんだんと単語を増やしていきます。ごにょごにょとしか読めなかったところが、繰り返していくうちに後ろにある単語も読めるようになります。
七、最終的にすべて読めるようにする
最終的には、すべての単語をすらすら読めるようになり、これを繰り返すことで暗誦できるようになります。目安としては、十回~三十回程度で、私は現役時代の四十五回やっておりました。多すぎますね。
50枚の英語論説文を暗誦するのに最大一ヶ月、300枚の英語論説文を暗誦するのに最大半年しかかからない最強の方法です。
もちろん、本当はもっと細かいステップがあるのですが、それは個々人によって違うので、詳しくは受験相談(yourmanifestojp@gmail.comまで!)していただければお答えします。
また、リンガメタリカには、英作文対策のページもありますので、つくってみたらlang8で添削を受けてみるといいでしょう。これも完全無料です。
○ スピード調節機能付プレーヤー MeRu
http://hp.vector.co.jp/authors/VA035069/products.htm
○ 無料音声チャットomegleでぺらぺらイングリッシュ
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