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【番外編】

スケジューリングテクニック一覧

googleカレンダーを使おう

▽ 毎週ある特定の時間にすべき予定を埋められる

 たとえば、マイナー科目の勉強では、一週間に一回、この日だけはこの科目の勉強にあてておきたいということがありますし、また、リスニングのように毎日やらねばならないものは、いちいち予定に書き込むことすら面倒です。

 そこで、googleカレンダーでは、繰り返しにチェックを入れると、そうした作業を自動的にやってくれます。

▽ やったかどうかをメールで確認される

 また、googleカレンダーのすばらしいところは、翌日の予定がgmailに送信されるところです。

 これにより、さぼることに心理的な圧迫感を感じます。メールに返信を送るがごとき勢いで、さくさくと予定をこなすことができます。

▽ アプリとの連動がしやすい

 また、いまのところ完全無料の学習に特化したものはありませんが、アプリとの連動がしやすいのも魅力です。

▽ 色わけがしやすい

 カテゴリ分けもワンタッチででき、教科ごとに色分けができるので、一目で予定の偏りがわかります。

▽ いつでも確認できる

 また、携帯からもアクセスできるので、いつでも確認できます。

 すぐに見れるという点では、いっそ印刷してしまったほうがいいのかもしれません。モバゲータウンなどで一世を風靡しているディーネヌエーの南場智子社長は、今でも紙の手帳を愛用なさっているようですが、これはぱっと開けることが一番の魅力だそうです。

 やはり、いつでも机に予定表を張っておくぐらいの気合は必要でしょう。

 私に相談(yourmanifestojp@gmail.comまで!)してくだされば、暗誦も含めて、予定表のテンプレートはたくさんございますので、無料で独自のカリキュラムを作って差し上げます。

▽ 修正が利く

 また、修正がすぐにできるのも魅力的です。

 一回のドラック&ドロップで、予定が変えられます。ですから、どうしても予定が合わなくなったときも、計画倒れに陥ることはありません。

▽ 共有できる

 また、学校の先生などとも設定次第で計画が共有できます。

▽ 満足感が生まれる

 いままでやってきたことは、すべてカレンダーに残りますから受験直線にはやりきったという満足感から強い自信が生まれます。

 また、ぼろぼろになった参考書を受験会場に持っていくのも良いでしょう。これもかなりの自信になります。

 Googleカレンダー

https://www.google.com/calendar/


 一周ごとに時間を半分にする

▽ やったつもり勉強

 また、受験生にありがちなやったつもり勉強をやめましょう。勉強は時間ではなく量でするものです。

▽ 時間を意識する

 ここで意識する時間とは、時間の長さではなくて、タイムリミットのことです。あらゆる勉強にきちんとしたタイムリミットを用意しましょう。

 といわれても、どうにも要領が分からないことと思います。私は、この参考書を普通のレベルの生徒はどれぐらいで一周目を仕上げ、どれぐらいで二周目を仕上げ、結果としてどれぐらいで完璧にできるかというデーターベースを持っておりますので、予定を立てる際にはぜひ受験相談(yourmanifestojp@gmail.comまで!)していただければ幸いです。

▽ 半分でおわる

 また二周目、三周目は間違った問題のみを抽出して前回の半分の時間で終わらせるようにしましょう。

▽ 最後は一日に

 そして、最後は一日で復習できるようにするのです。

 問題は、いままで正答してきたものは、まぐれあたりかもしれないということです。そこで、私は教え子にはもう一日使って、まさかの全問一斉テストを行うようにしています。

 逆転合格を謳う塾の多くは、一回の確認テストで、まぐれ当たりかどうかも考慮に入れずに「一冊を完璧にした!」といいがちですが、私はそれは違うのではないかと考えています。

 基本的にその後も、一週間~一ヵ月ごとにこの全問一斉テストを行い、その時々で一冊が完璧になっているかをチェックすべきだと私は考えています。

 英単語帳など文系科目についてなら、そのまま、テストしてみるのがいいでしょう。処理速度は圧倒的に速くなっていますから、一日あれば終わります。

 また、数学など理系科目であれば、三つから五つぐらいの似たような分野の問題でまとまりをつくり、そこから一つの問題をアトランダムに選んできてテストするといいでしょう。間違ったときには、三つから五つぐらいの似たような分野の問題すべてについてテストしましょう。

 こうすることで圧倒的な効率で、漏れがないかをチェックすることができます。

 ずらしながら進める

▽ レベルアップ

 また、音読のときも提唱したようにずらしながら進めるという方法は良い方法です。

▽ 人間の記憶

 これは、人間の記憶のメカニズムに関する問題です。

 新しいものを三分の一、もうすでにやったことのあるものを三分の二。反復練習は多いときは、三十回~四十五回。

 これだけ何度もやることにより、短期記憶が長期記憶に移行します。

▽ 学習障害でも

 このやり方は、学習障害の人にも効果があることが確認されています。

▽ ふつうの人なら

 それこそ、私の教え子で、高校中退・高認の子でも、リンガメタリカを十回暗誦しただけで単語テストで満点を取ってきました。

 しかし、こうした予定表のつくりかたには、いくつとか注意すべき点があります。参考書によっても、進めるスピードや反復回数が異なってくるので、受験相談(yourmanifestojp@gmail.comまで!)していただければ個別に予定表を作って差し上げます。

 朝と夜の勉強時間を同じにする

▽ 朝の欠点

 朝型・夜型という議論がなされることが多いですが、どちらも良い部分もあれば悪い部分もあるというのが正直なところです。

 まず、朝の欠点、記憶が定着する睡眠時間から遠いため、暗記物には向いていないということです。

 しかし、逆に考えれば、思考≒試行が中心のそこそこ難しい問題の演習にはもってこいともいえます。

▽ 夜の欠点

 一方夜型の欠点としては、注意力が散漫になり、問題演習がうまくいかなくなることにあります。しかしながら、記憶が定着する睡眠時間に近いですから、単純な暗記物をやるにはもってこいの時間でもあります。

▽ 両用に

 やはり、どちらも使ってしまうのが一番なのではないかと私は考えます。

 勉強法を最大限効率化することはできますが、やはり本気で目指すなら、圧倒的な量をこなさなければなりませんし、そのためには朝も夜も時間を惜しまずやることです。

▽ 本番を意識する

 また、常に本番を意識することも大切です。

 入試問題ではなくとも、志望校の試験時間は把握しましょう。その上で、その時間間隔を身体にしみこませるように、その時間を勉強する際の一コマに設定してしまいましょう。

▽ 思考ではなく試行

 思考力が必要とよく言われますが、思考ではなく試行。試してみる力です。どれほどうまくいかなくてもあきらめずに、自分のいままでの知識を総動員して、ペンを動かし続けましょう。いろいろ試してみましょう。

▽ 暗記ではなく習得

 また、丸暗記する。わけもわからず暗記するという勉強からは一刻も早く脱しましょう。暗記という言葉を禁句にしてもいいほどです。これからは習得という言葉を使い、この本に書いてあるように、ごくわずかな知識から、多くの知識が引き出せるような勉強をしましょう。

▽ 概念を変えよう

 また、概念を変えるような勉強をしましょう。

 といわれると、難しく感じるかもしれませんが、それほど難しいことではありません。かんたんなことです。概念を変えるには、いままで自分が持っていた概念とは別の概念に常に触れ続けている必要があります。それだけのことです。

 たとえば、英語であれば、語源で単語をものにしたあとに、いつも英文を読み続ける。そのためにパソコンのスタートアップや、ブラウザのホームページをすべて英語にしてしまうのも手です。lingoesのようなパソコン上のどこでも動き、発音もしてくれ、なおかつ意味も表示してくれるマウスオーバー辞書があればそれほど苦にもなりません。ぜひやってみてください。

 また、語源英単語や解体英熟語、多読英論説文もいいでしょう。言葉の成り立ちそのものが日本語とは違うということを実感できますし、文章の中での微妙なニュアンスや、言葉の意味が及ぶ範囲の違いなどをしっかり押さえれば、他の受験生よりも一歩先をいく実力を手に入れることができます。

 そのことが、難問にぶち当たったときにも役立つはずです。

▽ 行動主義と認知心理学

 最後になりますが、難関大受験を志す人へ。

 最初、良い大学に行きたいという人は、なにかしらの利益のために良い大学を目指す例が多いものです。たとえば、良い女を抱きたいとか、たくさんお金を稼ぎたいとか、おおよそそんなことのためにです。

 このような考え方を認知心理学では、行動主義といいます。

 しかし、最新の認知心理学の実験では、このような動機付けはむしろ人のやる気や習得能力≒学力を損なうことが分かっています。赤ん坊を対象とした実験から大学生を対象とした実験に及ぶまで、この傾向は一貫して見られるものです。

 私が、難関大合格をエサとした丸暗記に否定的なのは、そのような理論的背景があってのことです。

 こうした動機付けから一刻も早く脱し、より効果的な学力向上を狙うためには、受験勉強がたのしくてたのしくて仕方がないという状況を早急に作らなければなりません。そうでもしなければ、難関大合格はおぼつかないからです。

 そのためには、まず単語よりも文法よりも豊富な教養を付けることです。しかし、そうはいわれてもやる気が出ないでしょうし、何をすればいいのかもわからないことでしょう。

 ですから私は、単語や文法の習得を形態素分析やフレーム意味論、生成文法の理論を用いて最短距離で終わらせてしまい、あとは多読により豊富な教養を付けることに重点を置く、というような指導をしています。

 そうした指導により、勉強が大嫌いで、だけれどもお金が欲しい・女を抱きたいからといって難関大を志望した教え子たちが、どんどん勉強好きになっていってくれました。高校認定試験にいままでの二倍ぐらいのスコアで全科目合格を勝ち取ってきてくれたときよりも、センターの問題で八割を取ってきてくれた時よりも、慶大の合格点を取ってきてくれたときよりも、私にとっては「勉強が楽しくなってきた」といってくれた、その一瞬のほうがよほど価値のあるものでした。

 マウスオーバー辞書lingoes

http://www.lingoes.net/en/translator/download.htm



 すきま時間をつかう

▽ 飯をたべる

 ご飯を食べているときは、なにもせずにぼんやりする時間だと思い込んでいる受験生が多いことは悲しいことです。

 ソフトバンクを一代で築き上げた孫 正義氏はこのようにいっています。

「大学生のころ、両目でゆっくり食事だけが出来たらどんなに幸せでどんなに贅沢なんだろうとおもっていました」

 孫氏は、学生時代いつも片手に教科書を置いて、それを横目にみながら食事をしていたそうです。

 そこまでしろとはいいませんが、ご飯を食べているときは、ぜひ前の時間にやったとを思い出しながら食べましょう。英単語であれば、覚えた接頭辞・語幹・接尾辞に分解して、そこから元の意味を導き出すような形態素分析をやってみるのもいいですし、英熟語であれば、解体してそれぞれの単語の意味を出したあとに、それを元の熟語の意味に戻す作業をしましょう。数学でも、問題のどこをまちがったかぐらいははっきり思い出せるようにしておきましょう。

 飯を食べているときに思い出せるかどうかが、記憶が長期にわたって定着するかを見る良い試金石にもなりますしね。

▽ バス・電車に乗る

 バス・電車に乗るときは、英語のリスニングCDを流しっぱなしにするといいでしょう。べつに追い読みをする必要はありません。ただ、流しっぱなしにするだけでかまいません。

 これなら、車酔いがあっても大丈夫ですし、だれの邪魔になることもありません。ある程度解釈ができており、暗誦できるようになった箇所であれば、聞いているだけで日本語文の意味がわかるようになっているはずです。

 このように徹底的に反復することで、背景知識の定着も早まります。

▽ 休み時間

 休み時間のつかいかたには難儀するものです。

 なにせ、友達はみんな遊んでいるから、どうにも勉強しづらいし、さてどうしようと。

 結論からいえば、休み時間は友達と適当に話しをあわせながら、英単語であれば、覚えた接頭辞・語幹・接尾辞に分解して、そこから元の意味を導き出すような形態素分析をやってみるのもいいですし、英熟語であれば、解体してそれぞれの単語の意味を出したあとに、それを元の熟語の意味に戻す作業をしましょう。数学でも、問題のどこをまちがったかぐらいははっきり思い出せるようにしておきましょう。

 あと、さっさと前の休み時間にご飯をたべてしまって、昼休みはさっさと図書室にでもこもって問題演習することをお勧めします。

 他人というのは、なにをやってもなにかしら悪口はいうものですし、合格すれば手のひらを返したかのように良くしてくれます。あまり気にしないことです。

▽ 街を歩くときには

 これは、野球選手として有名なイチロー氏がやっていたことで、私もよくやっていることですが、ナンバープレートの四桁の数を足したり、かけたり、割ったり(これは分数で!)ということをやってみましょう。

 ちょっとした気分転換になっていいですよ。

▽ 部活・恋人

 部活だの活動だの恋人だのというのは、卒業した後にはちょっとした思い出程度にしかなりません。誰もそんなことはおぼえていません。気にしないことです。

 ついこのあいだ、自宅で教え子たちに特訓をしていたときにも、仙台時代の女の子と一悶着ありましたが、私たちは未来に生きています。きっともっともっと素敵な女の子だって現れる(はず)です。なにがあっても、気にしないことです。

 私は学園祭の実行委員をしていましたが、そのときの先輩とはいまだに仲良くさせていただいています。こういう縁は本当にありがたいことです。

 しかし、いまどうしても行きたい大学があるのならば、これからの友人のためにいままでの友人を切り捨てるような決断も大切になってきます。これは恋人も同じです。少なくとも自分はいままでそういう風に生きてきました。

 高校時代にどうしても捨てちゃいけない何かなどありません。そんなことでアツくなっているバカを見たらとっとと切り捨てるべきです。使えない人間をクビにするのは実社会では良くあることです。同じことをすればいいのです。

 自分にふさわしい人間がまわりにいなければ、いっそ一人になるのもかまわないぐらいの気位の高さを持ちましょう。私もそうしてきました。

 そして、こうして本を出すことも出来たのです。

▽ 連想しよう

 しかし、そうはいっても周りの人間関係が良くなくなることはなにかと大変でしょうから、そうした際にお勧めなのは、生活のあらゆる場面に英単語や英熟語や数学の問題などを連想する場面をつくることです。

▽ すべてを勉強に

 ところであなたは最も効率的なダイエットの方法を知っていますか?

 それは、生活のすべてを記録してしまうことです。手帳を開いて、生活のすべてのに場面が勉強に結びつくように工夫なさってください。